旅はまだ終わらない(旧構造有機化学研究室)

構造有機化学研究室(1992-2023)のホームページを引き継いだものです。

博士課程進学者激減

2020-10-06 06:12:57 | 大学のこと

    

あまり、世間には知られてはいない大学の博士課程であるが、日本の大学の同課程で、深刻な問題が進みつつある。 ある調査によりと、日本の大学院の博士課程の学生の数は、修士課程から進学する学生が減り続け、ピーク時の2003年度のおよそ1万2千人から、わずか15年で半分の5963人まで減少している。また、人口100万人当たりの博士号取得者の数も、欧米が増加傾向にあるのに対し、日本は2008年度の131人から減少し、2017年度には119人と、アメリカ、ドイツ、韓国の半分以下の水準にまで落ち込んでいる。 科学技術の基礎研究を将来担いうるのは、間違いなく博士号取得者である。 一時期、国の施策により、博士課程進学者が大幅に増えたが、残念なことに、その出口での需要拡充がなかったため、「高学歴ワーキングプア」なる言葉だけを残しただけの失敗であった。 こんな惨めな姿を見せつけられれば、高いお金を支払ってまで、誰も進学しないのは当たり前である。 ほんとうに、由々しき時代になった。 もう、何とかしないと、手遅れになりつつあるのに、大学では、相も変わらず、地味で継続が大事な教育と研究ではなく、派手で目立つことばかり(年中行事になっている改組、カリキュラム変更、学年歴変更、入試制度変更等々)に、多くの教員が奔走している。 どこで道を間違ってしまったのだろか?

From Face Book: Nobody wants to go to a doctoral course.

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