山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

『南総里見八犬伝』=平岩弓枝著

2012-11-14 07:25:51 | 読書

 11月に入って定期的に低気圧がやってきて、農作業のできない日が続いている。残りの作業は、若干残しておいた堆肥を休耕田の一部に入れ、来春ギョウジャニンニクを植え込む圃場の準備をすること。それが済めば、来年の分のタキギをつくるために、木を伐採し長さを切りそろえて積み上げる。約半年乾燥させ、来年の夏田んぼの作業が一段落した時期に、薪の長さに切って割り家の周囲に運んで薪小屋に積み上げるための準備だ。この家にいつくようになったころは手順が呑み込めず、雪が舞う頃になって薪切りをしたものだが、今は初秋のまだ暑さの残っている時期の仕事になっている。

 定期的にやってくる低気圧のおかげで、「晴耕雨読」の生活になって読書が進むので、本の確保で忙しい。平岩弓枝の『南総里見八犬伝』は以前から読みたいとは思っていたが機会がなかった。先日、盛岡での演説会に行った時に、時間があったので盛岡へ勤務していた時代に行きつけとなっていた古本屋に立ち寄ってみたところ、あったので1冊300円で購入しておいたものだ。

 『南総里見八犬伝』は言わずと知れた滝沢馬琴の98巻106冊もの長編小説である。馬琴が47歳から71歳までかけて書き上げたものだそうだ。テレビでも人形劇でやっていたような記憶がある。絶世の美女である伏姫が交情を交わすことなく妊娠し、その腹から八つの球が飛び散り、8人の犬士が生まれ、やがて力をあわせて里見家を盛り立てるというお話だが、犬やキツネ、タヌキ、猫など怪物化け物が続々と登場する奇怪な物語である。平岩弓枝がこの1冊分の長さにまとめてくれたので、ようやく大きな筋は読み取ることができた。