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旅の雑学(2)招かれた食事会のお味は?

2007年11月29日 | エピソード
ブラジル(リオのカーニバル)、
ボリビア(オルーロのカルナバル)と
並ぶ南米三大祭りの一つ、
ペルーの太陽の祭りインティライミ。

このインティライミというのは、
インカ時代から続く儀式で、
毎年6月24日に行われます。

インティ(太陽)に収穫の感謝を捧げる儀式で、
今ではクスコ最大のイベントとして
サクサイワマン砦前の広場で
カラフルな衣装を着けた人々によって演じられます。

とここまで読んでいただいた皆さん、
こんなことを書こうとしている訳ではなく、
話はココからです。

ご存知のように、
クスコからマチュピチュ、ティティカカ湖にかけて
標高3000mを超えます。

また、この地帯にはインカの末裔の部族が
多く住んでいます。

この標高3000m地帯というのを想像してみてください。
日本で言えば、富士山の8合目付近でしょうか。

当然、樹木は育たず、
低木の高山植物が生えている程度です。

数年前になりますが、
マチュピチュに行った時、
市長というか村長というか、まあ町の偉い人に
食事に招待されました。

言葉はよくわかりませんが、
通訳の人の話だと、
大事なお客だからここの名物をごちそうしようと
いうことらしかったのです。

そして、
どれくらい食べるかという事を聞かれ、
つまりALLかHALFかと
実際変な聞き方をするなあぐらいに思っていました。

当然、どんな食べ物かと聞きますと、
「クイ」だよと言われ、
通訳の人も詳しい事は教えてくれませんでした。

とりあえず、HALFと答えました。
これが、後々私にはラッキーでした。

なんと出て来たのは、ねずみの姿焼き!
HALFは背骨に沿って切った片側、
ALLはお腹から開いた両開き。

もちろん、
頭も足もしっぽもしっかり付いています。
これが、今日のメインディッシュ。

先ほども少し触れましたが、
この地域は高山地帯で、
植物が育ちません。
という事は、植物を食料にする家畜も
思うようには飼えません。

確かに、
この地方を代表する家畜アルパカはいますが、
これは食用ではありません。
インデイオが纏うカラフルな衣装は
このアルパカの毛からできているのです。
最近では商売にしている人もいるようですが…。

本来は、物々交換用の大切な資源だったのです。

ブタやニワトリがいないわけではありません。
しかし、食用にするほど飼えないのも事実です。

しかも、海は遠い。
ティティカカ湖には魚がいますが、
誰でも取りに行ける距離ではありません。

ついでに行っておくと、
インディオの多くは未だに徒歩で山を越えています。
車なんて、多分考えた事ないんじゃないかなあ。

そんな彼らの重要なタンパク源が「クイ」なのです。

話は戻って
いざ食べるとなると相当の勇気が必要で、
それでも食べましたよ(笑)。

肝心のクイのお味はというと、
実際、形のグロテスクさに圧倒され、
よくわかりませんでした。
まあ、しいて言えば鶏肉みたいな淡白な味です。

「クイ」とは、
げっ歯目テンジクネズミ科、
体長15~25cm、
体重0.6~1.2kg、
南アメリカ中央部に分布し、
植物・昆虫などを食べています。
主な特徴は、モルモット(テンジクネズミ)の仲間ですが、
前歯が黄色いのが特徴です。
また、下あごに臭いを出す腺があります。
臆病な性格なのですが、
岩などの高い所が大好きです。
昔からクイはアンデス山脈地方で
重要なタンパク源として重宝されてきたそうで、
今では各家庭で飼っているそうです。

そう言えば、
ティティカカ湖のウロス島に行った時、
葦で出来た家の中には
やたらとネズミがいたっけと今思い出しました。

神奈川県の大山にも、
保存食として昔から食べている
カエルの姿焼きというのがあります。

さすがにネズミは知りませんが、
この大山のカエルも
捕獲時期になると捕まえて来て
樽に姿のまま塩漬けにしておきます。
そして、冬の動物性タンパク質の供給が
少なくなる頃、
出して来ていろりで焙って食べます。
ちょうど、
カエルを上から潰したような格好で食前に出てきます。
これにも驚きましたが、
ネズミはさすがにびっくりしました。

ちなみに大山のカエルは、
清流に住み、藻を食べている
ヤマカエルだっけかカワカエルとか
呼ばれる種類だったと思います。

味は、クイと似たような
形を見なければ鶏肉で通りそうなものでした。

まあ、何はともあれ
名物料理と名のつくものは欲張らない事ですね。

ちなみに、
クスコでは「クイ料理」の専門店があるそうですよ。
興味のある方はどうぞ。

ついでと言ってはなんですが、
こちらはマジおいしいですよ。

2002年頃、
国営から民営に移管されたマチュピチュ行きの観光列車は
現在数社で運営されています。

朝、クスコのサンペドロ駅を出発して、
途中オリャンタイタンボ駅に停車、
約3時間ほどで
マチュピチュ(アグアス・カリエンテス駅)に着きます。
その途中駅のオリャンタイタンボ駅では
列車の到着に合わせて
蒸したトウモロコシを売っている時があります。
トウモロコシはアンデスが原産地、
粒が大きくほくほくして昔懐かしい味がします。

いつも売っていない所が南米人。
見つけたら買いですよ。