フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 



 10月から12月にかけてのクールのテレビドラマが始まったばかりです。まだこれからの作品もありますので、とりあえず、今週から始まった作品について、簡単な感想を書いてみましょう。数字はビデオリサーチ社による関東地区のこれまでの視聴率です。

SUIT/スーツ (フジテレビ系、月曜21時) 14.2%

 初回は面白く見ました。アメリカは人種も多様で、ドラマは国外輸出も多い。違う文化背景にも通用する面白さを備えているので、いいところに目をつけたと思います。テンポが速いのも現代視聴者向けです。織田裕二は癖が強い俳優ですが、その癖の強さを活かせる役になっています。ただ、リアリティがあるかといわれれば、かなり「作りもの感」(要するに嘘くさい感)は強いので、それを上回る面白さで視聴者を惹きつけ続けられるか、そこが今後の勝負でしょう。

 僕らは奇跡でできている (フジテレビ系、火曜21時) 7.6%
 
 知的でクールな魅力のある高橋一生を変人大学講師に起用したのは、なるほどと思える設定とキャスティングです。思えば、大学教授ものは以前からありました。古くは『白い巨塔』のような重々しい権力もの。その後も『天才柳沢教授の生活』や『ガリレオ』などが思い出されます。『天才柳沢教授の生活』は徹底して変人に描いて笑う、『ガリレオ』は変人だがとにかくかっこよく描く。その点でいえば、『僕らは軌跡でできている』は、今のところ、どちらでもないという印象です。「変人で常識がないが本質を鋭く見抜く人物」という主人公像は新しい描き方とも言えますが、それが魅力として理解されるには少し時間がかかるように思います。

 中学聖日記  (TBS系、火曜22時) 6.0%

 有村架純は今勢いのある女優です。清純、可愛いイメージを変える役も演じていて、この作品もその一環でしょう。ヒットした松嶋菜々子主演『魔女の条件』(1999)を思わせる設定ですが、違う点も多くあります。1.男性俳優は滝沢秀明と岡田健史。その時点の知名度に差がある。2.有村架純は大人の女性というよりは、今のところ「可愛い」存在。この役に向いているか? 3.淫行条例など、低年齢者との恋愛への社会的意識が格段に厳しくなっている。「3」の要素のためか、ネット上では否定的な意見がかなり書かれているようです。うーん、ピンチ、架純ちゃん、ガンバレ!

獣になれない私たち (日本テレビ系、水曜22時) 11.5%

 放送前に書いたこのブログで、この作品も期待作品としてあげておきました。ただ、初回を見てみたところ、コメディ色の強い作品と聞いていたことに比べて、やや重い印象を持ちました。「重い」というのはやや違うかもしれませんが、描かれているのは、一種のパワハラ状態であり、事態はけっこう深刻なはずです。しかし、作品の主眼はそこではなく、そういう状態でも表面的にいい顔をしてしまう状態のこと。これからその本音が描かれてくるので、その展開に期待したいと思います。


 黄昏流星群 (フジテレビ系、木曜22時) 7.3%

 放送前に書いたこのブログで、一番の期待作品としてあげておきました。分別も常識もある大人だからこそ、恋愛に戸惑い、それでも人に惹かれてしまうせつなさがテーマと考えてよいでしょう。初回を見る限り、ややありがちな展開が目につきます。わかりやすい仕事上の挫折、外国で運命の女性との出会い、そして偶然すぎる再会…。ありがちです。ベタです。絵に描いたようです。でもいいじゃないですか。奥さんが中山美穂で、運命の女性が黒木瞳ですよ。もうありがちだろうとベタだろうと、何でも許しちゃいます。僕が佐々木蔵之介になりたーい!

リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~ (テレビ朝日系、木曜21時) 15.0%

 米倉涼子が弁護士資格を剥奪された元弁護士役を演じる法廷ドラマ。主人公は勝つためには手段を選ばないやり手の元弁護士。とくれば、誰もが『ドクターX』を思い出すことでしょう。しかもタイトルが『リーガルV』ですからね。しかし、その既視感を薄めるために、キャストは、林遣都、荒川良々、安達祐実、三浦翔平、勝村政信、高橋英樹と、勝村以外は米倉とほぼ初顔合わせの俳優陣を選んでいます。前にも書いたように、テレビドラマは、小説や映画に比べて、期待感を裏切らないことを重視し、新しい要素は必要ではあっても割合は大きくしすぎないのが鉄則です。『ドクターX』ファンの期待にちょうど適合しているかどうか、ここからお手並み拝見というところです。


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応援部、チアリーダー部のエール

 私が勤める中央大学でホームカミングデイがおこなわれました。

 ホームカミングデイは、その名の通り、卒業生たちに自分の家に帰るような気持ちで、母校に帰ってきてほしいという願いをこめた行事です。政治家や弁護士による座談会、理系女子のための実験教室、散策ツアー、模擬店、等々がおこなわれました。私は学部長の立場で、第1部の開会式典と名誉教授との懇親会を中心に参加してきました。
 大学は、今大学にいる人たち、学生、教員、職員だけのものではありません。卒業生や学生の父母、その他多くの関係のある人たちのものでもあります。今日はそのことをあらためて意識した一日でした。


中央大学附属横浜中学・高校合唱部


白門グリークラブ(男性合唱部OBの会)


中央大学混声合唱こだま会


名誉教授との懇談会

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 私が勤めている中央大学文学部国文学専攻には国文学会という組織があり、その研究発表会がおこなわれました。この発表会では、学会員なら誰でも発表できますが、通常はその年度に修士論文を提出する予定の大学院生が発表することになっています。
 今年度の発表者は修士論文提出予定者7名。プログラムは下記の通りです。

 研究は一人で黙々とおこなうという一面はあります。研究分野にも寄りますが、「個」の力と努力が必要なことは言うまでもありません。しかし、その一方で、多くの人の知恵を借りることが大切な場合もあります。大学院生であれば、指導教員から指導を受けることはもちろん、他の教員から、大学院の先輩・後輩から、多くのアドバイスをもらうことも必要です。
 この国文学会研究発表会はそのような機会です。7人の大学院生たちがこの機会に多くの有益な助言を受け、各自の研究成果へと結び付けていってくれることを願っています。


プログラム

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平安朝物語におけるジェンダー ー男女間の発話から見るー

  原 空留未 (博士前期課程)

女義太夫とメディア ー明治期の出版物を中心にー
  金子 瑞葵 (博士前期課程)

音楽の視点から小説を解読する ―「国境の南、太陽の西」を中心に―
  エン 楊 (博士前期課程)

国語教材論 ー「こころ」と女性作家が女性間を描いた教材を比較してー
  齋藤 麻稀 (博士前期課程)

教材としての『舞姫』
  髙橋 慧 (博士前期課程)

武田泰淳論
  網野 珠英 (博士前期課程)

昭和一〇年代の文学
  横尾 圭祐 (博士前期課程)

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 いつもは、テレビドラマの放送が始まってから感想を書くのですが、今回は次のクール(10月~12月)に放送される作品への期待を書きます。
 10月からは下記のような作品が予定されています。期待の作品は多く、シリーズものも面白そうなのですが、今回は大人の視点から『黄昏流星群』『獣になれない私たち』の2作品をあげておきたいと思います。
 『黄昏流星群』『獣になれない私たち』は、「大人のラブストーリー」という点で共通します。『黄昏流星群』は弘兼憲史の漫画が原作なので、既に多くの読者に浸透しているかもしれません。「黄昏」の言葉が入っているように、中高年読者に特に親しまれた作品です。近年、中高年男性から、「大河ドラマと『相棒』しか見る作品がないんですよね」と嘆かれることもあり、そういう視聴者にも見てもらえる作品といえるでしょう。
 大人は、人生の後半に至っているからこそ、立場もあり、常識や分別もあり、恋愛だけに夢中にはなれません。それでも人にひかれる気持ちをおさえきれないときがある…。そういうせつなさを描くのが、原作をなった『黄昏流星群』という漫画作品だと私は考えています。今回はその漫画作品のテレビドラマ化。主人公の佐々木蔵之介に感情移入するとしたら、妻役を中山美穂、謎の多い女性を黒木瞳が演じるというのも、中高年男性には嬉しいキャスティングです(笑)。
 同じ「大人のラブストーリー」といっても、『黄昏流星群』がなつかしさ、せつなさを前面に出すのに対して、『獣になれない私たち』の方はコメディの要素が強いようです。脚本は『逃げるは恥だが役に立つ』の野木亜紀子。けっして中高年向けドラマではありませんが、設定には大人ならではの要素があると感じます。というのも、ドラマの中心となるのは、外面と内面が相違する30代前半の男女です。
 新垣結衣演じる深海晶(しんかいあきら・30歳)は、「常に笑顔」「仕事は完璧」で周囲から好かれている。しかし、それは理想の女を演じているだけ…。一方、松田龍平演じる根元恒星(ねもとこうせい・33歳)も、器用で人当たりが良く、要領がいい会計士。しかし、本当は全てを冷めた目で見ている…。若者は恋愛に一途になれるかもしれませんが、大人はそうはいきません。複雑な人物像に設定された2人がどんなふうに絡んでいくのか、楽しみにしています。



〜月曜日~
21時-フジ「SUITS(スーツ)」織田裕二(10月8日)
22時-テレ東「ハラスメントゲーム」唐沢寿明(10月15日)
25時-日テレ「部活、好きじゃなきゃダメですか?」高橋海人他(10月22日)

〜火曜日〜
21時-フジ「僕らは奇跡でできている」高橋一生(10月9日)
22時-TBS「中学聖日記」有村架純(10月9日)
25時-TBS「ルームロンダリング」池田エライザ(11月6日)

〜水曜日〜
21時-テレ朝「相棒 シーズン17」水谷豊(10月17日)
22時-日テレ「獣になれない私たち」新垣結衣、松田龍平(10月10日)
25時-日テレ「PRINCE OF LEGEND」片寄涼太(10月3日)
25時-テレ東「天 天和通りの快男児」岸谷五朗(10月3日)

〜木曜日〜
20時-テレ朝「科捜研の女 第18シリーズ」沢口靖子(10月18日)
21時-テレ朝「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」米倉涼子(10月11日)
22時-フジ「黄昏流星群」佐々木蔵之介(10月11日)
24時-日テレ「ブラックスキャンダル」山口紗弥加(10月4日)
25時-日テレ「プリティが多すぎる」千葉雄大(10月18日)

〜金曜日〜
20時-テレ東「駐在刑事」寺島進(10月19日)
22時-NHK「昭和元禄落語心中」岡田将生(10月12日)
22時-TBS「大恋愛~僕を忘れる君と」戸田恵梨香(10月12日)
23時-テレ朝「僕とシッポと神楽坂」相葉雅紀(10月12日)
24時-テレ東「忘却のサチコ」高畑充希(10月12日)

〜土曜日〜
21時-NHK「フェイクニュース」北川景子(10月20日)
22時-日テレ「ドロ刑」中島健人(10月13日)
23時-テレ朝「あなたには渡さない」木村佳乃(11月10日)
23時-フジテレビ「結婚相手は抽選で」野村周平(10月6日)
26時-テレ朝「深夜のダメ恋図鑑」馬場ふみか・佐野ひなこ・久松郁実(10月6日)

〜日曜日〜
21時-TBS「下町ロケット」阿部寛(10月14日)
22時-日テレ「今日から俺は!!」賀来賢人(10月14日)

〜毎日〜
8時-NHK「まんぷく」安藤サクラ(10月1日)

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 学部ゼミの合宿に行ってきました。私が勤務する中央大学文学部国文学専攻では、3年次と4年次連続のゼミが必修科目になっています。2年間同じメンバーで学ぶということと、懇親会(要するに飲み会)や合宿などの行事があることから、他の単独科目とは異なり、部活やサークルのような一体感や人間関係が生まれてくるように感じます。

 今年も例年通り、都内某所で2泊3日のゼミ合宿をおこなってきました。私のゼミが合宿をおこなうのは、一つはゼミ履修者の人数が多いので、研究発表や卒業論文指導のための時間を確保する意味からです。ただ、それだけが目的ではなく、ゼミ学生たちの親睦のためでもあります。実際に、ゼミ合宿を経た後の学生たちの関係は、それより前に比べて格段に結びつきが強くなるように感じています。

 というのは毎年のことなのですが、今年は特に参加人数の多い合宿になりました。もともと履修者が3年生、4年生ともに20名を超えていますし、さらに今年は大学院生が5名参加してくれました。
 私が所属する国文学専攻では、ゼミの振り分け(学生がどのゼミを履修するかを決めること)に際して学生の希望をできるだけ尊重するので、ゼミによって履修人数は大きく異なります。履修人数が少なければ、当然ST比(学生と教員の比率)から考えて、よい教育環境ということになるのかもしれません。ただ、履修者が多いと、よいこともいろいろあります。
 もっともよいのは、学生たちが個々に取り組んでいる、さまざまな研究課題に接することができることです。このブログでも何回か取り上げているように、私のゼミ学生の卒業論文テーマは、通常の文学作品に限らず、演劇、映画、ドラマ、漫画など多彩です。私のゼミでは、4年生が年間3回それぞれの卒業論文に関する発表をゼミでおこなうので、ゼミ学生全員がそれらの課題を共有します。1回の発表時間は短いものですが、それぞれの学生の卒業論文が最初の構想段階からどのように完成していったかを、全員で共有することが、すべての履修者の成長につながると考えています。

 今年のゼミ合宿も、楽しくて充実したものになりました。ゼミ学生、院生の皆さん、おつかれさまでした。


(恒例のディベート(らしき)大会)


(こちらも恒例のバレーボール大会)


(優勝賞品はチュー王子)


(3日目までもちろん勉強もがんばります)


(3日目になっても学生たちは真剣そのもの)↑↓





(皆さん、ゼミ合宿おつかれさまでした!)



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 映画『きらきら眼鏡』を応援しています。

 この映画の原作は、森沢明夫の同名小説。主人公の青年・立花明海(たちばなあけみ=金井浩人)が、古本に挟まっていた名刺から年上の女性・大滝あかね(=池脇千鶴)と知り合い、人間の「生死」について深く考えさせられていく物語です。
 私がこの映画を応援しているのは、監督・犬童一利さんが中央大学商学部卒、
脚本家・守口悠介さんが中央大学文学部卒という縁からです。そこから中央大学で上映前の試写会がおこなわれました。
 ⇒ 「中央大学先行試写会の報告
また、その試写会の際には犬童さん、守口さん、私の3人で鼎談がおこなわれ、そのようすもウェブページに既にアップされています。
 ⇒ 鼎談「映画『きらきら眼鏡』が出来るまで」(犬童さん+守口さん+宇佐美)

 日頃は、スマホで短い動画を見たり、ラインが入ってるかを始終気にしたり、落ち着かない日常を過ごしている気がします。そんな日常とは異なり、2時間物語の世界に入って、その人物の世界にじっくりと寄り添うというのはこういうことなんだ、と気づかせてくれる映画でした。
 9月7日からTOHOシネマズららぽーと船橋で先行上映が始まっていて、9月15日から有楽町スバル座ほか全国で順次公開されます。
 皆さんにも応援していただけたら幸いです。

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(レストラン「ル・ヴェルデュリエのゆったりした店内)

 私が勤務する中央大学の授業はまだ始まっていませんが、会議や打ち合わせは多々あります。そんな中ではありますが、かつての教え子たちと食事してきました。

 私は中央大学に勤務して、はや29年目になりました。私のゼミで学んだ卒業生を中心に、規模の大きい同窓会を4年に一度開催しています。ただ、その同窓会というのは、現役学生を含めて100名近い出席者となる立食パーティーですので、出席してくれた卒業生に少しずつ挨拶するだけで、もう精一杯です。そこで、今回は同じ年度の卒業生だけの、少人数の会食の機会を持つことになりました。
 場所は、私のもっとも好きなレストランである「ル・ヴェルデュリエ」(千駄ヶ谷)です。このレストランは、以前は私の自宅に近い大田区鵜の木にありましたが、2016年に千駄ヶ谷に移転となりました。このブログにもこの店のことは何度か書いています。→ 繊細なフレンチ『ル・ヴェルデュリエ』 (「フィクションのチカラ」より)
 移転後は、それ以前ほど頻繁には通えなくなりましたが、卒業生と会食の機会に利用させていただきました。




アミューズ(パルメザンチーズの甘くないケーキ)


オードブル①(茄子と魚介のジュレ添え)


オードブル②(鶏と香り茸のパテ&鶏とフォアグラとトリュフのパテ)


メイン(和牛スネ肉の赤ワイン煮込み&ステーキ)


デザート(紅茶のケーキ、ガトーショコラ、パイナップルとパンナコッタ)


食後のコーヒー


 今回は平日の昼時間帯で、「アミューズ、オードブル2品、メイン1品、デザート、コーヒー類」というコースをいただきました。卒業生と一緒に、いつもながらの繊細な料理をいただいて、とても楽しい時間を過ごすことができました。
 ル・ヴェルデュリエの料理の特徴は、繊細さ、和風の食材の活用など、いろいろありますが、この日もその特徴が存分に味わえました。今回は夏の暑い盛りで、私も少し食欲が落ちていたのですが、オードブルの一品目は鱧や秋刀魚などの和食の食材を使った冷たい料理。いつもながらの特徴と気配りがこもった料理で、最初から食欲が引き立てられました。そして、オードブルの二品目は2種類のパテ。見た目はちょっと似ていながら、味わうと異なる2種類の対比を楽しむことができました。メイン料理は過去に何度かいただいて、このブログにも書いたことがある組み合わせです。私の年齢になると、同じ食材を「がっつり」というよりは、いろいろな味を楽しみたいと感じることが多く、メイン料理でも2種類の味を楽しめるのはありがたいと感じます。同じことはデザートにも言えて、3種類のスイーツを少しずつ楽しめました。
 そこで思い出したことがあります。このお店が
大田区にあった頃、オードブルは6~8種類もの盛り合わせになっていることが多く、そのオードブルを毎回楽しみにしていました。その頃から、たくさんの美味しいものを少しずつ楽しめることの幸せを感じていました。

 この日は、卒業生と昔話や近況を語りながら、美味しい料理をいただくことができました。こうした余裕のなる時間を持てるのは、1年のうちの限られた時期だけのことですが、こうした時間に心の充電をして、今後はまたしっかり校務を務めていきたいと思っています。


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 なんですが、今回は今日(火曜日)の更新になってしまいました。すみません。







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 今クールのテレビドラマの中で、マスコミやネット上の書き込みでは、『義母と娘のブルース』(火曜22時、TBS系)と『高嶺の花』(水曜22時、日本テレビ系)を対比的に取り上げていることが多いようです。

 そこで、2作品のここまでの視聴率(ビデオリサーチ社、関東地区)をまず見てみましょう。

『義母と娘のブルース』
 11.5%→ 11.3%→ 12.4%→ 12.2%→ 13.1%→ 13.9% →15.1%
『高嶺の花』
 11.1%→ 9.6%→ 8.2%→ 9.2%→ 8.2%→ 7.8% →9.9%

 視聴率だけを見る限り、『義母と娘のブルース』が次第に支持を集めていることが明らかです。初回視聴率はほとんど変わらないのに、『義母と娘のブルース』は視聴率を大きく上げていき、『高嶺の花』は逆に下げてしまっています。
 こうした差が生じたことについて、マスコミやネット上でこの2作品を比較する場合は、主演女優である「綾瀬はるか vs 石原さとみ」といった興味から書かれていることが多いようです。しかし、2作品の視聴率の推移の差はけっして主演女優の魅力の差というわけではないというのが私の考えです。2作品の違いは、「誰にでもある気持ちを描こうとしている作品」と「誰も見たことのない世界を描こうとしている作品」の違いだと、私は考えています。

 『義母と娘のブルース』で描かれている「余命宣告」とか「偽装結婚」とか、そういうことは世の中にそんなにしばしばあることではありません。個別にでもしばしばあることではないのに、しかも、「余命宣告」されたから、周囲にいる中でもっとも信頼できる女性に「偽装結婚」を依頼し、それを受け入れてもらうという組み合わせとなると、これはもうあり得ないといってもいいくらい非現実的な話です。
 しかし、そこで描こうとしているのは、「親が後に残る子どものことを心配する」とか、「働くだけでは何か自分の人生に寂しさを感じる」とか、「自分が愛する人の子どもの成長を助けたい」と願うこととか、そういう気持ちは、多かれ少なかれ、人間の心のどこかにはあるはずの感情です。視聴者は、『義母と娘のブルース』に描かれた「起こり得ない」話を見ながら、「誰にでもある感情」を呼び起こされ、共感し、感情移入し、そして涙することになります。
 もちろん、そんな話を重くなりすぎないように、随所に笑いの要素をちりばめ、それを綾瀬はるかという天才的なコメディエンヌが演じています。綾瀬はるかは、視聴者を笑わせるコメディエンヌであるのと同時に、視聴者を泣かせることにも長けた希有な女優さんです。良一の葬儀で亜希子が気持ちを外に見せた場面や、高校生になったみゆきが亜希子に気持ちをぶつける場面では、私も泣きました! このくらい泣かされるテレビドラマ作品も珍しいと思いました。さんざん笑わせておいて、そして要所では泣かせる…。そんな王道の世界にこの作品は視聴者を引き込んでいきます。

 一方で、『高嶺の花』が描いているのは「誰も見たことのない世界」です。この作品で描かれる人物たちの「愛」は通常の人間には理解できないようなものです。華道家としての道を極めるために、あえて常人の世界に背を向ける人びとや、自分の愛する人のためにすべてを投げうってしまう人が描かれています。というのは、たとえば、結婚式場で自分を置いて去って行く相手を、その人の幸せのために喜んで見送る男性です。たとえば、芸術家として成功するために、自ら結婚を壊してその罪悪感を背負い込もうとする女性です。まさに常識では考えられない人たちを描こうとするのが、この『高嶺の花』という作品です。
 それは脚本家・野島伸司が一貫して描こうとしてきたものです。もっと端的にいえば、野島伸司が描きそうとしているものは「究極の愛」です。野島伸司を、人間の醜い面とかスキャンダラスな面を描く脚本家とする批評もありますが、私はそうは思いません。野島伸司が描こうとしているのは、日常の世界にはない「愛」、まだ誰も見たことのないような「愛」です。それは、いわば「実験室の中にしかないような愛の世界」です。醜さやスキャンダラスの出来事は目的ではなく、「究極の愛」を作り出すために装置に過ぎません。

 誰の心の中にもある感情を引き出そうとする作品(『義母と娘のブルース』)と誰も見たことのない世界を描き出そうとする作品(『高嶺の花』)であれば、前者の方が多くの人びとに支持されることは明らかです。しかし、それがそのまま作品の評価、良し悪しとなるわけではありません。『義母と娘のブルース』を評価するのは当然ですが、一方で野島伸司的世界がどこまで「究極の愛」を追究していくのか、その面から
『高嶺の花』にも注目していきたいと思っています。


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(箱根の温泉ホテル近くの景色)

 校務多忙で休みがとれない…と、このブログで何度か愚痴をこぼしてきましたが、先週の後半から、ようやく休みをとることができました。とはいえ、これまで後回し、後回しと先に延ばしてきた用件をこの期間にまとめてかたづけないといけません。それでも、形式上は休みになったことで、少しほっとしました。夜寝るときに、「明日〇時に起きないといけない」「明日の仕事と会議は、これとこれ」と考えずに眠りにつけるのは、久しぶりのことです。
 ということで、この期間に温泉に行ってきました。以前は毎回のように湯河原に出かけていたのですが、近年はあちこちに行っていて、今回の行先は箱根にしました。私は自分が行ったレストランのことは実名で書きますが、宿泊先は名前まで書かないことにしているので、写真と感想だけとさせていただきます。
 今回は一人で数日滞在しました。箱根を選んだことに特別な理由はありません。近年プライベートで行った温泉は、熱海、伊東、石和、湯村、秩父、上山田、安曇野、穂高、磐梯、新花巻、湯の川などがあります。今回もどこでもよかったのですが、もしかしたら緊急の問題などがあって職場に呼び戻されたら…という心配が少しだけあって、大学からもそれほど遠くない箱根を選びました。
 温泉地の場合、一人客をどのように扱うかは、その旅館やホテルによっていろいろです。以前はあまり喜ばれていなかったようですが、近年は男性に限らず一人客が増えているようなので、ある程度の扱いをしてもらえる所が増えているように思います。今回泊まったホテルも、一人だからといってそれほど悪い待遇はありませんでした。
 一人で温泉地に宿泊する場合の懸念事項は食事です。一人でゆっくり、美味しい料理を味わえるような雰囲気かどうか。それが一番気になるところですが、今回は、それほど悪くありませんでした。朝食はビュッフェ式なので気になりませんし、夕食はレストランのコース料理で、座席の配置などの配慮もあって、夕食は毎回ゆっくり味わうことができました。
 写真は初日の夕食料理。最初に前菜、小鉢(南瓜豆乳寄せ)、お造りなどが用意されており、温かい鍋物として牛すき鍋。その後、焼き物(太刀魚のチーズ焼き)、煮物(野菜炊き合わせ)、蒸し物(穴子飯蒸し)、揚げ物(稚鮎と野菜の天ぷら)等が順に運ばれます。こうした料理が順に出されるので、夕食は、毎晩デザートまで1時間以上かけて味わいました。先週このブログに書いたように、このところダイエットしていて、こんなに品数の多い食事はしていませんでしたし、休みがとれたこと自体が久しぶりなので、ありがたく食事を楽しみました。
 ちなみに、温泉ホテルの和食料理の場合、デザートが物足りないことが多いのですが、この日のデザートに果物・水饅頭と一緒に出されたのは手作りの「杏仁フロマージュ」。これは初めて食べたデザートですし、和系統と洋系統の両方のデザートがいただけて、最後まで満足感が高いコース料理でした。



(前菜、南瓜豆乳寄せ、お造り、鍋物)


(牛すき鍋、太刀魚チーズ焼き)


(穴子飯蒸し、野菜と海老の炊き合わせ)


(天ぷら、汁物、御飯)


(果物、杏仁フロマージュ、水饅頭)

 以前はこうした食事や温泉地の滞在を、ここまでありがたいことと思ったことはありませんでした。校務多忙で休みがないと愚痴をこぼしてきましたが、それで唯一よかったことは、こうした温泉地で過ごすオフの時間のありがたさが骨身に沁みるほどに感じられる、ということです。オフが明けたらまた働いて、年末になったら、また穏やかで豊かな時間が過ごせることを願いたいと思います。


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  (2018年4月末)


  (2018年8月初旬)

 この数か月ほど、人生何度目かのダイエットに取り組んでい
ました。「何度目か」と書くと毎回失敗しているようにも聞こえますが、そういうわけではありません(笑)。多くの人と同じように、若い頃はいくら食べても太りませんでした。しかも、20代後半から胃腸を悪くしたので、痩せる方の心配はあっても、太る心配はさらになくなりました。
 ところが、50歳をすぎた頃、胃腸の具合もよくなり、普通に食事できることが嬉しくて調子に乗って食べているうちに、いつの間にか太ってしまいました。この時ばかりは、人生初めてのダイエットに取り組みました。その時には、食事制限と運動を組み合わせて、かなりしんどい思いをしましたが、8㎏ほどの減量に成功しました。
 その後、体重が少し増えたり、減らしたりということは何度かありました。少し増えると気をつけ、体脂肪率を15%前後に保つようにしてきたので、ダイエットといってもだいたい小幅なものでした。ところが、昨年11月に学部長になり、職場にいる時間が大幅に増え、外食や買ったものを食べることが増え、同時に運動する時間がとれなくなったためか、短期間に体重、体脂肪率が一気に増加してしまいました。しかも、校務のために時間と労力のほとんどをとられてしまい、以前のようなしんどいダイエットに取り組む気力が湧いてきませんでした。その頃、今年4月末の体脂肪率が、最初の写真、なんと18.6%です。
 ただ、そのままではいくらなんでもいかんと思い、今年のゴールデンウィークから食事に気をつけ、なんとか結果を出しました。詳しくは省きますが、学部長の校務をしながらなので、そんなに特別なことはできません。当たり前のような食事の内容や時間を気をつける程度のことに取り組みました。当たり前のことではありますが、少しずつ結果がついてきて、先日の計測で、2枚目の写真のように、なんとか13.7%まで体脂肪率を下げることができました。
 職場の方も一斉休暇期間に入り、私も少しだけほっと一息つけることになります。これまでの校務多忙で後回しにしてしまっている仕事が多々あり、これからそれに取り組まなければいけませんが、それでも少しは温泉に行ったり、美味しい料理を食べたりしたいものです。ただし、それでまた元の体重、体脂肪率に戻らないよう、その点だけは気をつけて、これからの時期を過ごしたいと思っています。


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 私の夏休みはまだ来ていませんが、少しだけ休日があったので、たまっていたDVD録画のうち、前クールの深夜ドラマ『やれたかも委員会』を見てみました。
 このテレビドラマは、吉田貴史の漫画作品が原作で、今年になってインターネット配信版も作られ、今年の4~6月には地上波版として8回放送されました。私はテレビドラマ研究者として、どのドラマもなるべく(少なくとも数回は)見るようにしているのですが、この作品は録画しただけで見ないままでした。校務多忙だったことも理由の一つではありますが、なんせタイトルは『やれたかも委員会』ですからね。あまりまともなドラマとは期待できず、見ないまま今になってしまいました。
 ようやく前期の授業も終わり、そろそろDVDレコーダーのハードディスクを整理しないといけなくなって、この『やれたかも委員会』を見てみたところ、これがなかなか深い話でした。毎回一人の相談者がやってきて、3人の委員の前で思い出を語り、「あのとき、やれたんでしょうか」と相談するのに対して、3人の委員がそれぞれ「やれた」または「やれたとは言えない」の札を上げる、という展開をとります。
 番組タイトルの「やれたかも」って、要するに「あのときセックスできたかも」っていう話です。身も蓋もない、えげつない話です。ただ、ここから考えられるのは、一つは「性をめぐる問題では明示されない部分が大きい」ということ、もう一つは「過去の記憶とどのようにつきあって生きていくかがいかに重要か」ということです。
 近年のセクシャル・ハラスメントをめぐる意識の変化に対して、フランスの有名女優カトリーヌ・ドヌーヴが「誰かを口説こうとするのは(たとえそれがしつこくても、あるいは不器用なやり方でも)犯罪ではない」「(男性の)口説く自由は認められるべきだ」という発言をして物議をかもしました。その発言はやや拙劣ではあるものの、性をめぐる関係においては、これはよい、これはいけないと明示できない部分が多くあります。つまり、デジタルゲームのように点数化されたり、YesかNoかで決めたりできないことがほとんどです。今日告白したらNoでも、来週告白したらYesになることだってあり得ます(ほとんどの場合は、今日ダメならいつでもダメですが、あくまで可能性の問題として)。だからこそ、過去にどうすべきだったかに正解はありませんし、それは多くの人に共通する悩みであり、自分の過去を顧みたときに考えさせられる深い話になってくるのだと思います。
 また、過去の記憶とどのようにつきあっていくのか。それもまた多くの人に共通する重い課題です。いうまでもなく、記憶は事実ではなく、心の中で時間をかけて作られるものです。岩宮恵子『思春期をめぐる冒険 心理療法と村上春樹の世界』にたいへん興味深い例があがっていて、高校時代の学園祭の記憶が他のクラスメートとまったく違ってしまっていたケースが紹介されています。
 人は多かれ少なかれ、自分の過去を自分の都合のよいように作りかえて生きています。しかし、この番組では、自分の過去について引っかかっていて消化しきれない出来事を、他者に話し、意見を聞いてその意味をとらえ直していくところに意味があります。
 『やれたかも委員会』というあまり感心できないタイトルに影響されて、最近までこの作品を見てきませんでしたが、なかなか深くて考えさせられる課題を提供している作品だった…。そんな印象を遅ればせながら持ちました。近年のテレビドラマはつまらない、という人も多いのですが、まだまだ面白い工夫の余地はあると考えさせられました。


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 7月から9月にかけてのクールのテレビドラマが始まって、約1か月が経ちました。その多くの作品については、前回のこのブログで感想を書きました。今回はそこで書けなかった作品や遅く始まった作品について、取り上げたいと思います。数字はビデオリサーチ社による関東地区のこれまでの視聴率です。

この世界の片隅に (TBS系、日曜21時) 10.9%→10.5%

 この作品については、先週のこのブログで既に書きました。そこでは、今クール作品の中でもっとも期待した作品と書きました。その考えは今も変わりません。ただ、一点論議を呼んでいることがあります。それは、原作であるこうの史代の漫画作品、片渕須直監督による映画作品、そして今回のテレビドラマ化作品の三つの関係です。
 というのは、テレビドラマから映画の製作委員会に向け「Special Thanks」が示されたのに対して、映画の製作員会が「関係ありません」と表明したという出来事がありました。これはとても重要な問題なので、ここでは書ききれません。私は漫画、映画、ここまでのテレビドラマ作品のすべてを見ていて、たしかに映画の影響力が大きかったことは感じられます。ただし、それはテレビドラマの脚本レベルというよりは、映像、演出レベルでの共通性が強いように感じました。



 半分、青い。 
(NHK、月曜~土曜朝8時) 
 恋愛ドラマの北川悦吏子が朝ドラにどのような脚本を書くか。私もたいへん興味を持っていました。たしかに面白いです。従来の朝ドラの枠にとらわれず、北川脚本らしさは十分に出ていますし、時代背景を巧みに取り入れるところなどもさすがです。ただし、後半になって、ドラマの時間を何度もとばす(数年間の出来事を省略して、その何年後…という描き方をする)ことが多いことには疑問があります。テレビドラマに限らず、フィクション作品で時間をとばすことは珍しくはありませんが、度重なると作品がダイジェスト版にように見えてしまい、視聴者は作中の世界に感情移入ができなくなることがあります。1回ならいいのですが、何度も時間をとばすのはどうでしょうか。視聴率は高いので、気になっているのは私だけなのでしょうか。

 ラストチャンス  (テレビ東京系、月22時) 6.1%
 テレビドラマが視聴率をとることが難しくなっているなかで、テレビ東京系が月曜22時に新しいドラマ枠を作ってきました。深夜枠でチャレンジし続けているテレビ東京系が、また新しいことをやってくれたという感じです。テレビ東京系と言えば、ビジネスニュースなどにも力を入れている放送局でもあり、ビジネスをテーマにしたドラマを設定したきたのも、おおいにうなずけるところです。みんなが同じドラマを見る時代は終わりました。最初から視聴者を絞ったドラマ制作というのは、これからのドラマの重要な特徴になっていくのかもしれません。

刑事7人-4 (テレビ朝日系、水曜21時) 11.0%→12.7%→12.4%
 テレビ朝日系で『刑事7人』ときたら、その昔の『七人の刑事』を思い出して懐かしく思っていたら、いつのまにかその『刑事7人』が第4シリーズと、すっかり定番作品になってきました。作品の中心的なコンセプトは変えずに、しかし、メンバーや設定を少しずつ変えていく…というのが、うまくいっているようです。以前と同じような面白さを期待する、以前とは違った面を見てみたいと期待する、という視聴者の相反する期待を受けとめるためには、こうした継続と変化のバランスが必要になっているようです。ただし、毎回1回完結かと思ったら、初回と2回目が連続の1話でした。完結と思って1時間見たら「来週に続く」となるのは、ちょっとキツいわぁ。

 探偵が早すぎる (日本テレビ系、水曜25時) 3.9%→4.2%
 滝藤賢一と広瀬アリスという、今期待される俳優同士の組み合わせ。そして、先週の『絶対零度』に続く、犯罪を未然に防ぐという、通常の事件解決ものの定型を壊す興味深い作りになっています。しかし、しかし…。残念ながらこの演出にはついていけませんでした。関西のこてこてのお笑いも嫌いではないのですが、この作品はそこまでのアホらしさにもならず、単なる大騒ぎにしか見えない場面が多々ありました。これは感覚の問題かもしれませんが、私の笑いの波長には合ってきませんでした。

透明なゆりかご  (NHK、金22時) 4.9% 
 原作の漫画は未見ですが、テレビドラマは実によく出来ています。命について真面目に考えるドラマは近年『コウノドリ』などがあり、おおいに評価されました。『コウノドリ』については『TBSレビュー』(2018年2月4日放送分)に出演してコメントしましたので、ここでは省きます。この『透明なゆりかご』は、『コウノドリ』よりもさらに真面目に作られている分、娯楽性が少なく、ときには見ていてつらくなるほどです。私は何度か書いていますが、NHKは民放と同じようなドラマを作る必要はないはず。この作品のように、民放では作れない作品でこそ、NHKには頑張ってほしいものです。

 dele (テレビ朝日系、金曜23時) 
 これは面白い。というかカッコイイ。言葉では言いにくいのですが、演出のキレが素晴らしい。刑事・警察ドラマのバディものはよくありますが、こちらは死者のコンピュータなどからデータを消す仕事をする二人組。不思議な職業ですが、そこから死者のそれまでの生き方が明らかになっていきます。深夜に実験的な作品を持ってくるのはテレビ東京系が先駆者ですが、近年は『おっさんずラブ』など、テレビ朝日系が深夜枠に力を入れていて、この作品も話題になりそうです。


 これはただの雑談なのですが、小学校も中学校も高校も、みんな夏休みに入っているんですよね。それなのに、大学はなかなか休みになりません。私は、昨日(土曜日)も今日(日曜日)も仕事で出勤していました。あ~あ、早く休みがとりたい…。すみません、これは雑談というよりも単なる愚痴でした。


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 7月から9月にかけてのクールのテレビドラマが始まりました。初回(あるいは2回まで)を見ただけのまだ不確定な感想ですが、書けるときに少しずつでも書いておくことにしたいと思います。数字はここまで視聴率(ビデオリサーチ社、関東地区)です。あいかわらずの校務多忙のため、今回は本当に短いコメントだけですみません。
 ちなみに、今クールは、初回の視聴率を見る限り、大ヒット作もない代わりに、手堅く10%台の視聴率をとる作品が多いという結果でした。視聴者の一定の期待があるものの、その期待が分散したという印象です。ここから支持を広げられるかどうか。今後の見どころです。


 絶対零度3 (フジテレビ系、月曜21時) 10.6%→9.6%
 同名ドラマの第3シリーズですが、「未然犯罪潜入捜査」とサブタイトルがついているところがミソ。これまでの同名作品とはかなり違っています。通常の犯罪解決ドラマは、その名の通り「犯罪」が起こってから解決するもの。犯罪がまだ起こっていないのに「未然」に防ごうとするというのは、海外ドラマにはあるものの、日本のドラマでは新しい。登場人物の滑舌がツッコまれていますが、ドラマのテンポと緊張感はなかなかだと思います。

健康で文化的な最低限度の生活 (フジテレビ系、火曜21時) 7.6%
 安定した職業ということで公務員を選んだら、生活保護担当になっていまった主人公(吉岡里穂)。重たいが重要なテーマを扱おうという制作の意気込みは立派です。ただ、そういう地味で真面目な題材をまずは初回だけでも見てもらうためには、何らかの強いセールスポイントが必要ですので、その点でやや物足りない気がしました。吉岡里帆が多くの人、多くの事例に接して成長していくさまに期待しましょう。

義母と娘のブルース (TBS系、火曜22時) 11.5%→11.3%
 綾瀬はるかは、シリアス、アクション、コメディ、何でもいけるオールマイティな女優。この作品では、社会的評価の高いキャリアウーマンでありながら、結婚相手の娘のためには良き母親になりきろうとする、複雑な役ををこなしています。完璧な仕事人と愛情あふれる母親を演じ、しかも笑わせて泣かせる! それに加えて、気が強くても次第に継母を受入れていく子役の可愛さもあり、これでもかの「てんこ盛り」作品になっています。

高嶺の花  (日本テレビ系、水曜22時) 11.1%→9.6% 
 この作品の期待は、野島伸司の脚本です。『ひとつ屋根の下』や『高校教師』をヒットさせた野島の脚本には以前から注目していました。しかし、近年の視聴者の傾向と合わないのか、このところBSやネット作品を書くなど、地上波ドラマとの相性がよくないように感じます。設定からいえば、野島の大ヒット作『101回目のプロポーズ』の焼き直しとも言われかねませんが、石原さとみと峯田和伸の配役は絶妙。この二人で、現代ならではの『101回目のプロポーズ』を見せてくれることを期待します。

ハゲタカ (テレビ朝日系、木曜21時) 11.9%
 言うまでもなく、原作は真山仁の小説、NHKテレビドラマ(2007年)のリメイク作品。リメイクするからには、NHK版との違いが見どころ。綾野剛の悪役ぶりといい、周囲の人物のキャラの濃さといい、まずはかなりの「コテコテ」感を出してきました。この感じを「制作費をかけた大作」と見るか、「力みすぎの作り物」と見るか、評価が分かれそうです。ただし、この世界に入り込んでしまえば、退屈しないことは確かです。

グッド・ドクター  (フジテレビ系、木曜22時) 11.5%→10.6%

 自閉症でサヴァン症候群の青年医師を主人公とする医療ドラマ。2013年韓国ドラマのリメイク作品で、2017年にアメリカでもリメイクされています。はっきり言って、功罪相半ばします。障がいを持つ人とどのように協力して働いていくか、生きていくか。とても重要な課題を描いている反面、誇張された表現やステレオタイプな描き方が多々あります。しかし、毒にも薬にもならないドラマを量産するくらいなら、評価が二分されるくらいの方が、よほどいいのかもしれません。いずれ韓国版、アメリカ版との比較もしてみたいと思います。

チア☆ダン (TBS系、金曜22時) 8.5%
 こちらも言うまでもなく、広瀬すず主演でヒットした映画のテレビドラマ化リメイク作品。話題性も期待度もあるので、もっと初回視聴率が高いのではないかと予想したのですが…。ただ、見てみたところ、良くも悪くも「青春」です、「ベタ」です。夢を諦めてしまった若者と弱気になった大人がもう一度立ち上がる物語。「ベタ」な「青春」ドラマで何が悪い!という視聴者向けです。ちなみに、主演の土屋太鳳は優等生すぎて女子受けが悪いのかしら? 素直!真面目!体育会系!それはそれで貴重なキャラじゃないですかね。

サバイバル・ウェディング  (日本テレビ系、土曜22時) 10.4%
 「恋愛苦手の恋愛ぶり」というのは、テレビドラマにおけるきわめて現代的な課題です。ただ、波瑠さんの魅力は、どちらかというと「強い女性」像を演じている場合。結婚したくて重くなりすぎて婚約者に捨てられ、しかも恋愛指南者からダメだと言われているのに、元婚約者とベッドを共にしてしまう…。う~ん、この主人公に共感できる視聴者が多いかなあ。私はそこが心配です。

この世界の片隅に (TBS系、日曜21時) 10.9%

 今クール作品の中でもっとも期待した作品です。こうの史代の原作、片渕須直監督による映画作品のテレビドラマ化。しかも、今回のドラマ版の脚本は、『ちゅらさん』『ひよっこ』などを書いた岡田惠和。ちなみに『週刊現代』(7月9日発売号)からも取材があったので、主演の松本穂香への期待を含めて、この作品を今クールの期待1番手に挙げておきました。初回を見た印象でもそれは変わりません。映画も少ない上映館からじわじわと広がっていったように、この作品も次第に視聴者に受け入れられていくと考えています。


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(父母懇談会・静岡県)

 静岡県・静岡市と愛知県名古屋市に2泊3日の出張をしてきました。出張目的は、中央大学の父母懇談会に出席するためです。
 中央大学には父母連絡会という組織があり、全国すべての都道府県に支部が置かれています(都内はさらに支部に分かれます)。また、各支部でこの父母懇談会という会が開かれ、大学からも教職員が出張します。そこで、大学や学生の近況、学生の修学状況、就職状況やアドバイスなどをします。私は教員の立場からの出席なので、大学や学生の近況についてお話をさせていただきました。
 ちなみに、各都道府県ごとに支部を作っているので、当然その規模・会員数に差があります。多くの学生を入学させてくださる都道府県はもちろんありがたいですし、少ないところから入学者を出していただくのはそれもまた貴重なことです。その意味からいうと、今回の静岡県、愛知県は、首都圏以外ではおそらく最大規模の父母会規模になっています。


(父母懇談会懇親会・静岡)

 これだけ多くのご父母に集まっていただけたのは、中央大学の教員としてたいへんありがたいことです。まずは静岡県、愛知県から多くの受験生、入学者に集まっていただけたという点と、そのご父母がまたおおぜいこの会に足を運んでいただけたという点で、あわせてありがたいことでした。
 せっかく学生のご父母と直接お話をする機会なので、できるだけ多くのご父母と懇談をさせていただきたいと思い、会場あちこちを動いたつもりだったのですが、両会場とも100名近いご父母に来場していただき、なかなか思うようにいかなかった部分もありました。その点は申し訳なく思いますが、私にとっては多くのご父母のお話を伺うことができて、たいへん貴重な機会となりました。


(父母懇談会・愛知)



(父母懇談会懇親会・愛知)


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 …と毎回書いているのですが、今回は2週間空いてしまいました。
 書きたい内容はたくさんあるのですが、書く時間がとれませんでした。










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 今週6月25日(月)にコロンビア大学のハルオ・シラネ教授の講演会が、私の務める中央大学文学部国文学専攻の学会行事としておこなわれました。
 ハルオ・シラネ教授は、日系アメリカ人の日本文学研究者で、日本の古典文学を中心に研究する欧米の研究者の中でも特に評価の高い方です。大学の1専攻の行事で講演をお願いするのは申し訳ないほどの方ですが、私の所属する国文学専攻にはシラネ教授と懇意にさせていただいている教員が多いこともあり、特別なはからいでこの講演会を開催させていただくことができました。
 そうではあるのですが、私はたいへん残念なことに、校務(会議)のために講演会に出席することができず、講演会後の懇親会に参加するのがやっとでした。講演会が16時40分から18時10分までの予定。会議の話はここでは本題ではないのですが、私が出席しなければいけない会議が15時30分から17時までの予定。ですので、講演会の途中から出席できると思っていたのですが、会議がなんと19時近くまで続くことになり、泣く泣く講演会をあきらめました。
 それでも、懇親会に出席してシラネ教授とお話しをしたところ、シラネ教授がテレビドラマにも関心を持っていらっしゃるとお聞きしました。中でも『深夜食堂』についてシラネ教授からいろいろお尋ねになられたので、私の知っていることをお話ししました。また、映画『男はつらいよ』シリーズとその時代背景との関係にも関心をお持ちとのことで、狭い意味での文学に限らず、広く日本文化、日本の映像作品のお話をさせていただき、私にとってはたいへんありがたい時間を持たせていただきました。
 講演会に出席できなかったのはたいへん残念でしたが、懇親会でお話をすることができ、とても貴重な機会となりました。

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