そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

6月8日(日)セコハン文学会へ行く

2014年06月08日 | 公開

  昨日は高校の保護者会のため、セコハン文学会の春季大会へは行けなかった。ぜひ聴きたいシンポジウムがあったのだが、いたし方無し。

  今日は他に予定は無く、自宅からさほどかからぬ会場へ行く。聴きたいのは午後の発表2本だったけれども、午前中も専門に関係したものがあり、早めに到着する。

  会場校副総長のMK教授が、おん自ら道案内をなさっていた。こういうキャラは、まことに好ましや。さて、会場校の女親分はNK教授である。ご出身のYK教授も手伝っておいでだったが、歴々たる女性研究者が居並んでおいでになるの図は、ド迫力といふもさらなり。YK教授には先般ご新著を恵送いただいたので、改めて御礼を申し上げた。真っ赤なお召し物が、お似合いでござりました。

  午後のFさんの発表は興味深かった。司会のHさんに事前に声を掛けられていたので、質問しようか躊躇していると、斜め後ろに座っておいでのSさんがさっと手を挙げて、質問された中に私の言いたかった内容が含まれていたので、しゃしゃり出るのは止めにした。要するに。勘物を書き込んだ証本と、調度本みたいな美的テクストとはどう違うのか?ということである。

  続くYさんの発表は、まことにYさんらしい丁寧なもので、たいへん勉強になった。実物?を提示して長い質問をした御仁を、リンを連打して制した司会のMさんも立派であった。途中、秋山虔先生が会場に入って来られた。

  久しぶりにFさんに逢ったので、研究発表は中途退場し、バスに乗ってN駅まで行く。まあ飲みましょうやと餃子屋に入ったが、段取りの悪いこと悪いこと。2人がそれぞれ、生ビールジョッキ1杯、芋焼酎の水割りとロック各1杯に、餃子、キムチ、ホルモン味噌炒めを食ったが、支払いが各千円ほどだったのは、何かの間違いじゃないかと思う。お運びにいさん、頭の悪そうなヤツだったが、日本はだいじょうぶか?

  Fさんは短大の学科が無くなり、高校の教師に転職し、今春退職されたよし。そういう話では、Nさんの例が早かったがなあ。帰りの電車もご一緒する。Fさんが紹介された12世紀の注釈書、早く公刊してくださいよとお願いする。関西方面はガードが堅いそうで、さもありなむという気もするけれど、要するに狭量な縄張り根性以外の何物でもない。学問の世界も、世界情勢みたいなところがどこかある。それを突き破ろうとジタバタしてきたのが、我々ではないか。

  帰宅すると、同居人は家で仕事をしていた。先般来胃腸の調子が悪い。胃潰瘍にでもなったかもしれぬ。円形脱毛症は一向に治らないし、もうすぐ校長やめたらひと息衝けて、毛も生えてくるかなあ。今日はまた、何人もの方々から、疲れてますねぇと声を掛けられた。研究室の院生A君なんかあなた、紙パックのお茶を届けてくれたのである。老人を労わってくれて、だんだん、だんだん。