Winding Road

スポーツやら音楽やらいろいろと。

アントラーズ1993×ヴェルディ1993

2007-07-31 | 鹿島アントラーズ

素晴しい引退試合でした。ヴェルディがラモスを筆頭に本気モードで向かってきてくれたこともあり真剣勝負の雰囲気が漂う中でのゲーム。

前半は柱谷や北澤を揃えたヴェルディが黄金期の強さを見せてくれました。狭いスペースでの巧みなパス交換は当時のまま。年をとってスタミナがなくなってもテクニックは衰えません。ヴェルディはチームの皆が本当に上手い。

逆に後半は鹿島の黄金時代を彷彿とさせる展開。熊谷の献身的な動きと豊富な運動量は現役時代と変わらず。そして迫力のあった相馬・名良橋の両サイドバック。この二人の効果的なオーバーラップの繰り返しは見事。サイドバックとはこうあるべきというお手本を見せてもらいました。相馬に関しては去年の川崎のOB戦でプレーしている姿を見ていますが、その時は後ろに下がりっぱなしだったので、今回の試合の後半戦を見てやっぱり相馬は左サイドを疾走する姿が一番良く似合うと感じました。

鹿島は前半はやや劣勢でしたけどジョルジーニョが入ってビシッとチームが引き締まりました。あの辺の存在感は流石。肉離れで交代するまでの実働時間は少なかったですけど、その間に同点ゴールまで決めるなどその存在を大いに印象付けました。超一流は違います。

他に印象に残ったのは増田。14番の増田といえばやっぱり元祖は忠俊なわけで久しぶりにその姿を見れて嬉しかったのと、増田が鹿島で活躍していた頃が懐かしく思い出されました。あの頃は14番のレプリカを着たギャルサポが多かったな。増田自身もらしいドリブル突破を仕掛けてファールを貰うなど、良い動きをしていました。それから鬼木の17番も懐かしかった。どうしても川崎の7番という印象が強いけれど、17番を背負ってプレーしているのを見ていると、鹿島でプレーしていた頃を思い出します。

試合のクライマックスは80分。真中と高桑の交錯は迷う事無くPKの裁定。これを本田が決め自ら花を添えました。高桑もやりにくい状況でのPKだったと思いますが、逆にあの場面でゴールマウスに立てるのは元鹿島の高桑だからこそ。

ラモスをはじめ柱谷・永井・服部は前夜に福岡で試合があったにもかかわらず駆けつけてくれ、またその他のメンバーもヴェルディ戦士の引退ならともかく、ライバルチームの引退試合の為にこれだけ集まってくれて、また少数ながらもヴェルディサポもカシマまで足を運んでいただいてこの引退試合を盛り上げてくれました。自分が言うのもなんですけど、ヴェルディの皆様にも鹿サポの一人として感謝で一杯です。

試合後はセレモニー。本田の言葉は力強くそこに涙はありませんでした。ゴール裏ではサポに胴上げされトラメガも持った。時にはぶつかり合いながら、それでもサポーターと向き合ってきた本田らしい光景でした。その姿を一番近くでずっと動かずに眺めていた相馬の姿が印象的だったんですが相馬は何を思っていたんだろう。それと最後に宮本監督の墓前に手を合わす映像が感動的でした。

主役の本田を筆頭に懐かしい面々が見れ心の底から純粋に楽かったです。さて本田の居なくなったこれからの鹿島はまた新たな黄金期を築くべく道を歩んでいくだけ。本田はこれからも影からチームを支えていく事でしょう。しかし『6番 キャプテン 本田』 これは決して忘れる事は無い。