紘一郎雑記帳

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酒造り290年 浪花酒造 成子和弘社長講演より【第2部】

2010-04-15 05:16:15 | Weblog
酒造り290年余 浪花酒造 成子和弘社長講演会より

杜氏の技を守りり続けて290年!
【第2部】

酒造りのポイントは「3つ」あります

「1は麹」「2は酒母」「3はつくり」と昔から
言われていますが私もそうだと思います。

その「よしあし」で「出来不出来」が決まります。
麹づくりや仕込では、夜中でも定期的に麹菌の
繁殖具合や発酵状態を確認して回ることが大事です。

その前段階での「洗米」も「酒」の出来不出来に
大きく影響を及ぼす重要な工程で「熟練技術」が要ります。
精米のレベルが高い米ほど吸水が速く、水に浸す時間が重要になり
少しだけ浸しすぎても、浸しが少なくても使い物にならず
吸水の判断は秒単位でストップウオッチで計りながらの
神経を使う綿密な作業です。

我社は日本3大杜氏といわれる「岩手県」の「南部杜氏」の職人で
名人と称された「佐藤勝郎杜氏」が永年腕を振るっていました。

佐藤杜氏も2年前高齢で退かれましたが、その経験と感覚は引継ぎ
佐藤杜氏に教え込まれた、現在の杜氏成嘉一です。

嘉一は高校卒業後、入社し24歳の時に佐藤杜氏に私淑し
佐藤杜氏の後を継ぎ昨年の「全国新酒鑑評会」で金賞を獲得し」
佐藤杜氏の期待にこたえました。

日本酒の消費量は70年代前半をピークに下り坂となり
若い人達の日本酒離れが顕著で大学などのコンパでは
日本酒は見かけないとの事です。

ビール・ワイン・梅酒・そして焼酎ブームに押されて
酒造元も激減しています。

市場縮小に伴い、全国に5000社あった蔵元は
現在1500社になりました。

良質の水に恵まれた「大阪・泉州」は多くの蔵元があり
100社ほどの酒造会社がありましたが、今では数社になり
大阪府下全部でも12・3社しか存在しておりません。

私はこの環境の中で生き残るのには「美味しい日本酒」を
造ることと考えております。

美味しい日本酒の定義は難しいけど、私が「旨い・美味しい」と
思うお酒は、当社とか社外を問わず売れているのです。

酒の味を追求したくて「ワイン会社」に就職して
ワインの製造現場も経験し研究した事もありました。

酒造りのシーズンの「11月~3月」は自分で蔵入りし
精米から麹づくり、仕込み、蔵出し、までの作業に携り
終れば営業に出てお客様の声を直にお聴きしています。

そして得た結論は
【一時的に売り上げを伸ばす様な無理をせず、
飽きないように、長い目で酒造りをする】
事でした。

販売先は80%が「スーパー」で、売り上げは
この10年ほど横ばいの状態が続いていますが
市場全体が大きく後退している中ですので
「努力」が実を結んでいると良い方に考えています。

これからの販路拡大の展開を考え
ホームページの販売も始めてみましたが、
「お酒」を求める高齢者層の皆様はネット利用は無いと
疑問視されましたが、ボチボチ注文はきています。

「良い酒」を対面販売で売る趣旨で組織された
「日本名門酒会」にも加盟して「口コミ販売拡大」も始めました

「日本酒」は「健康」や「美容」に良いとされ、最近では
世界的に人気になりつつあり輸出も増えてきています。

輸出量はまだ国内の数%程度ですがアメリカを
中心に伸びているメーカーさんも出ています。

我社も「関西国際空港」の開港に併せて「輸出」をはじめ
15年前の当時としては珍しい会社といわれましたが
現在は中国・香港・シンガポールなどアジア諸国に
年間1万本(1升瓶勘定)を出荷しています。

しかしまだ、我社の年商の5%程度ですが昨年からは
「イギリス」との商売も始まり今後は「欧米」にも
販路を拡大して行く予定です。

「日本人が美味しい」と感じるお酒は「外国人も美味しい」ようで
「1・8㍑ 3万円」の日本酒がロンドンより注文が良く来ます。
ワイン感覚注目されているようです

私は
【目で見て・香をかいで」お米やもろみと対話しながらつくる
「地酒」の良さ、ITや機械化の時代に逆らい手づくりに徹し
心のこもった豊かな酒を醸して行きたい】
と心に誓っています。

その為には職人の長年の”技”と”勘”と”経験”が
大切で、幸い蔵人を総括する杜氏育って来ました。

私はアルコールの中で「日本酒」が
一番美味しいと思っています。

一口目はビールですが、次はやはり「日本酒」でしょう!
夏はキッと冷えた冷酒!冬は心温まる熱燗!は
今、流行の焼酎より味わいもあり、身体にもよく
若い人にも、女性にも、口にして貰いたく
「アルコール度数」を少し下げた”まろやかな”
そして「さわやかなお酒」も造っていきます。

ご静聴有難御座いました。


紘一雑記張

宴会の一次会は「ビール」で始まり「2次会」はスタンドの
「ハイボール」で酔った青春時代、

「2次会」は「水割りウイスキー」を、がぶ飲みしつつ、
はしご酒を繰り返した働き盛りの時代、

「2次会」は焼酎のお湯割りか熱燗に変わった壮年時代
そして今は
宴会の乾杯は冷たい「ビール」で喉を潤した後、
「熱燗」を呑み、続いては「常温酒」でふらふらに酔い、
最後の仕上げは「冷酒」で味噌ラーメン
ようやく「日本酒」の味がわかる年齢になりました。

酔い覚めの、水の美味さを、下戸知らず






































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