うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 四十九

2009-09-15 06:34:01 | 日記

春潮のテープちぎれてなほも手をふり 門司埠頭<o:p></o:p>

出航の微笑ましい光景です。山頭火は一人岸壁を離れるデッキに立ちます。沢山のテープがデッキと埠頭を繋ぎ、色鮮やかな絨毯を敷き詰めたようです。ひと際たかくドラの音が響き、次々とテープは切れていきました。デッキの男性、埠頭に立つ女性、必死に手を振り合います。<o:p></o:p>

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ふるさとはあの山なみの雪のかがやく ばいかる丸にて<o:p></o:p>

汽船のデッキに立ち尽くす山頭火です。帰郷ですか、故郷を離れる船旅ですか。遥かに望めば、懐かしい故郷の山々が雪を抱いて輝いております。<o:p></o:p>

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春の雪ふる女はまことうつくしい 寶塚へ<o:p></o:p>

宝塚歌劇の鑑賞ですか。レビューのテーマは春雪と言ったところでしょう。宝塚ジェンヌの美しさに圧倒される山頭火、まことに…に力がこもります。<o:p></o:p>

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あてもない旅の袂草こんなにたまり<o:p></o:p>

袂草イコール袂糞と解します。和服の袂に自然とゴミがたまります。これを称して袂糞と言いますが、マメな人でしたら、返して刷毛ではたき落とします。これは洋服のポケットも同じことです。<o:p></o:p>

さすが山頭火、袂糞を袂草ときれいに言い替えて見せました。長い旅路、何気なく袂の中を探れば、自然と溜まったゴミの数々、たまには返して旅の垢を捨てましょう。<o:p></o:p>

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たたずめば風わたる空のとほくとほく<o:p></o:p>

旅の空、一息入れて見上げる空は果てしなく、雄大に広がっています。その空間に吹き渡る風は、旅人の心を癒して行きます。<o:p></o:p>


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