本当の経営者とは!
紘一郎雑記張
今こそ士魂商才の実践「偉人氏メールより」
先日、AIJ投資顧問の社長が詐欺容疑で再逮捕された。
いわゆる年金詐欺事件であるが、本人は「騙すつもりはなかった」「取り戻せる自信があった」となかば開き直りとも、自分は何も悪いことはしていないと言わんばかりの発言をしている。
昨年明るみになったオリンパスの損失隠し事件といい、企業の不祥事が続きその度にメディアはこぞって制度面の見直しが必要だと論じる。
それも必要なこととは思うが本当に問われなければならないのは、経営者の倫理観の欠如ではなかろうか。
自伝や他伝を問わず、多くの伝記や資料に目を通していきその人物を調べていくのだが、今や無名の人物であっても、その人が遺した言葉や日記を読んでいると、この人は相当立派な人物であったのではないかと思える人が多くいる。そういった人物が忘れさられているところに、今の経営者の倫理観が欠如する原因の一つになっているのではないかと思う。
例えば、明治、大正、昭和を駆け抜けた実業家に
”平生釟三郎(ひらお・はちさぶろう”)という人物がいるが、
その名を知っている人はあまりいないであろう。
戦争中の暗い時代に、あの悪名高い特高警察に検挙されたある左翼運動家が、その調書に平生のことを次のように述べたと記されている。
「・・・もし日本の資本家に、平生さんのような人が10人いれば、日本は正しい方向に立ち直ると思います」と。
ではいったい平生釟三郎とはどのような人物であったのか。続く