フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 



 『週刊現代』に掲載された『仁―JIN』特集記事「人気ドラマから勇気をもらおう 被災地へ届け!『JIN』とくる言葉」に協力しました。
 今回の記事のコンセプトは、大震災の後、世の中全体が暗くなっている現在、テレビドラマ『仁―JIN』の中から勇気づけられ、前向きになれる言葉を見ていこうというものです。大震災は言うまでもなく今の日本の最大の関心事ですが、それと人気テレビドラマ(+原作漫画)『仁―JIN』を結びつけて特集をするところが、なかなか興味深い企画でした。
               
 文学関係の学会誌や商業誌ではなく、今回のような一般雑誌からコメントを求められることも時にはあります。ただ、これまでのこうした一般週刊誌は、たいていいつも締切に追われているので、電話取材というのが多かったように思います。今回の『週刊現代』も締切が迫っていたようでしたが、それでも私の短いコメントをとるために、東京郊外(八王子市)にある中央大学多摩キャンパスまで面接取材に来てくれる熱心さで、この点は感心させられました。
             
 こうした一般雑誌からのインタビューというと村上春樹に関することが多かったのですが、今回は『仁―JIN』に関して。私も文学研究だけでなく、本格的にテレビドラマ研究にも進みたいと思っていたので、喜んでコメントに協力しました。
 内容は『週刊現代』4月30日号(4月25日発売号)を見ていただきたいのですが、記事タイトルは、前掲のように「人気ドラマから勇気をもらおう 被災地へ届け!『JIN』とくる言葉」というものでした。漫画原作者の村上もとか氏や映画評論家の秋本鉄次氏のコメントとともに、私・宇佐美毅のコメントが掲載され、『仁―JIN』の見どころなどが語られています。よろしければ、御覧ください。



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 オードブル
 (メイン料理の一つ・地鶏の炭火焼き)
              
 フレンチ・レストラン「Fujisaki(フジサキ)」に行ってきました。
 場所は、田園調布駅のすぐ目の前です。小さな看板しか出ていないので見逃しそうですが、田園調布駅東口のすぐ前、神戸屋キッチンの2階にあります。16席しかない小さな店です。
 ランチメニューは「Aコース」(オードブル、スープorグラスワイン、メイン1品、デザート、パン、コーヒー)と「Bコース」(オードブル、スープorグラスワイン、メイン2品、デザート、パン、コーヒー)。オードブルかスープのチョイスという店も多いのですが、ここはスープかグラスワインのチョイスというのが面白いところです。

 オードブル
 (オードブルの3種盛り)
               
 この日いただいたのは「Aコース」。メインは地鶏の炭火焼きをいただきました。料理は全体にシンプルで、素材の味をできるだけ活かしているところに特徴があります。オードブルも生ハムやイカのマリネなどが中心ですし、メインの地鶏も炭火で焼いたもので、特別手がこんでいるというわけではありません。しかし、それで美味しいのはやはり素材の良さを活かしているからでしょう。香ばしい炭火焼き地鶏とピリ辛の粒マスタードの相性もなかなかのものでした。キッシュや温野菜が豊富に添えられているのも嬉しいところです。

キャラメルムース
(デザートのキャラメルムース)

 また、この日のデザートはキャラメルのムース。ここまでのコースがシンプルな味わいだったのに対して、デザートはわりあいに甘さもしっかりめ。コース内容が濃いめだと、デザートにはさっぱりした柑橘系の味のものをいただくのが好みなのですが、今日のコースにはこの甘めのキャラメル・ムースがちょうど合っていました。

 これにしっとりしたお菓子風のパンと食後に濃いめのコーヒーをいただいて、一人2500円です。本格的なフレンチ・レストランというにはいくつかの点で躊躇しますが、そういう方向を目指しているのではなく、リーズナブルな値段で気軽に立ち寄れるカジュアルなフレンチというコンセプトが明確でした。
 上記のようなコース料理設定に、田園調布駅前という場所の便利さなども考え合わせると、かなりお得なコース料理のいただけるお店と言えるでしょう。

               

 (後日追記)
料理を盛るお皿に、なかなかこった陶器を使っていました。ずっしり重たそうです。
そのわりにマダムがハイヒールを履いているのはどうでしょうか。お皿が重いのですから、ハイヒールは避けた方がいいと思いますし、歩くと床音がかなり響いて気になりました。



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 (写真は今年3月におこなわれた福岡会場での研修会)

 「『こころ』を読むための三つの視点」(『中央大学文学部紀要』通巻234号、2011年3月)という文章を発表しました。
               
 このことはかなり前にブログに書くつもりで途中まで書きかけたのですが、海外出張や地震の影響で、すっかり後回しになってしまいました。
 この文章は講演録で、私が高等学校国語教科書の編集委員をしている明治書院の研修会として、高校で国語を教えている先生方の前で講演した内容を活字化した文章です。その講演は好評をいただいて、全国4か所でおこなわれました。
               
 2010年 8月 3日 東京・出版クラブ会館
 2010年 8月 5日 大阪・HARBISプラザ
 2010年10月30日 名古屋・正文館書店
 2011年 3月26日 福岡・博多駅バスターミナル会館
               
 今回文章化したのは、8月3日東京と8月5日大阪で講演した内容をもとにしています。このときの記録を、明治書院の清田康晃さんという社員さんがテープ起こし(打ち込み)してくれたので、それに手を入れる形で発表しました。
 内容は読んでいただきたいのですが、高校の先生方が定番教材を考えるのに手がかりになることを目指して、「『こころ』の男性性と女性性」、「『こころ』の空間(間取り)分析」、「映像メディアと(映画)との比較」という3つの視点から『こころ』についてお話ししたものです。
 『こころ』の研究は年々新しくなっていっていますが、高校の先生方に提供する教科書会社の指導資料はそれほど変わっていません。もちろん、高校国語の指導の仕方を年々新しくいなければいけないというものではありませんし、『こころ』という定番教材の変わらない価値というものもあるでしょう。しかし、『こころ』研究の成果を高校の先生方にも共有していただければと思って、この連続講演会をお引き受けしました。高校の先生方の授業計画に少しでも役立てていただければ幸いです。
             



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   11専攻ガイダンス
       (今年の入学ガイダンス風景)
       
 
   10専攻ガイダンス
       (昨年の入学ガイダンス風景)

 私が勤務する中央大学の新年度が開始されました。
 前にも書いたように、中央大学では、多くの大学同様に卒業式と入学式が中止されました。しかし、新入生のガイダンスや授業に関しては予定通りおこなわれる見込で、入学式がおこなわれるはずだった4月2日(土)には、入学式の式典以外の行事(専攻ガイダンスやクラス・ミーティングなど)が予定通りおこなわれました。

 上の写真のように、例年は黒っぽいスーツがほとんどの新入生の服装ですが、今年度は式典がないということで上のような平常の服装のガイダンス風景でした。式典がない形での出発というのは、新入生の皆さんには残念なことかもしれませんが、せめて専攻としては予定していたガイダンスをおこなってスタートを切れましたので、今年度の新入生には例年と変わらず、自分たちのしたい勉強を存分にしてほしいと思っています。



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  ノルウェイの森
   (ロンドン市内書店に並ぶ『ノルウェイの森』英訳本)


以前から何度か書いている中央大学の共同研究の関係で、英国・ロンドンに出張してきました。
               
 出張したのは3月11日(金)から19日(土)のことですから、ブログに書くのがすっかり遅れてしまいました。当然のことながら、東北・関東大地震が理由で、この間、仙台の友人たちとのやりとりに追われていました。また、韓国・英国と出張が続いたので、その間の他の仕事がたまってしまっていたこともあり、報告を書く余裕がありませんでした。

 前にも書いたように、私はロンドン行きの飛行機の中で大地震についてはじめて知りました。ロンドンに着いてから、急いで日本の家族・知人の安否を確認するなど、しばらくは研究どころではありませんでした。しかし、幸い私の家族・知人には大きな被害がなく、その後は予定していた面談や調査にあたることができました。
             
 今回は、ロンドン大学SOASの研究者と図書館専門員、ケンブリッジ大学の日本文学翻訳者、オックスフォード大学の研究者と面談し、英国の日本文学研究の動向や翻訳書出版の状況などを調査することができました。また、英国内の大規模書店の日本文学関係書籍を調査し、中でも特に品揃えのよい「Foyles」の蔵書担当員お二人から、かなり詳しい日本文学翻訳書の売れ行きや購買層の調査をすることができました。


  SOAS
   (SOAS図書館。日本関係書籍がとても充実している。)

  ケンブリッジ
    (ケンブリッジ大学東洋学部建物の入口)

  オックスフォード 
    (オックスフォード大学キーブルカレッジのチャペル)

  フォイルズ
    (大型書店フォイルズ。品揃えがもっとも充実している。)

  読む人
    (地下鉄で偶然見かけた『ノルウェイの森』を読む人)



 



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