山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

映画「北のカナリアたち」を鑑賞

2012-11-13 07:32:06 | レビュー/感想

 11日夜、私たち夫婦は鶯宿温泉の温泉民宿・小枝旅館に泊まった。12日は新聞が休みの日で、朝早く起きだす必要がないので、可能な限り夫婦で出かけできれば山に登るということを楽しみにしている。ところが、日本海を進んでくる低気圧で12日は朝から雨と決まったようなもので、登山には適さないことがはっきりしていた。朝目を覚ますとうやはり雨音がしている。私は、5時過ぎに温泉に入りテレビを見ながら朝食を待った。この旅館は女将が一人で営業しているらしい。朝食を部屋に届けると、旅館の前にある「足湯」の掃除当番だといって出て行った。

 9時にチェックアウトして、盛岡へ向かう。雨が強くなったり弱くなったりで、まあ登山はあきらめて良かったという感じ。菜園にある有料駐車場に車を入れ、傘をさして川徳デパートのすぐ近くにある「ルミエール2」に行く。比較的小さな館で定員140と書いてあった。10時からオープンらしくまだ鍵がかかっていて、職員が準備中だった。まもなく準備が整い、「シニア」料金一人1,000円なりを払って入場。この日は、続々と観客が詰めかけ7割程度の入りになった。さすが吉永小百合を主演にもってきた映画は人気がある。

 「北のカナリアたち」は、湊かなえの『往復書簡』が原作で、坂本順治監督の作品である。主演が吉永小百合、夫役が柴田恭平、島に来て女教師「はる」と心を通じ合わせる警官役が仲村トオルで、分校の生徒が大人になった役を宮崎あおいや小池栄子などが演じている。舞台は、礼文島の小さなにあった分校のこと、吉永小百合演じる女教師「はる」が着任し、子どもたちに歌唱指導をして北海道大会に出場する直前に事件が起こる。子どもたちの気持ちを和らげるために開いたバーベキュー大会で、女の子が自殺の真似事をして本当に海に落ち、夫がそれを救おうとして海に入り、子どもは助かるが夫は水死する。その時。「はる」が男と会っていたことから島を追われる結果になる。そして、その日から分校の子どもたちは「歌を忘れたカナリア」になってしまう。20年後、廃校となった分校に子どもたちが集まり、合唱をして心を結びあうというのがおおよそのストーリーだ。

 この映画の中で、脳腫瘍に侵され残りがいくばくもなくなった夫と、そのことで苦悩する「はる」。敏腕刑事でありながら目の前で人質を殺され、生きる希望を失った警察官との間で交わされる心の交流。事件をはさんで、仲間を信じられなくなりながら、仲間との交流を求めてやまない分校のこどもたちなどが、厳しくも美しい礼文島、そして海を挟んでそびえる利尻富士の姿などをバックに美しく描かれている作品であった。