フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 




(全体卒業式の檀上)

 学校は4月から翌年3月までを年度としているので、私が勤める中央大学の2017年度はあと数日で終了となります。

 学部長になる前、大学院の責任者(文学研究科委員長)をしているときも、校務が多かったことは確かなのですが、それでも、2月中旬の入学試験期間が終わると、少しだけ時間の余裕がありました。学部長になってからはなかなか日程の空く時期というものがなく、授業期間が終わっても、ずっとあわただしいまま3月25日(日)の卒業式までなだれこんだ…というのが正直な感想です。

 大学院の研究科委員長をしているときは、卒業式の日に大学院の修了式を中心に考えて行動しなければいけませんでした。今年からは学部長として学部卒業式や証書授与式を中心に動けるので、昨年までよりも学部を卒業するゼミ学生たちと共有できる時間が多くなるかと予想していました。
 ところが、学部中心に行動するとはいえ、アカデミックガウンを着て全体の卒業式には出席しないといけませんし、その他にも定年退職される先生の所属専攻に挨拶に行ったり、文学部全体の卒業祝いパーティーで挨拶したりの職務がありました。そういうわけで、所属専攻の証書授与式やゼミ学生とのお別れの時間は、ほんの少ししか持つことができませんでした。ましてや大学院の修了生とは少し挨拶しただけでした。


(国文学専攻の卒業証書授与風景)

 以上のような事情で、今年度の卒業式・修了式もあわただしく過ぎてしまいました。残念ではありますが、卒業した学部学生、修了した大学院生たちの今後の活躍を願いたいと思います。それから、学部ゼミ学生たちの卒業論文を毎年このブログに掲載していましたが、今年はまだでした。この機会にその卒業論文一覧をここに掲載しておきたいと思います。完成度の差はいろいろありますが、一人ひとりの努力を称えたいと思います。


(宇佐美ゼミ学生たちの卒業論文)

【伝統的な日本文学のテーマ】
  武田桃子  宮沢賢治『春と修羅』論中曽根茜 坂口安吾論
  曽田竜耀 『走れメロス』論――メロスの走る理由――
  福代莉々子 安部公房『S・カルマ氏の犯罪』論

【近年の作家・小説作品】
  橋本明歩  伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』論
  守屋佳穂  「作品間リンク」論考

【映像作品・漫画作品など】
  児玉はるか 大島弓子「綿の国星」論
  有田綸  吉田大八論
  真坂瑞季  悪役論~「少年ジャンプ」三作品から見た悪役たち~
  安齋拓真  『この世界の片隅に』論
  張越  森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」論――映画と小説の比較――
  時国翠  多田かおる『イタズラなkiss』論
  丸山陸歩 特撮怪獣映画変遷論

【その他のテーマ】
  河野悠太  変身論研究――消滅と回避における自己像と願望の同一性について――
  川北夢希  映像作品における画面比率の変遷と特徴-押井守作品を起点に―
  山下朝矢  菅原卓郎論~日本語ロックバンドにおける作詞とは~


※このブログはできるだけ週1回(なるべく土日)の更新を心がけています。



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 「このブログはできるだけ週1回(なるべく土日)の更新を心がけています。」と書いていながら、また更新が遅れてしまいました。申し訳ない。


 あいかわらずの校務多忙ではありますが、特に先週末(3月17日)開催の会議が8時間にも及んだことが影響しています。というのも、このときのダメージが、けっこうじわじわと効いてきています。
 それは中央大学評議員会という会議で、たいへん重要な会議体です。そこでの議論、発言もいずれもたいへん重要なものでした。ただ、100人近い出席者のいる会議において、特定の人が一つの議題で何度も発言を繰り返すのはどうなのでしょうか。前年までの評議員会では、一つの議題に誰かが発言・質問し、それに対して責任者から何らかの回答があったら、次は他の評議員に発言を回していたと思います。委員それぞれにさまざまな意見があるのですから、回答に納得いかないからといって同じ人が何度でも続けて発言するということだと、時間はいくらあっても足りません。
 おかげで、終了後の懇親会は中止になり、用意された料理はもったいなくも廃棄されることになりました。空腹で帰ったから腹を立てて言うわけではありませんが、重要な会議であるからこそ、委員の側は要点に絞った発言を心がけ、運営する側は委員が公平に発言できるような進め方をしてほしいと思いました。

 その他にも、この1週間ほどの間に、通常の会議以外のさまざまな行事がありました。評議員会より前にあったのは、永年勤続表彰式。これは、中央大学や附属学校の教職員の中で、25年間勤続している人たちを表彰する式典です。私は3年前に表彰を受ける側で出席しましたが、今回は表象者をお祝いする側として出席しました。
 こちらは評議員会と違ってなごやかな会でした。学部や部署、大学と高校など、普段の職場が違っていても、また、教員か職員かの職種が違っていても、その人たちが同期の赴任であったとか、25年のうちのどこかで一緒の職場にいたとか、そういう発見があって、なかなか楽しい式典でした。

 その後、今週になってからあったのは、学生奨励賞授与式。昨年は、私が指導する大学院生が受賞するということで出席しました。今年は学部長としてお祝いする側になり、連続しての出席となりました。
 この式は、各種の活動によって賞を受けた学生たちを合同で表彰する式典でした。各種の活動というのは本当に「各種の」活動であって、学術・文化活動もあれば、スポーツ競技もあれば、ボランティア活動もあります。そうした各種の活動で活躍した学生たちを表彰し、その学生たちとしばし懇談するのは楽しい行事でした。(→写真参照)

 最初に書いたように、学部長して出席するのは楽しい行事ばかりではありませんが(というより楽しい行事はわずかですが)、もうすぐ新学期ですし、また気持ちを入れ替えて仕事に励みたいものです。同時に、このブログの更新も、できるだけ定期的に(毎週末に)していきたいと思っています。


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 昨日3月10日、中央大学杉並高等学校の卒業式に出席し、祝辞を述べてきました。中央大学を代表して来賓として出席させていただくので、本来は学長が訪問すべきかとは思うのですが、中央大学には附属高校が4校、中学が2校あり、それぞれに卒業式と入学式がありますので、学長がすべての式に出席することはできません。そこで、各学部の学部長が分担して、それぞれの卒業式・入学式に出席し、大学からの祝辞を述べさせていただくことになっています。そういう事情で、私は今年は中央大学杉並高等学校の卒業式に出席させていただきました。


(この写真は今年ではなく以前の卒業式のものです)

 とはいえ、こうしたあらたまっての式ではなくても、通常から大学と附属高校との間では各種の連携行事があります。たとえば、昨年7月には文学部特別公開講座が開催され、文学部の13専攻から1名ずつ教員が特別授業をおこないました。その際は、私も授業をおこなっています。また、このブログでも書いたことのあるスチューデント・ライブラリアンの活動もあり、こちらは中央大学杉並高校との間にだけおこなった活動でした。
 それらの日頃の活動はありますが、私自身は中央大学杉並高校を訪問するのは10数年ぶりでした。直接高校を訪れ、卒業生一人ひとりに卒業証書が手渡されるところに立ち会うことができましたし、その後の祝賀会にも出席させていただき、そのお祝いの場を共有することができたことは、とても嬉しいことでした。


(校内でおこなわれた祝賀会のようす)



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 中央大学学術講演会のため、山梨県甲府市に出張しました。

 このブログでもたびたび書いているように、中央大学学術講演会(文化講演会など名称はさまざまです)は、中央大学主催の社会貢献事業です。中央大学の教員・関係者の研究内容を一般の方に聞いていただくことを中心に、毎年50か所ほどでおこなわれています。
 中央大学主催ではありますが、日本各地の団体に実際の運営や準備をお願いしており、今回は中央大学学員会山梨県支部のお世話になりました。学員会山梨県支部の皆さまには、今回の講演会の準備・運営のいっさいをとりしきっていただき、たいへんよい雰囲気の中で講演会の講師を務めさせていただきました。

 今回の講演タイトルは「池井戸潤順作品はなぜヒットするか」です。2013年に『半沢直樹』がテレビ放送されてからはや4年半となります。『半沢直樹』ほどのヒット作は生まれていないものの、現在でも池井戸潤作品は、原作・ドラマ化ともに根強い人気を保っています。今回は『半沢直樹』を中心にその魅力を考えるのと同時に、時代背景との関係も重視してお話してみました。中央大学の関係者、一般市民の皆さま、多くの熱心な来場者に恵まれたと感じています。
 終了後には、学員会山梨県支部の皆さまの懇談会にも出席させていただきました。勤務先の方では何かと難しい案件が山積していますが、そんな忙しい毎日の合間に、しばし楽しい時間を過ごさせていただきました。



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