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未曽有の大災害だった東日本大震災から、もうすぐ1年が経とうとしています。
死者15、854人、行方不明者3、203人と伝えられています。大震災の犠牲になった方たち、お一人お一人の御冥福を心から祈りたいと思います。
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このブログの中でも書いたように、私はその大震災のときに飛行機の中にいました。
→「英国での地震報道」(2011年3月21日)
中央大学でおこなっている共同研究のために成田空港からロンドン・ヒースロー空港へ向かう飛行機の中でした。大震災の起こったのが3月11日14時46分。私は13時頃に成田空港を離陸したので、大震災の時刻には何も知りませんでした。ロンドン到着の1時間ほど前、日本時間の深夜0時頃になって、ようやく機長のアナウンスで大震災のことを知りました。
しかし、機長のアナウンスと言っても「日本で大きな地震がありました。詳細はわかりませんので、ロンドンに到着したら御自身で確認してください」というだけのものですから、聞いてかえって不安になってしまったことをよく覚えています。ロンドンに到着したら家族からメールが入っているかと思ったのですが、それもなく、かえって不安が募りました。
その後は家族の安全が確認され、翌日からはロンドンのホテルから仙台在住者に連絡をとりました。その間に寄せられた情報もこのブログで何度か発信しました。
→「災害への備えと大震災のその後」(2011年3月29日)など
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昨年6月に私立中学校・高等学校協会の研究会で講演したときにお話したことですが、私が研究対象にしている村上春樹は、1995年の阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件、さらには2001年のアメリカ同時多発テロ事件(9・11)などを受けて、「この世界にはもうソリッドなものはない」という思いを強くしたと語っています。
私たちが日常信じているものが一瞬にして崩れ去ってしまうかもしれないという認識。それが村上春樹のその後の活動の根底になるようです。地震もテロ事件もすべて同じに見るという発想は特殊なものかもしれませんが、そう考えると村上春樹作品には日常の常識を疑ったりくつがえしたりする発想が貫かれています。
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私たちが信じられる確固としたもの(ソリッドなもの)とは何なのか。東日本大震災から1年経って、もう一度考えたいと思っています。
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