フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 



 「猫カフェ」へ行ってきました。
          
 「猫カフェ」というのが世間に通用している言葉なのかどうか、よくわかりません。ちなみに「犬カフェ」を調べると「飼い犬を連れて入れるカフェ」という意味の方が普通のようですが、この場合の「猫カフェ」は、「猫がいっぱいお店にいるカフェ」という意味です。
 正直言いまして、それほど喜んで行ったわけではありませんが、ものは試しということで、おつきあいもあって行ってきました。
 私が行ったのは東京五反田のあるお店。マンションの1室のようなところで、入ったところは20人くらい座れそうなカフェ(もっとも椅子ではなく絨毯を敷いた床に座る部屋)。15分300円の他にとワンドリンク(別料金)を注文し、注文したら上の階の猫ちゃん部屋に行くというシステムでした。
             
 上の階は下のカフェより少し狭めの部屋で、そこに20匹ほどのいろいろな種類の猫ちゃんがいるというわけです。猫は交代に休むので檻の中にいるのもいますが、外に出ている方は触っても抱いてもよいということでした。もっとも、外に出ている方も、写真のように熟睡している猫も多くいました。
 マンションの一室のようなところで、他に誰も客がいなかったらどうしようなんて思って行ったのですが、実際には次から次へとお客さんが来ていて、土曜日のせいもあるでしょうけど、なかなか繁盛しているようでした。
 たしかに猫たちは可愛いのですが、動物を閉じこめておいてお金はらって遊ぶのが、なんだか心にひっかかるものもありました。
 とは言うものの、それでは動物園と何が違うのだろうか、とも考えました。動物園だって、もっと多くの種類を閉じこめて、お金を払ってそれを見て楽しんでいる……。そういう意味では同じなのかもしれません。
 そこにいる猫たちにとって、不快な暮らしを強制されているのでさえなければ、子どもの頃から動物園に何度も出かけて楽しんできた私たちがとやかく言うことではないのでしょう。そんなことを考えながら、猫ちゃんたちのかわいさと、何か本当にいいんだろうかという不思議な気持ちの残った「猫カフェ」訪問でした。


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 まだ暑い日もありますが、真夏の暑さに比べれば秋らしいと感じる日も増えてきました。
 秋と言えば、サンマ・きのこ・ブドウといった食べ物が思い浮かぶのですが(私だけ?)、どうせなので秋の食材で簡単な料理をしました。サンマと秋野菜のチーズ焼きです。
          
 サンマは安いし、栄養価も高いので、よく使います。塩焼きもしますが、私は味噌煮の方が多いかもしれません。味噌煮と言えばサバの味噌煮ですが、サンマの味噌煮もなかなかです。
 ただ、いつもそういう料理ばかりだと飽きるので、きのこ(今回はエノキダケ)や秋茄子などと一緒にオーブンでチーズ焼きをしてみました。野菜をそのまま焼くと水分が出て水っぽくなってしまいますし、よく焼こうとすると逆にサンマが焼きすぎになってしまいます。そこで、野菜はいったん電子レンジで食べられるくらいに熱して、水分をとってから皿に並べます。そして、三枚におろして(もちろん自分でおろして)皮を取り、食べやすい大きさにしたサンマを並べ、チーズをかけてオーブンで焼きました。
 和風に料理することの多いサンマをオーブンでチーズ焼きするのは、多少のミスマッチ感もありますが、いつもと違うサンマの食べ方ができるという意味で、なかなかの料理だと思いました。ただし、チーズはカロリーが高いので、あまり頻繁には使わないようにしています。このダイエット話はまたいずれ書きたいと思います。
          



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 近所のスーパーに売っていたので、つい買ってしまった……。
 実は「肉まん」「ピザまん」「餃子まん」だそうです。


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 私が勤める中央大学のゼミ(3、4年生の演習科目)合宿に行ってきました。
 ゼミという言葉は大学によって、学部・学科によって違う意味で使われることがありますが、私の勤める中央大学文学部では、全学科で卒業論文が必修になっており、それに接続する演習授業をゼミと呼んでいます。他大学・他学部ではゼミに入らなくてもいい場合がありますが、したがって、中央大学文学部に関しては全員がどこかのゼミで勉強するシステムになっています。
 合宿の趣旨は大きく分けて二つあります。一つは通常の授業日程で不足している勉強の時間を補うこと。もう一つは、普段と異なる環境でゼミ生同士の親睦をはかることです。私にとっても、宿泊して学生と勉強するというのはたいへんな面もありますが、それ以上に学生と触れ合う大切な機会になっていると感じています。
 私のゼミでは多くの部分を学生に任せています。特に合宿ならでは親睦行事や最終日の懇親会(要するに居酒屋さんでの飲み会)幹事などはほとんど学生の担当者が取り仕切ってくれています。そういう担当者の人たちのおかげもあって、今年のゼミ合宿も充実したものになりました。
 また、私のゼミは都内で毎年合宿をおこなっているので、大学院生や卒業生が来てくれることがあります。今年も大学院生が後輩にアドバイスをしてくれたのは嬉しいことでした。
 それから、今年社会人となった卒業生が忙しい中、夜遅くに顔を見せてくれたのも同様に嬉しいことでした。印象に残っているのは、卒業生が毎年恒例になっている合宿施設に来て、「合宿なつかしいなあ」「ゼミ楽しかったよね」と話していたこと。社会人になってかなり仕事の苦労もしているようでしたが、そうやって学生時代をなつかしく思い出してくれるのであれば、私もゼミや合宿をしていて報われるような気がしました。
 合宿の内容などは写真も多く入れたいので、近いうちに私の公式
ホームページに掲載したいと思います。→ 「2008年度ゼミ合宿報告」



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 7~9月期のテレビドラマも大詰めで、既に最終回を迎えたドラマも出てきました。遅くなりましたが、恒例の感想を書いておきましょう。

『あんどーなつ』 (月曜8時、TBS)
 うーん、一度見て敬遠してしまいました。昼の帯ドラマだったいいと思いますが。

『太陽と海の教室』 (月曜9時、フジ)
 書きたいことが多かったので、別に書いておきました。そちらを御覧ください。
 →私のブログ『太陽と海の教室』

『シバトラ』 (火曜9時、フジ)
 小池徹平の童顔刑事ははまり役だと思いますが、ちょっと見続けさせるためのインパクトに欠ける気がしました。

『モンスターペアレント』 (火曜10時、フジ)
 勉強になりました。中学校で昔起こっていたことは高校に、高校で昔起こっていたことは大学に、と上がってきていますので、そのうち、大学にもモンスターペアレントが押しかけてくるのでしょうか。いや、もう既に来ているらしい……。

『学校じゃ教えられない』 (火曜10時、日テレ)
 全然期待していなかったわりには面白いです。性に目覚める高校生年代を描いて、お笑いと真面目なアドバイスの両方を込めています。昔見ていた『毎度お騒がせします』を思い出しました。ただし、同性愛指向を男女両方で描いているのが新しい特徴です。10代向けの軽いテレビドラマで、主人公に近い重要人物のそういう悩みをしっかり描くのは珍しいのではないでしょうか。

『正義の味方』  (水曜10時、日テレ)
 美貌・知能・意地悪の3拍子そろった姉と、その姉の犠牲になる妹。ドラマとわかっていても、その理不尽さに耐えられません。ただし、姉に翻弄される志田未来が可愛いし、シリアスもコメディもいけるのが素晴らしい。

『四つの嘘』 (木曜9時、テレ朝)
 アラフォー女性たちを描いたドラマ。最近この手のドラマが多い。死んだ女性のナレーションが入るなど、『デスパレートな妻たち』の影響が明らか。しかし、アラフォー女性の本音がかなり露骨に(えげつなく)描かれていて、きれいごとではないところがなかなか面白い。

『コードブルー』 (木曜10時、フジ)
 私はだめでした。この前まで高校生役だったガッキーが救急救命医だと言われてもねえ……。いくら研修医だからって、戸田恵梨香も含めて、ちょっと若すぎるんじゃないでしょうか。役に合わせた俳優を選ぶのではなく、先に俳優が決まっているということでしょうけど。

『魔王』(金曜10時、TBS)
 韓国ドラマのリメイクということもあって、ストーリー的には良くできたサスペンスになっています。ただ、こちらも俳優が若すぎる気がします。また韓国版の俳優さんはみな長身でモムチャン(たくましい体)。韓国オリジナル版を知っていると、比べてみて日本版はかなり軽く見えてしまいます。

『ヤスコとケンジ』 (土曜9時、日テレ)
 くだらないけど面白い。今クールの一押しです。
 原作漫画は読んでいませんが、暴走族出身の少女漫画家という設定がユニークですし、演じる松岡昌宏がおおいに笑わせてくれます。広末涼子はあまり好きな女優さんではないけど、極端な二面性を演じ分けて、こちらもけっこう笑わせてくれます。

『33分探偵』  (土曜11時台、フジ)
 初回を見たときは大爆笑しました。『トリック』とか『パズル』といった、ミステリーの形をとったコントドラマの流れを汲んでいます。「みんなが解けない謎を解いて見せる」という探偵ドラマの鉄則を見事にひっくり返し、「簡単に解けている謎をわざわざ無駄な推理をして引き延ばす」という設定にはうならされました。毎回見てるとパターンには少し飽きますが、コントとしては毎回おおいに笑えます。

『恋空』 (土曜8時、TBS)
 原作も、「ケータイ小説」とは何かという研究心から我慢して読みました。ドラマも見続けるのはけっこう辛いです。

『Tomorrow』(日曜9時、TBS)
 よくできた病院ドラマです。市民病院の閉鎖という問題を扱っているところなど、(つい最近も銚子市民病院が休院になるそうですし)、実にリアルな設定をとっています。ただし、せっかくそういうリアルな設定をとっているのだから、もう少し地方病院の財政の問題や対策などが丁寧に描かれてもよかったかもしれません。あと、近頃「病院もの」「医者もの」が多いので、正直少し飽きました。

 こう考えてみると、前々クールの
『薔薇のない花屋』のような絶対のオススメはありませんが、期待していなかったわりには面白いドラマが多かったように思います。いっときは似たようなドラマばかりで、もう見るのも止めようかとも思いましたが、これならもうしばらく楽しめそうです。
 さて、10月からはどんなドラマが始まるでしょうか。



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 9月に入って、今期(7月~9月)のテレビドラマも終盤に入ってきました。多くのドラマに関して恒例の感想を書いておこうと思うのですが、その前に月9 『太陽と海の教室』 (フジ)のことを書きましょう。
          
 このドラマは、月9史上最低視聴率に迫りそうなほど苦しんでいるとか。これは第4回放送の10.7%のことですが、その後は少し持ち直しているようです。いつも書いているように視聴率とドラマの評価はあまり結びつかない気がしますが、『太陽と海の教室』があまり支持されないのは理解できるようにも思います。
 一番言えるのは、主役の櫻井朔太郎(織田裕二)が鬱陶しいこと。たしかに『ROOKIES』の川藤幸一(佐藤隆太)も『ごくせん』のヤンクミ(仲間由紀恵)も鬱陶しいと言えば鬱陶しい。しかし、川藤やヤンクミが、おちこぼれて周囲からも白い目で見られている生徒たちに、自分も懸命になって(文字通り命を懸けそうな勢いで)ぶつかっていくのが、多くの人の共感を呼ぶのでしょう。それに対して櫻井朔太郎は何でも余裕たっぷり。懸命さが感じられません。しかも、赴任先は超進学校。受験に一生懸命取り組んでいる生徒たちに「もっと青春を楽しめ」みたいなことを言うのですが、なんだかいらないお節介をしているように見えてしまいます。
 私は教師が懸命な方がよいとか、そういう考えを持っているわけではありませんが(いろいろなタイプの教師がいた方がよいと思うので)、ドラマとして見ると、落ちこぼれ生徒に体当たりしていく教師の方が、受験校で語る余裕こいた教師よりも見たくなるのはわかるような気がします。
 もっとも、この『太陽と海の教室』には評価したいところもあります。それは毎回のテーマ。このドラマの意図として、「10代が悩むことだけれど大人がきちんと答えてくれないこと」にドラマとして取り組むということがあると思います。たとえば、「どうして勉強しないといけないの?」「どうして援助交際してはいけないの?」といったテーマが毎回のストーリーにこめられています。こうしたなかなか答えにくい問いに、大人が真剣に答えようとしているところは評価したいと思います。
          
 その一方で、ドラマのストーリー作りという視点で見ると、いただけないところは多くあります。
 私が一番気になるのは、やたら挿話(昔の思い出話やエピソードを語ること)が多いことです。重要な場面になると、主役の朔太郎がやたらと生徒たちに昔のことを語り聞かせます。たとえば、どうして教師になったのか。
 朔太郎は、東大経済学部卒、スタンフォード大でMBAを取得したエリート商社マンだったという設定ですが、そんな男がどうして教師になったのか。それは赴任先の貧困国である体験をしたからだということです。しかし、そこで語り聞かせる(この場合はそのエピソードを知ってる校長が語るという形式ですが)エピソードの内容がこういうものです。
 最貧国で戦争にいかなければいけなかった少年が、戻ってきて朔太郎の腕の中で死ぬ。その光景を日本から旅行に来ていた青年がカメラで興味半分で撮影しているのを見て、「日本の若者はこれじゃいけないと思った」って……。それってそうとう嘘くさくないですか?
 なんでそんな最貧国の青年が戦争で重傷を負って帰ってきたのに、わざわざ路上で朔太郎の腕に抱かれて死ぬんでしょうか? さらにはそんな国に物見遊山の青年がたまたま通りかかるんでしょうか? そしてだからと言って受験に懸命になっている生徒たちに突然説教しにやってくるのって独善的ではないんでしょうか?
 同様に、生徒たちが悩んだり疑問を持ったりすると、朔太郎先生は、「昔こんなことがあったんだよ」と語り始めます。そして生徒たちは納得……。しかし、ドラマの作り方としてはあまりほめられることではありません。ドラマというのは、語り聞かせるものではなく、まさに目の前のドラマとして描き出すものだからです。
          
 せっかく若者の疑問に正面から取り組もうとしているので、ドラマの意図はおおいに良いと思うのですが、こうしたリアリティのないエピソードや昔語りが多用されているのがどうも残念なところです。
 ここからブレークしそうな若手俳優が生徒役で大勢出ていて期待が持てますし、エピソードの語り聞かせではなく、目の前の出来事として説得力のあるドラマを最終回に向けて見せてもらうことを期待したいと思っています。

(9月17日追記)
 その後の『太陽と海の教室』ですが、残念ながらいただけません。
 「もうすぐ誰かが死ぬぞ、死ぬぞ」と予告して次を見たくなるように仕向け、一人の重要人物が死んだ後はその人物への哀惜で話を持たせる……。昔から、小説でも何でも、人を死なせて話を持たせるのはもっとも出来の悪いストーリーの作り方だと言われています。
 視聴率的には回復してきているようですが、こうしたドラマの作り方には賛成できません。せっかく設定的には期待したドラマだったのですが、残念です。




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