元ボスであるT教授、それに教務を一緒にやったM教授と、3人で飯を食いに行く。A学部長閣下から、空いていたら飲みに行こうと誘われたが、おあいにくさま、先約ありとお断りした。A閣下のお話ぶりは、なんだか妙に権力者的で、この御仁はまあ、重症の「教務病」であること、衆目の一致するところであろう(怒らないでね)。
約束の時間に両教授はタクシーで待ち合わせ場所へお越しになったが、一方通行のため大回りになったろう。分かりにくい場所にあるスペイン田舎料理のレストラン(特に名を秘す)へとご案内する。個人的には、3回目の訪問。
プリフィックススタイルのコース料理で、前菜とメインを選び、初めからワインに突入。白2本、赤1本で1人ボトル1本宛になったけれど、これで1万円ちょっとなんだから、まことにリーズナブル。鍋がお好きなT教授は、絶対ここの茶飯釜風趣向がお気に召すと思った通りだった。
T教授は前理事長時代の後半、権力の中枢に居た方である。だから、現政権へと続くその中枢辺の人間模様を、実に熟知しておいでなのだ。いま偉そうにしている御仁連も、次から次とぶった斬りで、愉快痛快奇々怪々(「怪物くん」か?)だった。誰が権力のガリガリ亡者か、利権やか、お話を伺えば、いちいち頷かるる(自発の助動詞)ことばかり。しかし、権力って、そんなによいものなのかなあ? そりゃ、一度その味を知ってしまうと、やめられんのよ…とT教授。だからずうっと役職者を続け、今や何もしてくれない理事となっている人もいるんだなァ。確かに生涯賃金は、ずいぶん違うだろう。ただし、人様の上に立てば、それだけ出も大きいものだから、どっこいどっこいというところか?(私の校長手当は時給500円だったけどね)
T教授から論語のご本などをいただく。研究者は、研究してなんぼである。行政、政治もほどほどに…だな。私もあと3カ月で校長が終わったら、学究生活に没入することにいたそう。