フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 



    模擬授業(哲学)を熱心に聞く高校生たち

 私が勤める中央大学文学部の特別公開講座が、7月22日(金)におこなわれました。
 この文学部特別公開講座というのは、文学部版「オープンキャンパス」のようなもので、大学全体のオープンキャンパスとは別に、文学部だけで模擬授業をや研究室見学会などをおこなう行事です。中央大学の附属高校(現在は4校あります)の生徒対象の行事から始まって、現在は近隣の高校も対象に広げておこなっています。
                  
 簡単に言えば文学部の「宣伝活動」です。ただし、単に宣伝して文学部希望者や受験生が増えればいいというわけではなく、文学部の学問内容や設備、さらにはどのような教員がいるかということも含めて、高校生に広く知ってほしいという願いがこめられています。
 というのも、中央大学文学は13専攻制(国文学・英語文学文化・ドイツ語文学文化・フランス語文学文化・中国言語文化・日本史学・東洋史学・西洋史学・哲学・社会学・社会情報学・教育学・心理学)。一口に「文学部」といってもその内容はさまざまです。それぞれの専攻の学問内容を高校生に理解してもらうのは簡単なことではありませんし、入学後のミスマッチのないように、しっかりとそれぞれの学問内容をアピールするように努めています。
 今回の文学部特別公開講座が、高校生たちの進路決定に役立つことを願っています。
                  



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  田園調布クラブ1

 「田園調布倶楽部」というイタリアン・レストランへ行ってきました。
 「田園調布倶楽部」は、正確には1階がカフェ、2階がイタリアン・レストランです。また、近くに同じ系列店の「鉄板焼き店」と「アクア・ラウンジ」もあります。場所は田園調布地域ではありますが、最寄り駅は田園調布の隣の東急多摩川駅になります。
 近頃、私はこの近辺に出入りして、あちこちで食事をしています。
   → 「田園調布・Fujisaki」
   → 「田園調布『セラヴィ』」
 この近辺のレストランにばかり行っているのには理由があるのですが、それはプライベートなことなので置いておきましょう。
            
 レストランの良し悪しの基本はもちろん料理ですが、店の雰囲気や接客もレストランの重要な要素です。今回行った
「田園調布倶楽部」2階のイタリアン・レストランは、雰囲気や接客を含めてたいへん感じのよい店でした。
 店の外観は住宅地になる一軒家ふうの建物。それほど豪華でも瀟洒でもない、ちょっと変わった建物という印象です。しかし、扉を開けたところから接客はとても丁寧ですし、2階のレストランは建物の構造を利用した天井の高い作りで、内装や雰囲気もたいへんお洒落です。

田園調布クラブ2

田園調布クラブ3

田園調布クラブ4



田園調布クラブ5

 冷たいスープ・ガスパチョは、夏の定番料理ですが、この店のガスパチョはホタテと野菜を中心に盛り付けてあり、スープというよりもトマトスープ仕立てのお料理として十分成り立つものでした。
 メイン料理が、トマトソースをかけたカツレツかイカのトマト煮込みを添えた魚のポアレか、という選択でした。いくらトマトの旬の季節とはいっても、料理のコース全体にトマトが多すぎて、コースとしてのバランスを欠いているのではないかという気もしましたが、私自身はトマトが好きなので、美味しくいただきました。
               
 レストランにとって、もちろん料理が命ですが、それ以外にも大切なことはあります。このお店は、テーブルに案内してくれるところから丁寧でしたし、私が「アイスクリームを食べない」というと、代わりのデザートにマンゴープリンを出してくれました。
 また、コーヒー好きの私は、食後のコーヒーが1杯では物足りないことが多いのですが、このお店では何も言わなくても気をきかせて、コーヒーのお代わりをついでくれました。こうした気配りもレストランの重要な要素だとあらためて思った日でした。




<p><a href="https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131704/13019979/?tb_id=tabelog_0c3665dbd93f6ac27dce8517c85f902517b3bcf7">田園調布倶楽部</a> (<a href="https://tabelog.com/rstLst/italian/">イタリアン</a> / <a href="https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131704/R6066/rstLst/">多摩川駅</a>、<a href="https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131704/R6502/rstLst/">田園調布駅</a>、<a href="https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131716/R7698/rstLst/">沼部駅</a>)
  <br />昼総合点<span style="color: #FF8C00;">★★★★</span><span style="color: #A9A9A9;">☆</span> 4.4
</p>



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      (写真は日本サッカー協会サイトから引用)

 ドイツでおこなわれていた女子サッカーのワールドカップで日本が優勝しました。おめでとうございます。
 私は、日本が唯一敗戦したグループリーグ第3戦だけ、都合でテレビ観戦ができませんでしたが、他の5試合ずべてを生でテレビ観戦しました。つまり、私が見た試合は全勝でした!
                   
 日本は世界ランク4位と過去最高でこのワールドカップに臨みましたが、私は世界ランクをそれほど信用しておらず、世界のトップ3(アメリカ・ドイツ・ブラジル)とはまだ差があると思っていましたし、世界ランク4位~10位くらいのチームはほとんど差がないとも思っていました。その証拠に、日本がイングランド(世界ランク10位)に完敗するなど、日本がメダルをとるのは困難かとも思っていました。
 実際に、準々決勝のドイツ戦、決勝のアメリカ戦は苦戦していて、ドイツもアメリカも、10回戦ったらおそらく1~2回しか勝てない相手かもしれません。しかし、サッカーは実力が上のチームが常に勝つとは分からないスポーツで、その1~2回のチャンスをワールドカップ本番にものにした日本代表を讃えたいと思います。
                   
 今回は仕事も忙しくて行けませんでしたが、実は4年前の女子ワールドカップ中国大会には、私も観戦に行っています。
   → 「なでしこジャパン in 上海」
 その際は、今回と同じグループリーグのイングランド戦を観戦しました。結果は「2対2」の引き分けでしたが、宮間あやの直接フリーキック2本でかろうじて引き分けに持ち込んだ試合で、実力は明らかにイングランドが上と見られる試合でした。この4年前の時点で、日本と世界のトップ10チームの間にはまだ実力差がありました。
 それがこの4年間で、実力差は明らかに縮まりました。優勝したから実力世界一というのは早計としても、世界のトップ3と(押され気味でも)そこそこのいい勝負をするところまでは実力差をつめてきたと思います。
 そのいい例が、自陣ゴール前で相手のボールを奪ったときに、大きくクリアしないこと。日本代表は、自陣ゴール前からでもショートパスをつないでボールを運びます。これは、もし相手にパスカットされると、自陣のゴールに近いところで攻撃を開始されるわけで、たいへん危険な状況になります。それでも自陣からショートパスをつなぐというのは、自分たちのパス回しにかなりの自信を持っているということで、日本代表の代名詞であるパスサッカーが良く表れていました。
                  
 また、優勝したということだけではなく、個々の試合を見ていても気持ちがよかったのは、「戦術への意思統一の徹底」と「審判への抗議や不満な態度のなさ」でした。日本代表は先述のパスサッカーというチーム戦術への意思統一が見事で、すべての選手の気持ちが一致しているように見えました。男子の場合は「個」の自己主張が強くて、それがまた面白いところではありますが、それが時にはチームとしてばらばらな印象を与えてしまうこともあります。2006年ワールドカップ・ドイツ大会の日本代表などがそのいい例で(→ 「ジーコジャパンが燃え尽きた夜」 )、いくら個々に優秀な選手がそろっていても、チームとして機能しないことがあります。女子の場合は待遇面で恵まれていないので、そもそもチームが勝たなければ個人の環境も改善しません。そういう事情もありますが、今回の女子日本代表はそれ以上に、見事なほどチームとしての意志統一がなされていました。
                  
 もうひとつ気持ちがよかったことは、審判へ抗議したり、不満な態度を示すことがなかったこと。これは日本代表に限らず、女子の試合全体に言えることです。今回の決勝戦の日本DF岩清水選手の一発レッドカードなどはやや厳しすぎる判定にも見えましたが、岩清水選手を含めて誰一人審判に不満な態度を見せる選手はいませんでした。
 ただ単に不満な態度を見せるだけなら男子選手としても二流ですが、一流選手や監督になると、そうした部分を含めて審判や相手選手と駆け引きをしようとするので、それはそれでサッカーを楽しむ方法ではあります。しかし、そうした駆け引きをいっさいしない女子の試合は、男子の試合を見慣れた者にとっては新鮮で、たいへん気持ちのよいものでした。
                  
 日本がワールドカップで優勝したと言っても、ドイツやアメリカより実力で上回ったとはとても言えません。実力の接近した現在のサッカー界にあっては、ワールドチャンピオンとなった日本であっても、アジア予選を突破して来年のロンドン五輪に出場できるとは限りません。今後の女子サッカーにも、これまで以上に注目していきたいと思っています。 



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 11オープンキャンパス
  (オープンキャンパス相談コーナーのようす)

中央大学オープンキャンパスが7月17日(日)におこなわれました。
 近年はどこの学校でもおこなっているオープンキャンパスは、その学校を目指す外部の人たちに学校を公開し、直接学校をみてもらう行事です。中央大学も何度かおこなっており、ガイダンスや模擬授業などもあり、私は相談コーナーの担当者として行ってきました。
 この日のオープンキャンパスは今年の1回目でしたが、例年通り今回も高校生やその父母の方を中心に、多くの方に来ていただきました。写真のような質問コーナーにも多くの方が訪れ、中央大学文学部のカリキュラムや進路などについて熱心に質問されていました。
 中央大学で学ぼうとするこうした熱心な方々に接して、その方たちの合格を願うと同時に、私たちも気が引き締まる思いがした一日でした。



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 アナログ放送終了マジか? と言いたくなるのですが、本当にアナログ放送終了間近となりました。
 総務省の説明によると、アナログ放送を終了して地上デジタル放送に移行することで、チャンネルに余裕ができ、多様なサービスが可能になるとのことです。
 うーん、別に「多様なサービス」はいらないから、いままで通り見られた方がいいのですが、そういうわけにはいかないのでしょうか?私にはよくわかりません。
               
 御存知のように、私はテレビドラマを見まくっているテレビ人間なので、テレビをつけている時間がたいへん長いと言えます。テレビドラマは短時間で見るために生放送は見ず、DVDレコーダーで再生させますが、仕事場でも写真のような小さいテレビをつけていることが多いのです。しかし、このテレビももう10日ほどで使えなくなってしまいます。
 これを機会にテレビをつけて仕事をするのをやめる……という選択肢はあり得ないので、そろそろポータブル地デジテレビを買いに行こうと思っています。
               



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          11金目鯛
      (まだ盛りつける前の金目鯛の煮付け)

 近頃、金目鯛がわりあい手頃な値段で出ているので、煮魚にしてみました。
 金目鯛はどちらかというと高価な魚なので、スーパーで見ているとつい他の魚を買ってしまうことが多いです。しかし、この日はかなり大きな金目鯛が1匹1200円ほど、半身で600円ほどでしたので、買ってみました。
 金目鯛の煮付けで思い出したのは、以前からよく行っていた「中央大学葉山寮」という教職員のための保養所です。私が勤めた1990年当時、中央大学には教職員の保養所が3か所、学生のセミナーハウスも3か所ありました(1か所は共用)。今は2か所ずつになっています。
 私は赴任して2、3年経った頃から、ひんぱんにこれらの保養所に通いました。
 葉山寮は5家族ほど同時に泊まれるのですが、お風呂は1か所。お手洗いも2~3家族が共用。エアコンもありません。ですから、ホテルに泊まるような近代的な設備もプライベートな空間もありません。しかし、ここに泊まると昔の田舎の家に泊まっているような、不思議な、のんびりした気持ちになれました。
 そんな雰囲気が気に入って、10年以上、年に3~4回は保養に出かけていました。1度行くと3泊していましたから、おそらく、今まで合計すると、この葉山寮に150泊くらいしていると思います。当時は福谷さんという御夫妻が管理人をしていて、この付近の保養所組合の会長もされていた方でした。今は、田原さんという方が管理人をしていて、ブログも開設されています。(→ 「お散歩葉山」
 今の管理人さんのお料理はたいへん品のいい料亭ふうのお料理。前の福谷御夫婦のお料理は家庭的でボリュームのあるお料理でした。そして、前の葉山寮に3泊するとたいてい1回は出されたのがこの「金目鯛の煮付け」でした。だからというわけではありませんが、自分で金目鯛の煮付けを作って、「そう言えば葉山寮でよくこのお料理をいただいたなあ」と思い出しました。
 金目鯛を食べながら、「また葉山寮でのんびりすることができたらなあ…」と思いました。

    11葉山寮
        (中央大学葉山寮)



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  (写真は2006年W杯ドイツ大会の日本対ブラジル戦)

 男子日本代表の試合ではないので、世間的にはもう一つ盛り上がっていないのかもしれませんが、このところサッカーの国際的な公式試合が続いています。
 まずはロンドン・オリンピックのアジア地区2次予選「日本対クウェート」戦が6月19日と23日(日本時間24日)におこなわれました。まだ最終予選前とはいえ、ここで敗れるともう五輪出場はできなくなるという厳しい対戦。合計スコア「4対3」で何とか最終予選進出を決めましたが、気温40度近い中で苦戦し、アウェイの厳しさを味わわされました。
                
 次はU-17(17歳以下)ワールドカップ。日本代表はアルゼンチン・フランス・ジャマイカと同組という厳しい組み合わせでしたが、2勝1分でグループリーグを1位通過。さらには決勝トーナメント1回戦でニュージーランドに「6対0」で大勝。準々決勝ではブラジルに「2対3」で惜敗しましたが、この年代から世界の強豪と公式戦で真剣勝負をすることに大きな意味があります。

 また女子ワールドカップ・ドイツ大会も開催されており、日本はニュージーランドとメキシコに連勝して、グループリーグ突破を決めています。男子よりも世界に近いことは明らかで、選手の待遇を含めて、今まで以上のサポートが期待されます。
                
 さらには、コパ・アメリカ(南米選手権)。ここには日本代表は参加していませんが、アジア王者となった日本は招待されていたので、地震の影響で参加できなくなったことが残念です。

 私はこうしたワールドカップやオリンピックといった大きな大会やその予選といった、国際的な公式戦に特に引きつけられます。どんなに有名選手が出場しているからといっても、その試合が何十試合もあるうちの一つで、負けても次があるという試合では興味が半減してしまいます。負けたら次がないというぎりぎりの状況の中での必死のプレー……それこそがスポーツの醍醐味だと私は思っています。

 ところで、最近の日本サッカー界には明るい材料が多くあります。特に男子の若い世代がヨーロッパのクラブに移籍して活躍しているのは、たいへん明るい材料です。女子の代表には比較的長く活躍している選手が多いものの、FW岩渕、CB熊谷、GK海堀といった新しい力が出てきています。
 私は2006年ワールドカップ・ドイツ大会を観戦に行き、日本がブラジルに敗れてグループリーグを2敗1分で敗退したとき、何とも言えない暗澹たる気持ちになりました。それはただ、ワールドカップのグループリーグで敗退したというだけではありません。高原・稲本・小野・加地・小笠原といった「黄金世代」と言われたジュニア時代からの有望選手たちを集めて挑んだ期待の大会だったにもかかわらず、まったく世界に通用しなかったことが暗澹たる気持ちになった理由です。その下の年代の選手たちは残念ながら「谷間の世代」と呼ばれ、ジュニア時代から国際大会で思うような結果を得られないでいました。ですから、「黄金世代」を集めたワールドカップ・ドイツ大会で世界に通用しなかったことは、それ以降の日本のサッカーへの期待がしぼんでしまった絶望的な瞬間なのでした。
                  
 しかし、そうした発想はまちがっていたのかもしれません。ある世代にだけ突然変異的に有望選手が登場することなどあるはずがなく、日本の選手育成システムがよければ有望選手は次々と現れるはず。逆に育成システムが機能していなければ有望選手は継続的に現れないはずです。
 その意味では、私のドイツでの落胆はまちがっていたのかもしれません。ワールドカップ・南アフリカ大会では本田・岡崎・長友といった20代前半の選手たちが日本代表の中心として活躍しましたし、その後も香川・内田がヨーロッパに移籍して活躍。吉田・安田らがこれに続き、さらには宮市・宇佐美らまだ10代の有望選手もヨーロッパへ移籍しています。これらの選手たちはみな口をそろえて「いずれはビッグ・クラブへ行きたい」とはっきり言います。
 実際に長友選手のように、実際にヨーロッパのビッグ・クラブ(インテル)でプレーする選手も出てきました。これはマンチェスターUでパク・チソン選手(韓国)がレギュラーとして活躍してきたことに次ぐ、アジア選手による快挙です。ヨーロッパのクラブへ移籍すること自体が珍しく、また難しかった数年前とは明らかに選手の意識が変わりました。彼らによってヨーロッパに移籍することは、もはや「移籍が目標」ではなく、「移籍はビッグクラブへのステップ」と意識されています。
 日本のサッカーが国際的に通用するためには、ヨーロッパで活躍する選手が相当数いる必要があり、そのための条件は整いつつあると言えるでしょう。移籍にかかわる問題(Jクラブへの補償など)
もないわけではないのですが、まずは海外で活躍する選手が増え、その意識が変わったことを喜んでおきましょう。日本サッカーの今後を続けて見ていきたいと思います。
                  



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