記事は東京高裁判決といかめしく
クレーンの下敷きになり、下半身不随の「車椅子人生」を送る羽目になった技術者とその家族が、クレーン車の基礎部分を作った造船会社を相手り損害賠償を求めていた裁判の控訴審で、東京高裁は会社側に一審判決を上回る3850万円の支払いを言い渡しました。
賠償額は本人分だけでも3600万円を超え、労災事故の裁判で認められた賠償額としては過去一、二を争う高額といいます。
裁判所はこの技術者の逸失利益の算定に当たって次のように述べていて、「我が国の賃金上昇傾向はとどまる気配がない」とし、毎年10%のベアを織り込んで将来の収入を計算しており、毎年の貨幣価値の下落を考慮した「インフレ時代」を反映する内容となったと記事は締めくくっております。昭和48年のことであります。
小生経済の事に関しましてはとんと疎いのですが、この技術者現時点の姿を調べてみました。判決から既に40年経過しており、技術者のお年は80代前半になっております。人様の懐具合を探るなんて良いことではないのですが、ここは一つ大目に見て頂きます。
先ず3650万円の生む金利は度外視してですが40年で割ってみます。912,500円となりました。月収としては76,000円です。この方は当初、奥さんと両親お子さん2人の6人家族であります。
労災にベア込賠償、年10%増で算定と大きく新聞は東京高裁の判決を画期的なものとして報じていたようですが、いかがなものでしょうか。よく先進諸国のこうした賠償裁判では億単位の賠償が支払われているのを見聞きします。
今、あらためて40年前の昭和48年7月1日の新聞記事を読んで思いました。とうの昔にこの賠償金は消えてしまっているのではないかということをです。
追記 新聞の写真ははあえて載せませんでした。
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