『史記〈武帝紀〉』第七巻を読んだ。これが最終巻である。この巻では漢の皇帝・劉徹が死を迎え、おくり名が武帝となる。後をついだ皇帝は劉弗陵だが、まだ幼く霍光が先帝の指名で後見役をつとめる。劉徹の死去で匈奴に対する対応も変わり戦のない世となる。漢の降将である李陵はたたかいの場を失ったが、漢へ戻るのを拒否するために北海(バイカル湖らしい?)のあたりに極寒の地に入ることになる。
漢の中興の祖とも言われた武帝の長い治世を書いた〈武帝紀〉であったが、権力の座にあるものの問題をえぐりながら民とは何か、生きるとは何かと問いかける作品であった。とにかく、全巻を読破できてよかったと思う。