うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の日記を読む その64

2008-08-24 05:32:11 | 日記

 十二月十一日 晴、行程七里羽犬塚、ある宿とあります。山裾の静かなお堂の第十八番の札所に拝登。そこから急ぎ久留米に出て郵便局に留置の郵便物を受け取ります。そこから羽犬塚まで歩き目に付いた宿に飛び込みました。そこで一言「きたなくてうるさいけれど、やすくて親切だつた」どこかいいところを見つける山頭火です。<o:p></o:p>

 霜、うららか、雲雀の唄、櫨の並木、苗木畑、果実の美観、こう書置き防備録とすると言います。なるほど俳句作りの備えですか。乱にあって治を忘れぬ心がけ、見習わねばなりません。<o:p></o:p>

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 大霜の土を掘りおこす<o:p></o:p>

 枯草ふみにじつて兵隊ごつこ<o:p></o:p>

 さうろうとしてけふもくれたか<o:p></o:p>

 街の雑音も通り抜けて来た<o:p></o:p>

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 十二月十二日 晴、行程六里、宿は原町常盤屋。寝過ごして九時出立して途中少しばかり行乞。札所を二箇所ほど詣り、いそいでこの宿に泊まったと言います。しかし共同風呂というものに入り、酒一合飲んだらすっかり一文無しになり、明日からはなにがなんでも行乞せねばならぬと背水の陣です。<o:p></o:p>

 「行乞! 行乞のむづかしさよりも行乞のみじめさである、行乞の矛盾にいつも苦しめられるのである、行乞の客観的意義は兎も角も、主観的価値に悩まずにゐられないのである、根本的にいへば、私の生存そのものの問題である(酒はもう問題ではなくなつた)。」今夜の宿も困りもの、蝋燭の灯りでこれだけ書いた、こんなことにも旅のあわれが感じると神妙であります。こうも語ります。「道路山道の石地蔵尊はありがたい、今日は石地蔵尊に導かれて、半里の道を迷はないで巡拝することが出来た。」<o:p></o:p>

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日向の羅漢様どれも首がない<o:p></o:p>

山道わからなくなつたところ石地蔵尊<o:p></o:p>

明日は明日のことにして寝ませうよ

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (■かわぐち えいこう)
2008-08-24 14:08:03
明日は明日のことにして寝ませう
人生やりきれなさの、どんずまり。それでもこんな句をさらりと作るあたりが、さすが山頭火です。
目覚めると枕もとに現金封筒
そんな夢しか見ない、三等下です。
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Unknown (やまちゃん)
2008-08-24 14:48:45
今日は
最後のお金まで 飲んでしまう気にはとてもなれません。お酒の勢いでしょうか? 托鉢で食にありつける良き時代ですか。 今でも有名な寺では修行僧が行なうのをテレビで見ました。 
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Unknown (うたのすけ)
2008-08-24 15:57:16
かわぐち えいこうさんへ。
今日は。
いえいえ、山頭火もそんな夢を確実に見たと思います。うたのすけ請け負います。
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Unknown (うたのすけ)
2008-08-24 16:00:12
やまちゃんへ。
今日は。
御婦人には到底理解できぬ、酒飲みのアホな心理と思います。
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