鳩山元首相 国益損じた身勝手外交
紘一郎雑記張
またもや”ハトポッポ”自爆
イランにとって鳩山由紀夫元首相の訪問は「飛んで火に入る春のハト」なのか。あるいは「ハトがネギを背負って来た」のか。いずれにしろ日本外交はまたも自爆してしまった。
鳩山氏は帰国後の4月9日夜、記者団にアフマディネジャド大統領らとの会談を振り返った。どうやら自己満足にひたっているようだが、現実はそんなに甘くない。欧米諸国と協調してイランへの制裁圧力を強めてきた日本政府は「身内」に足をすくわれ、逆にイランは、日本と欧米の足並みを乱し、相互不信を助長させる情報戦に勝利した。
「わが国の国益を損失するような事態だけは避けなければならない」
鳩山事務所がイラン訪問に際し、(4月)5日に発表した文書にはこんな文言が記された。
実際には鳩山氏が何か言い、何か動く度に国益は失われていく。
しかも鳩山氏は元首相というだけでなく民主党最高顧問(外交担当)である。いかに本人が「個人」「一議員」を強調し、首相官邸や外務省が鳩山氏を引き留めようとしたことが事実であっても、関係各国は「背後に日本政府の意向がある」と受け止める。
イラン国営プレスTVは早速、鳩山氏が国際原子力機関(IAEA)について、イランなど特定国を不公平に扱っていると批判したと伝えた。鳩山氏は「捏造だ」と強調するがあとの祭り。イランの宣伝工作に利用されるのは最初から明々白々だった。これでは日本に核拡散防止の意思がないかのようではないか。
ところが鳩山氏にその自覚はまったくない。 3月に訪米した島田洋一・福井県立大教授は「米側の外交スタッフの多くは名指しで鳩山氏を無責任だと怒り、バカにしていた」と証言する。
そんな鳩山氏を最高顧問に任命し、その人事を正当化し続けたのは誰か。野田佳彦首相(54)である。政権が鳩山外交の危険性を何も理解していないことの証左ではないか。
もはやバカにつける薬はない。