ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

倭は国のまほろば

2005-04-04 23:20:25 | ヤマトタケル
倭は 國のまほろば たたなづく 青垣(あをかき)
  山隠(やまごも)れる 倭しうるはし
命の 全(また)けむ人は 疊薦(たたみこも)平郡(へぐり)の山の
  熊樫が葉を 髻華(うづ)に挿せ その子

ーーーー【古事記物語】口語訳:鈴木三重吉ーーーー

「あの青山に取りかこまれた、 美しい大和(やまと)が恋しい、
 併し、あゝ私(わし)は、 その恋しい土地へも、 帰りつくことは出来ない。
 命あるものは、これから凱旋(がいせん)して、 あの平群(へぐり)の山の、
 隠樫(くまがし)の葉を、 髪に飾つて祝ひ楽(たのし)めよ。」

日本電子文学図書館

ヤマトタケルを語りたい3

2005-04-04 20:04:16 | ヤマトタケル
98年の松竹座版も、95年の演舞場版や初演頃のものに比べると、
結構、変更点があったように(今にしてみると)思いますが、
松竹座猿★征の頃は、そのあたりの話題は、ファン同士であまり出なかった。

やっぱり、今、あの時はああだったこうだったと話したくなるのは(私に限らず)
猿之助さんが不在であるということと、音楽などが変更され、舞台が大きく
刷新されたせいかな~と思います。

初演時と相違する点のいくつかの一つが、兄姫・弟姫も児太郎(現:福助)さんが、
二役を勤められていたこと。当時注目され始めていた笑也さんが早替り等の場面で、
福助さんのダミーをされるのを目撃し、密かに(?)楽しんでおりました。
そして、友人の指摘があるまで、まったく忘れていましたが、
走水では、海上に不気味な人影が浮かび、タケルが今まで殺した人々~
熊襲兄弟やヤイレポ兄弟~の祟りで、海が荒れている、この嵐を鎮めるには
海の神に捧げ物をしなければならない、という設定。
筋書(86年秋再演版)によると、「熊襲兄弟の霊」に弥十郎さん、信二郎さん、
「ヤイレポ兄弟の霊」に吉弥(坂東)さん、段四郎さん、そして、更に
「怪物」という役名?で、笑三郎さんを含み6名の出演者の名前があります。
豪華メンバーな走水だったんですねー。

ここも、まったく記憶になかったのですが、
みやず姫の館の道具立ても、初演の舞台写真入りの筋書を見てみると大きく
変わっており、初演当時は、タケルとみやず姫の二人の踊りで、
盆廻しで舞台が転換していたのが、95年版から群舞になったようですね。

また、能煩野では、タケルは死ぬ前に兄姫とワカタケルに会っているんですよね。
以前のバージョンでは・・・・
死の直前、ひと目会えることと
会うことなく別れ行くこととどちらが、より辛いのでしょうか。

ポイント募金