今週の山響は、土曜日の「ユアタウン・コンサート」。山形の南陽市での公演です。「アルルの女」組曲をメインに、ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」。ソロは仙台国際コンクールで優勝したリチャード・リン氏。指揮は飯森範親氏です。
ところで、私にとって「アルルの女」は昔から大好きな曲です。もちろん「組曲」しか知りませんが、とくに「カリヨン」が大好きで、中学生の頃はカセットテープを巻き戻し巻き戻しして、何度も聴いていました。
中間部の綺麗な部分は、自分の「好きなメロディ」のベスト10に入るかもしれない。
あまりに気に入ったので、図書館で「アルルの女」の原作である、ドーデの戯曲を借りて読んだこともあります。いったい、どれほど美しく、切ない物語なのだろうと期待して。
しかし。
本当に訳のわからない話でした。主人公の男は、どこかで見かけたアルル出身の女に一目惚れ。でも、その「女」については、名前もなにもわからない。そもそも、この話には結局一回も登場しない。いつも「アルルの女が…」「アルルの女は…」みたいな噂だけなのです。それなのに、結局、主人公は許嫁との結婚式の段階でもその「アルルの女」を諦めきれすに、自殺してしまう。
…?
「アルル」という言葉の響きでどうにかなっているような気もします。アルルはプロヴァンスの広大な田園風景が広がる素晴らしい地方らしいですしね。でも、それなら日本で言えば「岩手」みたいなもの。
ひと目見ただけの「岩手の女」がどうしても気になって、結婚式の日に自ら命を断つ…。
というあらすじを聞いたら、ちょっと違和感がありますよね。近松門左衛門でも、作品にするのを躊躇すると思います。
しかし、この話から、これほど素晴らしい音楽を創ってしまうビゼーがすごい。音楽が、場違いに素晴らしすぎる。この辺りに、生前に成功しなかった原因があるのかもしれません。
とうことで、本番は5日(土)シェルターなんようホールにて15時開演。お時間のある方はぜひ!
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