TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

「再生力-人生版・野村ノート-」を読む

2009-11-15 16:48:22 | 経営全般
 前楽天野村監督と、田原総一朗の対談集「再生力-人生版野村ノート-」を読みました。



 本の内容は、野村監督の選手時代、南海、ヤクルト、楽天監督時代の経験が記載されている本です。

 この本を読むと、野球というスポーツの特徴がよく理解できます。また、対談者が田原総一朗ですので、現代社会を野村監督の言葉を応用して解釈しています。

 その中で、納得のいく箇所を以下に引用します。

「地域を大事にする心がパリーグを再生させた」
田原:野球界でも、そんな危機感を持って、なんとかしようと思っているわけですね。どうすればいいですか。
野村:パリーグはメジャーにならって、地域との密着を推進しています。パリーグの再生力の基礎は、地域の力であり、地域の人びとなんです。プロ野球はパリーグのやり方がいちばんいいと思います。何も全国区の球団になる必要なんてない。地域、地域で絶大の人気があればいいんです。

 セリーグは巨人の人気におんぶにだっこでした。その巨人の人気も落ちています。群馬ダイヤモンドペガサスの試合を見にいったときに、隣のおじさんどうしが話していて、いまどき巨人のマークの入った野球帽なんてカッコわるいよなと会話していました。

 野球の世界で、イチローや松井などのほんとうのスーパースターがて大リーグに行くのはグローバリゼーションそのものです。そして残った選手がする日本の野球は「地域の時代」なのです。

 スポーツの世界でみた時代認識ですが、この時代認識は、政治、経済にも通じるのではないでしょうか。国際社会の中の日本、そして、地域という基盤で生きる国民ということです。

 田原総一朗が講演会で、国家はバーチャル、一番現実を知っているのは現場(地域)ということを話していました。

 この本は、野球のことが書かれてた本ですが、対談者が田原総一朗っですので、野球にとどまらないことを考えさせてくれる本でした。

「農商工連携の地域ブランド戦略」を読む

2009-11-14 17:05:59 | 今週の一冊
 一橋大学教授監修の「農商工連携の地域ブランド戦略」を読みました。


この本の内容は、2008年に施行された「農商工連携法」が施行された背景の「モノづくり」産業の手詰まりからの「農業」「商工業」の連携の地域実践をまとめたものです。

 事例として全国各地の「農産物直売所」、「農産物加工工場」そして「農村レストラン」が記載されています。地元群馬県の事例として、渋川市赤城町の「あぐりはうすおふくろ亭」が掲載されています。

 関教授は地域産業を扱う研究者ですが、知らず知らずのうちに経済産業省が取り扱う繊維、自動車、造船、機械など焦点にあててきていて、農林水産業が扱う「農林水産業」は対象の枠外に置かれていたと記載しています。

 しかし、このような省庁間の垣根は取っ払わないとならない時代になってきているのです。かつて仕事を一緒にさせていただいた経営コンサルタントの鳥巣研二さんは、先生のブログを読むと、農商工連携の仕事で全国を飛び回っています。

 すごいスピードで従来の行政の枠組みでは対応できない時代になっていることを私は感じています。


仙谷由人内閣府特命担当相へのインタビュー-週刊ダイヤモンドから-

2009-11-13 06:59:24 | 経営全般
 今週号の週刊ダイヤモンドには、仙谷由人内閣府特命担当相(行政刷新・公務員制度改革担当)のインタビュー記事が掲載されています。

 以下その概要です。

 -2009年度補正予算の見直しで2兆9000億円の執行停止に踏み切りました。行政刷新会議の初仕事として、手応えはまずまずですか。
 2兆9000億円という金額はともかく、予算執行体制のありかたは、一言でいえば「なっていない」。

 -10年度予算の概算要求については、そうしたムダをより削っていくわけですね。
 主な要求項目については、執行体制のあり方を含めて、事業仕分けによって、そもそも必要なのか、必要だとしても国でやるべきか精査します。
 場合によっては、地方でやったほうがいいかもしれないし、あるいはやめたほうがいい事業も出てくるでしょう。

 -となると、95兆円の概算要求はかなり削らざるを得ない?
 原則として補助金行政は縮小していくことだけれども、景気動向との見合いもあります。ただでさえ地方が疲弊しているときに思い切って削れるか。あるいは、首相、国家戦略室のより高度な政治判断もあるでしょう。

-行政刷新会議の事業仕分けによる概算要求見直し案は、財務省の予算査定に全面的に反映されるのですか。
 勧告になるか、意見になるのか、どちらにしても、行政会議の議長は総理大臣で、財務大臣もメンバーに1人として参加されている。反映されなければ、おかしなことになる。

 事業仕分けは、今日で3日目です。各省庁の担当が仕分人に事業の必要性を必死で説明している様子、それに対し仕分人が厳しく追求する様子がテレビで放映されています。

 テレビは過激な討論の場面が取り上げられ、仕分人がいかにも、各省庁の担当を吊るしあげしているような印象を受けますが、実際、費用対効果、緊急性などから考れば意味のない事業が無数に存在するのが現実ではないでしょうか。必要のない公益法人など数えきれないほどあると思います。

 しかし、それらの事業、団体は国の行政システムに組み込まれていて、それで飯を食ってい膨大な人がいるのです。

 この明治維新から百年以上の年を経て形成されたシステムを根本から覆すには、並みのことではないはずです。

 今実施されている「事業仕分け」を見ると、改革という名目で表面の表面をなぞっているパフォーマンスにしか見えないというのが私の感想です。
  
 



ファミリーマートが「am/pm」を買収

2009-11-12 06:45:21 | 経営全般
コンビニエンスストア業界3位のファミリーマートが筆頭株主である伊藤忠商事とともに、同7位のエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)を買収する方向で協議しています。

 am/pmの親会社であるレックス・ホールディングスから全株を買い取る方針で、ファミリーマートと伊藤忠商事は負担割合や買収方法を今後、詰める予定です。

 コンビニエンス業界は、セブン・イレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルKの4社で8割のシェアを占める寡占市場です。業界7位のpm/pmhは買収の対象として以前から話題になっていたコンビニでした。

 今回の買収が成ると、ファミリーマートは店舗数8,500以上となり、店舗数で業界2位のローソン(店舗数9,527)に迫るコンビニになります。

 コンビニの業界規模は、約8兆円であり、いたる所に店舗がある状況から成熟産業といわれていますが、今後は業界再編が加速しそうな今回の買収の話題です。

 

ベイシアが購入品連動クーポン券を開始する

2009-11-11 07:22:57 | 地域産業
 地元の総合スーパーの雄のベイシアは買い物と同時に関連商品の割引などを受けられるクーポン券を開始します。

 このシステムは、販売促進支援会社、カタリナマーケティングジャパンの「レジ・クーポン」で、顧客の購入商品を分析し数百種類の取り扱い商品別に1体1で関連性の高い組み合わせを設定したものです。

 例えば過去の顧客のPOSデータから「粉ミルクを買う人は、ベビー服のニーズがあるなどと分析できます。粉ミルク購入の際に、レジで次回の来店時に使えるベビー服のクーポン券を渡します。
 割引感を前面に顧客の来店機会を狙うものです。

 前橋モール店と西部モール店の2店で11月からクーポン券の発行を始めます。

 ベイシアグループは小売業が不調の中にあって、好調な企業です。セーブオンでは、高崎市のイタリアンレストラン「ボンジョルノ」監修のパスタ弁当を10日に販売しています。

 また、前橋市亀里にある本社の近接地に西部モールよるも大きな規模の大型モールを建設する計画もあるようですし、不況の中にあって、数少ない攻めの経営を実施している企業が「ベイシア」です。

 私は、以前仕事でベイシアの幹部社員と話をする機会がありましたが、こちらの要望等にすぐに機敏に対応するそつのなさが印象に残っています。
 機を見るに敏な企業が「ベイシアグループ」なのでしょう。それにしても、社員として、このような企業で生き残っていくには厳しいだろうなあとの印象ももったものでした。
 
 

地元伊勢崎の製造業「翔栄」がタッチパネル増産

2009-11-10 06:59:56 | 地域産業
  地元伊勢崎市の電気機器製造業「翔栄」は、タッチパネルを主に製造するメーカーですが、11月から生産数量を25%引き上げ、人員を増やます。

 翔榮は、ハイブリッド用のカーナビゲーションや携帯電話向けのタッチパネルを主に製造している企業です。旧東村に本社工場がありましが、地元三和工業団地に新工場を建設し、本社も移転しています。下の写真は、だいぶ前になりますが、三和工業団地の建設中の工場です。



 同社のタッチパネルは、トヨタ自動車がハイブリッド車の純正カーナビに採用されているほか、欧州や米国の完成車メーカーからもカーナビ用として引き合いがあるということです。また、韓国の携帯電話メーカーからの注文もあります。

 私は、4年前になりますが、旧東村の工場に企業訪問したことがあります。いかにも手狭という感じでした。

 売上高も、2008年6月期35億6千万円が、2009年6月には約39億円ですから、多くの企業がこの時期に売上高を減少させているのに増加させています。製品は時代ニーズにマッチしたということでしょうか。今後も3億円の設備投資をしてタッチパネルの増産をする予定です。

 中小製造業は、不況のまっただなかにあると言われますが、翔榮のような好調な企業も存在する地元伊勢崎市の地場産業の地力を感じます。

 

日揮と三菱化学、車部品原料で石油使わず

2009-11-09 07:39:52 | 経営全般
 日揮と三菱化学は自動車のバンパーなど原料となる基礎科学品のプロピレンを天然ガスから製造するプラント技術を共同開発した。

 石油を使う従来製法に比べ二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、製造時の消費エネルギーも15%程度減らせます。

 日揮と三菱化学の両社は、三菱化学の水島事業所(岡山県倉敷市)に約30億円を投資して年間生産能力100~300トンの実証プラントを建設し、2010年に稼働させます。

 プロピレンは強度や加工性にすぐれていて、自動車のバンパーや家電の部品、建材の原料になります。現在は石油由来のナフサからエチレンを生産する際の副産物として得る方法が主流ですが、プロピレンだけを生産するプラントは存在しません。

 このように日本の技術力は、まだまだ世界の最先端を走っています。環境というキーワードで今後も、国内企業の新技術開発が次ぎつぎに誕生することが、日本の産業発展に貢献するのではないでしょうか。

 このような開発の話を聞くと、日本の将来も展望が開けていると私は思います。
  


事業仕分け対象があす(11月9日)決定

2009-11-08 08:56:58 | 経営全般
政府の行政刷新会議は9日、2010年度予算編成に向けて各府省の概算要求の中から無駄を洗い出す「事業仕分け」の対象事業を決定します。

 対象は、一般会計や特別会計、独立行政法人など210を超える事業となる模様えす。薬価や地方交付税交付金や、財務省の査定対象外だった基金の運用益で実施している独立行政法人の事業も対象となります。

 事業仕分けの主な対象事業は、「雇用・能力開発機構」「子ども未来基金」「都市再生機構」「まちづくり交付金」「選挙啓発費用」などが対象に挙げられています。

 「事業仕分け」などという手法が政府に採用されるとは、ほんとうに時代は変わったと思います。行政の無駄をどんどん洗い出してもらいたいものです。
 
 

 

雑誌「日経トレンディ」はヒット商品特集

2009-11-07 14:24:18 | 経営全般
雑誌「日経トレンディ」は2009年のヒット商品、そして2010年のヒット商品予想について特集をしています。

 2009年のヒット商品ベスト30を記載していますが、ベスト10は以下のとおりです。

1 プリウス&インサイト
2 キリンフリー
3 ドラゴンクエスト
4 抗インフルエンザグッズ
5 国宝 阿修羅像
6 ドット入り罫線ノート
7 ウーノ フォグバー
8 ポメラ
9 蒸気レスIH
10 990円ジーンズ

 1位はなんといってもプリウス&インサイトのハイブリッド車です。2010年の予想ランキングでは、7位にフィットHVが入っています。最近三菱自動車の電気自動車が試乗で一般道を走っているのを見ました。時代は環境車へ急激に動いています。

 4位は抗インフルエンザグッズです。マスクは昨年の生産、輸入量費で600%以上に達しています。手のアルコール消毒は、約30倍になっています。今後もこの分野の需要は伸びることは確実です。

 
 5位は国宝阿修羅像です。東京国立博物館の「国宝阿修羅像展」には連日1万人以上が押し寄せ、入場者数は94万人を記録しました。2008年の「国宝薬師寺展」は79万人でした。この背景には昨今の仏像ブームがあります。癒しを求める時代背景があるのでしょうか。

 6位はドット入り罫線ノートです。商品化のきっかけは「「東大生のノートはかならず美しい」という書籍はベストセラーになり、誰でも東大合格生のようなノートが書けないかという企画からのドット入り罫線ノートでした。
 半年で1,000万冊を販売しています。

 10位は990円ジーンズです。端緒はファーストリテイリングの「ジーユー」が990円ジーンズを投入したことでしたが、その後、西友、ドンキホーテと次々と低価格ジーンズを販売しています。

 これらのヒット商品を見ると、時代は、低価格志向、環境、不確実性、癒しがキーワードとなっているようです。

 ちなみに2010年ヒット予想商品ベスト10は以下のとおりです。

1 2万円高性能テレビ
2 アーバン産直マルシェ
3 低価格クラウドPC
4 深夜「羽田」海外ツアー
5 脳波トイ
6 会員制ネイチャーヒットネス
7 フィットHV
8 食べるガツ盛り調味料
9 平城遷都1300年祭・東大寺展
10 電子ブック

 
 

地元群馬県が県有地をネット販売

2009-11-06 06:35:32 | 地域産業
地元群馬県は、インターネットの競売サイトを利用して、職員公舎跡地などの県有地を売却することを開始します。

 インターネットによる競売だと、従来の書面による入札方式より事務負担が軽くなり、参加者も多くなるメリットがあります。

 今回売り出すのは、前橋市、高崎市、東京世田谷などの宅地12物件です。「ヤフーオークション」を活用し、県が事前に設定した最低価格を上回る最高価格で入札した者と契約を結びます。

 この方法のメリットは、①事務の省力化、②参加者の拡大、③広報活動の拡大などが挙げられるのではないでしょうか。

 行政は前例に拘らず、よいものはどんどん導入していってもらいたいものです。今回の「ネットオークション」は実施するのが遅かったのではないでしょうか。

 新しいことを実施する時には、なにかと世代間の対立が起こります。「ネットオークション」などは、一般には若者からの発想なのではないでしょうか。

 新規事業を起こすときには、若者の「突破力」「想像力」「行動力」が求められます。とはいっても、年配者の「知恵」と「経験」も必要です。

 しかし、先が不透明な今は、ずんずん進む若者の力が必要だと私は思います。

トヨタ自動車がF1から撤退

2009-11-05 07:14:34 | 経営全般
 トヨタ自動車は、4日に自動車レース最高峰のF1から今年限りで撤退することを正式に表明しました。他チームへエンジン供給や共同運営などもせず、完全に撤退します。

 トヨタ自動車の撤退で、日本の自動車メーカーでF1に参戦する日本の自動車メーカーは消え、速さより環境性能が生き残りのカギを握るようになったことが明確になりました。

 一方、トヨタ自動車は、2010年には中国に研究開発拠点を新設します。この新拠点は上海市近郊の江蘇省常熱市に置く計画です。トヨタはこの地を中国でのクルマづくりの中核と位置づけ、将来はハイブリッド車など環境分野の先端研究にも活用する予定です。

 今年の東京モーターショーの来客数は激減しました。自動車に対する若者の興味が低下しているそうです。

 自動車産業は明らかに曲がり角にきているようです。

上毛新聞に地元伊勢崎の企業「アイ・ディ・エー」が掲載されました

2009-11-04 07:30:29 | 経営全般
今日(11月4日)の地元上毛新聞の「これ造っています」という企業紹介欄に地元伊勢崎の企業アイ・ディ・エーの記事が掲載されています。

 この企業は、かつて倒産した企業を従業員が再建してリスタートした企業です。
私は、6年前にこの会社に企業訪問させていただいて、井田社長のお話を聞いたことがあります。

 企業をリスタートした時の苦労話を聞いて感動したものです。この会社の製品は、河川や港湾の護岸工事で石を固定するために使う「ふとんかご」と、公園や工場の囲いになる「ひし形金網」です。

 地味ですが、防災上欠かせない存在価値のある製品を造っている企業です。企業訪問した企業はそれぞれ思い入れがありますが、この企業はその創業経緯からも、特に思い入れのある印象に残っている企業です。

 もっともっと多くの取引先等にその存在を知ってもらいたい企業ですし、このような新聞で取り上げられるのは、よいPRの機会になるのでよいことだと私は思います。

変革期をタフに乗り切れる人材育成-大学トップマネンジネントファーラム-8大学トップが参加

2009-11-03 17:42:03 | 経営全般
 10月30日、東京虎ノ門のニッショーホールで開催された、大学トップマネジメントフォーラムに行ってきました。

 このフォーラムは、堀紘一氏の基調と「変化期をタフに乗り切る人材育成」というテーマで、8大学のトップ(学長や総長)によるパネルディスカッションに2部構成でした。このパネルディスカッションのモデレーターは田原総一朗でした。







 8つの大学のトップとは、中島神奈川大学学長、楠見関西大学学長、竹村東洋大学学長、杉山一橋学長、増田法政総長、納谷明治大学学長、大橋立教総長、白井早稲田総長でした。

 まず、8大学のトップからの各大学の現状分析の話があり、田原氏のそれぞれの大学トップへの質問がありました。

 その田原氏の質問が、自らは「素朴な質問」と話していたのですが、建前で始終してしまうパネルディスカッションをおもしろいものにしてくれました。

 まず、中島神奈川大学学長には、「希望でない大学に入った学生に意欲を持たせるにはどうのような試みをしているのか」。

 楠見関西大学学長には、「あなたは、関西大学の出身であるが、なぜ関西大学に入ったのか」。それに対して楠見学長は、「国立大学に落ちて関西大学と立命館大学に合格したので、関西大学に入った」と答えていました。
 田原氏は、「関西大学と立命館大学なら、立命館大学に行くのではないか」と質問しました。
 楠見学長は、「その当時は関西大学のほうが人気があった」と答えていました。

 竹村東洋大学学長には、「学生受験者が今年増えたと話していたが、箱根駅伝に優勝したからではないか」と質問していました。

 杉山一橋大学学長には、「一ツ橋と東大の違いは端的にゆうとなにか」と質問していました。
 
 増田法政大学総長には、「法政大学は群れるのがきらいだというが、それでは愛校心がないのではないか」と質問していました。

 納谷明治大学学長には、「駿河台に24階建ての校舎を建てたことは正解だったか」ということを質問していました。

 大橋立教大学総長には、「名古屋出身でなぜ、東京の立教大学に入ったのか」質問していました。大橋総長は、「希望の大学に合格できず立教大学に入った」と正直に答えていました。

 白井早稲田総長には、「早稲田は野党だった。その在野精神が今はなくなっていまったのか」と質問していました。

 今も大学には、東京大学を頂点に偏差値を基に純然たるランク付けがあります。田原氏は、素朴な疑問などと言っていてもその事実を充分認識して、各大学トップに質問しています。そして、その偏差値を基にした学歴などまったく人間の実力とは異なると信用していない人が田原総一朗なのです。

 それにしても、希望した(国立)大学に落ちたから入学したなどと、大学トップに言わせてしまうのはすごいです。

 このよう本音の言葉から、ランク付けされてしまっている大学で学生がやるべきことが見えてくるのではないでしょうか。なんといっても、自分の大学のトップが実は、他の大学に落ちて入学して、そこでがんばって勉学に励んで、大学のトップになっているということは、同じような境遇の学生にはたいへんな励みになることではないでしょうか。

 そして、このような本質を導きだすのは、田原氏の、きれいに話を建前でまとめとうとしない本質に迫る質問があるからです。

 私は、建前に始終するパネルディスカッションに慣れてしまっていたので、今回のような本音で本質に迫る話が聞けるパネルディスカッションに参加できてよかったです。東京まで行った甲斐がありました。



 
 
 

セブン&アイ、プライベートブランド3年で売上2.5倍に

2009-11-02 20:33:31 | 経営全般
セブン&アイ・ホールディングスはプライベートブランド(PB)事業を拡大する方針です。売上高を2009年2月期の2,000億円から2012年2月期には2.5倍の5,000億円に伸ばす計画です。

 この計画では、スーパーの「加工食品」売上高に占める比率を約10%から20%へ引き上げます。消費者の低価格志向が強まるなかで、商品数も3倍程度にする計画です。

 プライベートブランド(PB)は、ナショナルブランド(NB)より粗利益率が10%程度高いと言われています。私が中小企業診断士の資格取得の勉強をしていた頃(20年前)にプライベートブランドのこと学んだことを覚えています。

 プランベートブランドは、今後の大手小売業の戦略商品になると学んだものです。それから20年が経ち、今、確かにプライベートブランドが、不況のまっただなにいる大手小売業者の、戦略商品になったようです。

 消費者の低価格志向の潮流が続く限り、小売業主導の「プライベートブランド」の増加がいろいろな商品で拡大しそうです。
 

新時代に企業が求める人材像-堀紘一氏の講演から-大学トップマネジメントセミナーで

2009-11-01 08:53:30 | 経営全般
 東京のニッショーホールで10月30日に開催された「大学トップマネジメントフォーラム2009」に行ってきました。

 今回のテーマは、「大学からの社会への回答-変革期をタフに乗り切れる人材育成-」ということでした。

 基調講演として「新時代に企業が求める人材像」という演台で、株式会社ドリームインキュベーダ代表取締役堀紘一氏がありました。



講演内容は、堀氏が経験した4つの大学の話でした。東京大学、メアリー州立大学、ハーバードビジネススクールの学生経験の話、そして慶応大学での講師経験の話でした。

 東京大学での学生時代はなにも印象に残っていないが、アメリカの2つの大学は堀氏の軌跡に大きな転機をもたらしたという話でした。

 まず、メアリー州立大学は、初めての留学経験でありアメリカの大きさを味わったということでした。よくこの国(アメリカ)と戦争をしたと思ったそうです。豊かさとは「選択できる多さ」と肌で感じたそうです。

 次に社会人になって、MBA取得のためにハーバードビジネススクールに留学した時は、その勉学のハードさで辟易したとのことです。1日の勉強時間は、12時間で1週間を月月火火水木金であるのですから、ハードさは並大抵のものではありません。

 堀氏は、このビジネススクールで、問題に答えはないことを学んだそうです。そして、常に自分の頭で考えること、考える内容は、①目的はなにか(大目的、中目的、小目的)、②フレームワークはこれでよいかということです。

 また、堀氏は今の学生は人間関係が形成できず、コミュニケーション能力が欠けていると言われるが、その能力を高めるには、コミュニケーケーション相手に対して、①相手の考える座標軸はなにか、②相手どのような時間軸でものごとを考えるのかを常に意識しているということでした。

 45分の話でしたが、内容のある話でした。