今日はゆうこりんの芸能プロの脱税が発覚した日。
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確かに僕は疲れていた。朝から飲んだビールが体中を巡り、ほどよい脱力感と心地良さが体を支配し眠りに落ちていた。ゴリラに襲われる夢を見た。遊園地のような場所でゴリラが大暴れしている。身の丈が観覧車の半分ほどある巨大なゴリラ。僕の家は遊園地の中にあり、ゴリラに襲われまいと僕は雨戸を必死に閉めていた。
しかし気が付くとゴリラは部屋の中に居た。あれほど大きかったゴリラが僕の身長と変わらぬ大きさで立っている。僕は家を出ようと必死に雨戸を開ける。するとどうだろう。家は警官隊に取り囲まれており「お前は包囲されているぞ」と言っている。
苦しい。なんだろう。コレは夢なんだ。同じ夢を以前にも見たことがある。早く気がつけ。その時だった。
「あれ、まだ一人いるぞ」
声が聞こえる。現実へと続く蜘蛛の糸を手繰り寄せ、僕は目を覚ました。窓の外に大勢の人がおり、僕を見ている。なんだこれは、夢の続きか?囚われの箱の中で僕は目を覚まし、声を掛けた男に目を走らせた。手に箒と塵取りを持った制服姿の男。ゴリラの飼育員に見えなくもなかった。飼育員が口を開いた。
「君はもう戻れないよ」
「何?何だって?」
「君はもう戻れない。行くところまで行ってもらう。しかし安心して良いよ。5分もすれば元の場所に戻れるから」
「何の話だ…」
僕は辺りを見回したが、その箱の中には僕とその男しか居なかった。さっきまで大勢の人々が居たはずなのに。大勢の人たちは外へと行ったのか。
「けど、そこに居ては危ない。こちらに来てくれ」
「ああ…、分かった」
僕は彼の案内に導かれ、座席を移動した。歩きながら見た外は闇に覆われていた。まだ昼過ぎのはずなのに…。
「この場所なら安全だ。少ししたら元いた場所に戻れるから…」
それだけ言って、飼育係の男は去っていった。男の指示に従い、僕は座席で良い子にする。すると別の男の、通りの良い声が聞こえてきた。
「座席から離れてください。座席が動きます」
するとどうだろう。僕がさっきまで座っていた椅子の背もたれが、天井へと向かって伸び上がり、ガクンガクンという音と共に下りながら折れ曲がり座席の向きが変わった。それが一つだけでなく、数百の椅子が同時に動いた。僕は思わず携帯カメラのシャッターを押したが、映ったのは全てが終わった後だった。
飼育員の言うとおり、数分後に元いた場所に戻ってこれた。しかしそこには好奇の目を向ける人々が待ち構えており、僕はいそいそとその場から逃げ出すのであった。
地下鉄に乗って寝てしまい、終点になっても起きずに放置され、一旦車庫まで連れて行かれた話しでした。
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確かに僕は疲れていた。朝から飲んだビールが体中を巡り、ほどよい脱力感と心地良さが体を支配し眠りに落ちていた。ゴリラに襲われる夢を見た。遊園地のような場所でゴリラが大暴れしている。身の丈が観覧車の半分ほどある巨大なゴリラ。僕の家は遊園地の中にあり、ゴリラに襲われまいと僕は雨戸を必死に閉めていた。
しかし気が付くとゴリラは部屋の中に居た。あれほど大きかったゴリラが僕の身長と変わらぬ大きさで立っている。僕は家を出ようと必死に雨戸を開ける。するとどうだろう。家は警官隊に取り囲まれており「お前は包囲されているぞ」と言っている。
苦しい。なんだろう。コレは夢なんだ。同じ夢を以前にも見たことがある。早く気がつけ。その時だった。
「あれ、まだ一人いるぞ」
声が聞こえる。現実へと続く蜘蛛の糸を手繰り寄せ、僕は目を覚ました。窓の外に大勢の人がおり、僕を見ている。なんだこれは、夢の続きか?囚われの箱の中で僕は目を覚まし、声を掛けた男に目を走らせた。手に箒と塵取りを持った制服姿の男。ゴリラの飼育員に見えなくもなかった。飼育員が口を開いた。
「君はもう戻れないよ」
「何?何だって?」
「君はもう戻れない。行くところまで行ってもらう。しかし安心して良いよ。5分もすれば元の場所に戻れるから」
「何の話だ…」
僕は辺りを見回したが、その箱の中には僕とその男しか居なかった。さっきまで大勢の人々が居たはずなのに。大勢の人たちは外へと行ったのか。
「けど、そこに居ては危ない。こちらに来てくれ」
「ああ…、分かった」
僕は彼の案内に導かれ、座席を移動した。歩きながら見た外は闇に覆われていた。まだ昼過ぎのはずなのに…。
「この場所なら安全だ。少ししたら元いた場所に戻れるから…」
それだけ言って、飼育係の男は去っていった。男の指示に従い、僕は座席で良い子にする。すると別の男の、通りの良い声が聞こえてきた。
「座席から離れてください。座席が動きます」
するとどうだろう。僕がさっきまで座っていた椅子の背もたれが、天井へと向かって伸び上がり、ガクンガクンという音と共に下りながら折れ曲がり座席の向きが変わった。それが一つだけでなく、数百の椅子が同時に動いた。僕は思わず携帯カメラのシャッターを押したが、映ったのは全てが終わった後だった。
飼育員の言うとおり、数分後に元いた場所に戻ってこれた。しかしそこには好奇の目を向ける人々が待ち構えており、僕はいそいそとその場から逃げ出すのであった。
地下鉄に乗って寝てしまい、終点になっても起きずに放置され、一旦車庫まで連れて行かれた話しでした。