フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 



 サッカーの日本代表チームがアジアカップで優勝しました。
               
 アジアカップは4年に1度おこなわれるアジアの公式大会。優勝したからワールドカップに出場できるというわけではありませんが、実に重要な意味があります。

①優勝するとコンフェデレーションズ・カップ(大陸王者の集まる大会)に出場できる。
②3位以内に入ると次回アジアカップへの出場権が得られる。

 ①のコンフェデレーションズ・カップは4年に1度、次のワールドカップ開催国でおこなわれます(以前は2年に1度)。つまり、2009年には南アフリカでおこなわれましたし、2013年にはブラジルでおこなわれます。ワールドカップ開催国で、その前年に世界の強豪国と公式大会で対戦できるという意味で、ワールドカップへのシミュレーションとしては最高の舞台と言えるでしょう。
 また、②も重要です。アジアカップの予選は「国際Aマッチデー」という日におこなわれます。国際Aマッチデーは、サッカー選手の所属するチームが、各国の代表チームに選手を出場させる義務のある日(つまり所属チームが選手を拘束出来ない日)です。そこにアジアカップ予選がなければ、強豪国と強化試合を組むことなども可能で、ここに自由に試合を組めることはきわめて重要です。
 さらに言えば、アジアカップ優勝によって他国からの評価が上がり、上記の強化試合を強豪国と組むマッチメイクがしやすくなります。以上のような多くの観点から、アジアカップ優勝にはたいへん大きな意義があります。
               
 そういう重要な大会で優勝したとはいえ、この大会で日本が「アジア最強」を証明したとはとても言えません。試合内容をていねいに見れば、ワールドカップレベルの対戦相手は韓国とオーストラリアの2チームだけ。他国にもかなり苦戦していましたし、韓国・オーストラリアとの試合内容は、対韓国「4対6」、対オーストラリア「3対7」くらいで劣勢でした。韓国戦はペナルティキック戦で、オーストラリア戦は延長戦で勝ったものの、個々の選手のレベルやチーム力はこの2国より劣っていたことは明らかです。そういう現実を見せつけられた大会でもありました。
               
 その一方で収穫もありました。
 南アフリカワールドカップで日本の守備を支えた中沢佑二・田中マルクス闘莉王という二人のセンターバックが不在で、しかも後の世代の有望選手と見なされた槙野智章らまでケガで離脱した中で、岩政大樹や若手・吉田麻也らが日本の守備を支えたことです。ゴールキーパーとの連携の悪さなど、慣れない守備陣のミスも多くありましたが、そういう失敗の経験を積んだことも含めて、大きな収穫でした。日本のセンターバックの人材不足は今後の日本の最大の懸念材料と考えていましたので、その点に一定の成果があったことは明るい材料です。
 また日本代表がサッケローニ監督を中心に信頼・結束を高めたことも、今後の代表チームにとって明るい材料です。
 南アフリカワールドカップで16強入りしたことで、今年は南米選手権へ招待出場しますし、今回のアジアカップ優勝で2013年のコンフェデレーションズ・カップへの出場権を得られました。サッカー日本代表チームの今後がまた楽しみです。
               



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 11ゼミお別れ懇親会①

 私が勤める中央大学のゼミ4年生お別れ懇親会がありました。
 ゼミと言っても、大学によって、学科によって、制度はいろいろです。中央大学国文学専攻のゼミは全員必修の3、4年生合同科目。同期生とは2年間同じ顔触れで勉強しますし、先輩も後輩もいるので、授業というよりはサークルや部活動に雰囲気が似てくる面もあります。
             
 私とは2年間一緒に勉強した4年生たち(中には1年次から4年間教えた学生もいます)も卒業ということで、3年生とのお別れ懇親会をおこないました。記念品を渡す場面とか、もっと写真を撮るのにいい場面があったのに、卒業生とのお別れの方に気持ちがいっていて、そういう場面で写真を撮るのを忘れてしまいました。

 11ゼミお別れ懇親会②

 私も中央大学の教員になって21年目。こうしたことを21回繰り返してきたわけです。こうしたお別れ懇親会の日は、目の前に卒業生がいるので、特に寂しいわけではありません。ただ、この学生たちとはもう卒業式だけしか会わないのだなと思うと、少し寂しい気持ちになります。
 この学生たちの今後の活躍と幸福を祈りたいと思います。
               



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 お正月といえば少しのんびり過ごす期間ですが、大学教員の多くは、提出された卒業論文を読み、評価をしなければいけない時期です。(一部、年が明けてから提出する大学もありますが) 実際に、このところ忙しくて、このブログも全然更新していませんでした。
 今年も、私のゼミ学生19人が卒業論文に取り組んだので、その論文の題目を書いておきましょう。

 小暮智子  吉本ばなな「ハネムーン」論 
 小川友博  『海辺のカフカ』論
 本間結貴  『五輪書』の現代的意義
 藤田百香  『リリイ・シュシュのすべて』論
 海藤真紀子 宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』論
 正木友理恵 村上春樹「品川猿」論
 尾形詩織  村上春樹『スプートニクの恋人』論
 上田隼也  同性愛描写における性差についての考察
 塩坂奈菜子 伊坂幸太郎論
 村上茜   百合子とフェミニズム―『道標』を読み直す
 堀田梨紗  森絵都論
 小川悟   江戸川乱歩「陰獣」論
 鈴木優   村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」論
 西山倫子  岡田淳論
 渡邉亮   桜庭一樹論 少女が見る家族像
 相原由佳  太宰治『パンドラの匣』考
 前田徹   町田康『告白』論
 矢野由布子 椎名林檎論
 伊藤慶   本谷有希子『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』論

 近年の卒論テーマの傾向として、やはり新しい作家・作品が増えています。村上春樹やよしもとばななはもう最近の傾向とは言えませんが、加えて、今年も宮部みゆき、伊坂幸太郎、森絵都、桜庭一樹、町田康、本谷有希子といった新しい作家が取り上げられています。さらに、児童文学者・岡田淳やミュージシャン・椎名林檎といった珍しい論文テーマもあります。私が中央大学に勤めた20年ほど前とはずいぶんテーマが様変わりしました。
 もっと前の私の学生時代の話をすれば、「卒論テーマは、もう死んだ作家を取り上げるもの」という了解があったように思います。また、私が中央大学に勤めた頃には、「卒論テーマは、全集の出ている作家に限る」と指導する先生もいました。そういう時代に比べると、今はすっかり卒論というものの考え方が変わりました。
 以前の考え方にもわかる部分はあります。生きている作家、つまり自分と同じ時代に生きている作家は距離が近すぎて、研究対象として見ることができにくくなる面があります。したがって、純粋に学問的な成果を求めるのであれば、同時代の作家を避ける方がよいという指導にも一定の意味はあるでしょう。
 しかし、卒業論文というものの意味、あるいは進学率の変化などから大学生の位置づけそのものが変わっているように思います。学問的に優れた論文を作成するということはもちろん重要ですが、それよりも、学生が主体的に何かの課題に取り組んで完成させるという、教育的な意味の方が重視されるようになったと思います。
 多くの学生にとって、まとまった論文を作成するというのは一生に一度のことになるのですから、各自のもっとも関心のある課題に取り組ませてあげたいと私も思っています。学問的な水準で見るならば、新しい課題に取り組んだ論文が必ずしも成果をあげているとは言い難いところもあります。ただ、そのこと通じて、学生たちが真摯に課題に取り組み、そのことを通じて成長してくれたらと願っています。











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 減量中ではありますが、年に何度か必ず行っているフレンチ・レストラン「ル・ヴェルデュリエ」(大田区鵜の木)に行ってきました。行ってきたのは昨年中(2010年12月)のことですが、年末にいろいろあわただしくて、ブログに書くのがすっかり遅れてしまいました。
定期的に行っているので、これまでにもこのお店については何度か書いています。
  → 「家の近所にフレンチ・レストランが」
  → 「鵜の木でフレンチを」
  → 「またまた鵜の木でフレンチを」
  → 
「夏らしいフレンチ」
 上記のように何度も行っているお店ですが、季節ごとに素材や料理が変わるので、毎回行く度に新しい味や工夫に出会えるフレンチ・レストランです。今回も冬らしい素材である、鯖を使ったオードブル、冬野菜を使ったポタージュ、牡蠣を使ったメイン料理、ラ・フランスを使ったデザート……など、季節の素材を存分に活かした料理を今回もいただくことができて、大満足でした。
 また、魚料理の付け合わせが一人ずつ選べる、肉料理が一皿でステーキと赤ワイン煮込みを両方味わえる、といった心遣いも行き届いていました。うーん、これなら少しくらい太っても仕方ないか。また、その分ダイエットすればいいや……。
(ちなみに写真を掲載していませんが、肉料理の牛は低温で油が溶ける牛だそうで、食べても太りにくいのだそうです。そりゃすごい!)


 ※5種類のオードブル(右下から時計回りに)

   蝦夷鹿やフォアグラを使ったテリーヌ→
ウニのゼリー寄せ→
   マグロとアボガドのわさび味→鯖のマリネ→キッシュ


 ※聖護院大根・ポロネギなどを使った冬野菜のポタージュ



 ※ヒラスズキと牡蠣のソテー



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 2011年のお正月を迎えました。
 この1年が、健康で意義ある活動のできる年になるように、努力したいと思います。そして、このブログを見てくださる皆さんにとっても充実した年になることを願っています。
               



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