フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 






 蒲田駅近くにある「マルスファンタスティカ」でフランス料理のコースをいただいてきました。書いている今日はクリスマスですが、それはブログに書くのが遅れたためで、お店に行ったのは12月初旬です。小林浩一シェフの、繊細で、しかも毎回新しい工夫のある料理をいただけて、最高に満足した夜でした。

 さて、「マルスファンタスティカ」を訪れた経緯については、少し説明をしたいと思います。私のブログなどで何度か取り上げてきた「ル・ヴェルデュリエ」というフランス料理店に、私は長年通ってきました。この「ル・ヴェルデュリエ」のシェフだったのが小林浩一シェフであり、その小林シェフを迎えてフランス料理を味わえる店に模様替えしたのが、この「マルスファンタスティカ」というわけです。というわけで、今回私は、小林浩一シェフの料理をいただくことを目的に、この店を訪れたということです。
 「ル・ヴェルデュリエ」は2007年(でしたでしょうか?)に大田区鵜の木の住宅街に開店しました。私の自宅から遠くない場所だったのですが、住宅街の一軒家レストランだったため、開店時はまったく知りませんでした。その後ふとしたことからこのお店を見かけ、料理を味わってから、小林シェフの料理のファンになったというわけです。
 その後2015年になり、「ル・ヴェルデュリエ」は千駄ヶ谷の広い店舗に移転しました。気に入ったお店が遠くに行ってしまうのは、もちろん残念でした。しかし、大田区にあったときほどの頻度ではないにしても、その後も何度も千駄ヶ谷のお店にも行きました。その小林シェフが大田区に戻って「マルスファンタスティカ」のシェフを務めることになり、喜んでお料理をいただきに行ったというのが、このお店を訪れた経緯です。
 小林浩一シェフの料理の特徴は、フランス料理の伝統を活かしつつも、京野菜を使うなどの日本的な工夫をした繊細な料理のしかたにある、と私は思います。この日のお料理も、オードブルに聖護院大根や梅・昆布、京地鶏などが使われていて、これぞ小林シェフの料理という味を楽しませていただきました。もともとシードルやアップルパイを看板にしていたお店だったこともあり、私も最初の一杯にシードルをいただき、最後のデザートには林檎のテリーヌが用意されていました。その意味では、以前から親しんでいた小林シェフの味にプラスして、新しい味も楽しませていただきました。
 小林浩一シェフの料理ですから、料理は文句のつけようがないのですが、レストラン空間としては、これまで大田区鵜の木や千駄ヶ谷のお店とは、室内の造りがかなり違っています。もとはシードルバーのようなお店の形態だったようなので、基本的にカウンター席で本格的なフランス料理をいただくことになります。最初はこの点を少し懸念したのですが、実際にはたいへん楽しくお料理をいただきました。この日のカウンター内には、店のオーナーさんとフロア担当の女性が常にお二人いてくれました。こちらから尋ねれば、料理の話やお店の話をいろいろしてくれました。通常のお店の場合は、料理を運んでくれるフロア担当の方と少し言葉を交わす程度か、あるいは料理が全部終わった後でシェフに挨拶するのが普通です。今回は、カウンター内のお二人と少しずつ会話しながら、コース料理を一品ずついただいていくという形になり、こういうフランス料理の楽しみ方もいいもんだな、と思いました。
 私自身は、出張や旅行でない限り、夜に外食する習慣がほとんどないので、今回は小林シェフの料理のために珍しく夜に食事に出かけました。この「マルスファンタスティカ」は、通常は昼営業がないそうなのでやや残念です。これから昼営業も始まるとありがたいと思いますし、仮になくてもまたこの店で小林シェフの料理を味わいに訪れたいと強く思いました。

アミューズ

オードブル①

オードブル②
魚料理
肉料理(チョイス①)

肉料理(チョイス②)

デザート


※このブログはできるだけ週1回(なるべく土日)の更新を心がけています。

<p><a href="https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131503/13278607/?tb_id=tabelog_c5960724d33223e5dceab14a650ba37b7bc5eda4">マルスファンタスティカ</a> (<a href="https://tabelog.com/rstLst/RC021101/">フレンチ</a> / <a href="https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131503/R2576/rstLst/">蒲田駅</a>、<a href="https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131714/R7892/rstLst/">蓮沼駅</a>、<a href="https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131503/R3649/rstLst/">京急蒲田駅</a>)
  <br />夜総合点<span style="color: #FF8C00;">★★★★</span><span style="color: #A9A9A9;">☆</span> 4.5
</p>











コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




 中央大学の学術講演会が杉並区でおこなわれ、その講師を務めさせていただきました。(ブログに書くのが遅れてしまったので、講演があったのは今月初旬のことです。)
 中央大学の学術講演会は、一定の条件を満たしていれば、どのような団体からのご要望であってもお受けするようになっています。ただ、実際には中央大学の学員会(卒業生の会)からのご要望が多くて、今回は、学員会杉並支部からのご要望で、NHK連続テレビ小説、いわゆる「朝ドラ」についての講演をお引き受けしました。
 こうした講演会はかなり以前からおこなっていますが、私がお引き受けするようになった10年あまり前からだったように思います。私はもともと明治期のマイナーな小説を研究課題としていましたが、その後は村上春樹などの現代文学やテレビドラマなどの映像文化の研究を主としています。以前のような研究では、一般の皆さまへの講演依頼はなかっただろうと思いますが、近年の研究課題でお役にたつならお引き受けしようと考えるようになりました。
 当日は中央大学学員会の関係者だけではなく、多くの一般区民の皆さまに会場に来ていただきました。支部の皆さまの丁寧な準備と活発な広報活動のおかげと感謝しています。また、講演後には区民の皆さまから多くのご質問をいただき、私の話を熱心に聞いてくださったことがよくわかりました。
 私たちのように大学に所属する研究者にとって、研究内容を一般の方のためにお役にたてる機会はそう多くはないと思います。ですので、ご依頼はなるべくお受けするように心がけていますし、今回のように多くの皆さまに喜んでいただけるならさらに幸いなことと考えています。

※このブログはできるだけ週1回(なるべく土日)の更新を心がけています。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




 ネットニュース『週刊女性PRIME』と紙媒体の週刊誌『週刊女性』からインタビューがあり、私のコメントを掲載してもらいました。ネットニュースのURLは下記の通りで、内容は同じです。

吉高由里子、次期主演ドラマが『silent』と設定かぶり!「イヤでも比較される」勝負作品に不安材料(Yahooニュース)

吉高由里子、次期主演ドラマ『星降る夜に』の設定が『silent』とかぶった! 「イヤでも比較される」北村匠海との共演作に不安材(週刊女性PRIME)

 今回のインタビューは、今クールと次期クールで、聴覚障がいを描くドラマが続くことについてでした。これにはさまざまな要因があり、論じ方ができます。その中で、私は「日本戦後史とテレビドラマ」というテーマを研究課題の一つにしていることもあり、こうした障がいを重要な要素にした作品が、日本の戦後史の特定に時期に集中していることを重視して考えてきました。今回はその立場からのコメントです。本来はもっと詳細に論じるべき内容ですが、ネットニュースや週刊誌記事として制限があるのはやむを得ないことです。さらに詳しい考察は、別の機会に論じてみたいと思います。

※このブログはできるだけ週1回(なるべく土日)の更新を心がけています。




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




 サッカーワールドカップ・カタール大会において、日本がグループリーグを突破しました。グループリーグ突破は4度目ですが、ワールドカップ優勝経験国に勝利したのも、世界ランク1ケタのチームに勝利したもの初めてです。その意味で、今回のスペイン戦勝利には格別の価値がありました。
 それを記念して(?)私がどんなふうにサッカーと出会ってファンになったのかを語りたいと思います。

 私と同じ年代の方たちにとって、1968年メキシコオリンピックのサッカーの印象は、とても大きなものがあるのではないでしょうか。金メダルの体操、銀メダルのマラソン君原に比べても、サッカーという伝統のない種目での銅メダルは多くの日本人に強烈な印象を残しました。それから、私は突然サッカー小僧となり、日本に近代サッカーの基礎を教え込んだドイツ人コーチである、デットマール・クラマーの本などを読みふけるようになりました。ちなみに、当時私が好きだったのは、五輪得点王の釜本邦茂ではなく、ウイングの杉山隆一でした。彼の高速ドリブルと鋭いセンタリングは今でも目に焼き付いています。近年かなり熱烈なサッカーファンになったのは、この頃のサッカーへの気持ちが残っていたからでしょう。
 その後も日本サッカーには関心を持ち続けてきましたが、メキシコオリンピックから30年間近く国際大会(オリンピック・ワールドカップ)には出場することすらできませんでした。それが、1993年にJリーグが開幕、1996年アトランタオリンピックでブラジルを破る「マイアミの奇跡」を起こし、1998年ワールドカップフランス大会に初出場したことで、日本サッカーが確実に国際レベルに(少しずつですが)近づいていったことを感じました。
 そして、日韓ワールドカップで初めてグループリーグを突破したことで、子どもの頃にメキシコオリンピックで感じた熱いの気持ちが再燃してくるのを感じました。そして、あの雨の宮城スタジアムでトルコに敗れた後、私は一種の放心状態のような感覚を味わいました。そして、「夢をありがとう。でも、できればもう少し夢を見続けていたかった。」という思いから、もう一度スタジアムに行ってサッカーを応援してみようという気持ちになりました。
 ちなみに2005年は、フル代表の試合4試合やナビスコ杯決勝戦などを応援に行きました。2006年はアジアカップのインド戦やキリン杯スコットランド戦などに出かけ、さらにドイツワールドカップには実際にスタジアムに行き、日本対ブラジル戦を観戦しました。その後もワールドカップ南アフリカ大会にも現地に行くなど、サッカーファン、日本サッカーのサポーターであり続けてきました。2013年から勤務先で行政職についていた関係で、スタジアムに行くことはできなくなりましたが、それでもサッカーには関心を持ち続けてきました。
 先週も書いたように、サッカーだけを特別扱いするつもりはありません。競技としてはラグビーやボクシングが特に好きですし、オリンピックには毎回熱中しています。スポーツが人びとを引きつける魅力、スポーツの持つチカラというものに注目して、これからもスポーツを見続けていきたいと思っています。

※このブログはできるだけ週1回(なるべく土日)の更新を心がけています。




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )