TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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中国、9月の日本からの輸入9.6%減 尖閣問題響く

2012-10-13 20:50:32 | 経営全般

本と中国の貿易が縮小している。中国税関総署が13日発表した9月の貿易統計によると、日中間の貿易総額は1~9月に前年同期比1.8%減と、1~8月よりも減少幅が拡大した。9月の日本からの輸入は前年同月比9.6%減となり、2カ月連続で1割前後の減少が続く。中国経済の減速に加え、尖閣諸島を巡る日本への反発から広がった日本製品の不買運動が影を落とす。

中国の9月の全体の輸出は9.9%増の1863億5千万ドル、輸入は2.4%増の1586億8千万ドル。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は276億7千万ドル(約2兆1700億円)の黒字だった。

 中国にとって日本は最大の輸入相手国だが、日本からの輸入は8月の11.4%減に続き、9月も1割近く減った。中国国内の内需の伸び悩みに加え、9月は尖閣諸島を巡る反発から全国で大規模な反日デモが発生。自動車や家電など日本製品の不買運動が広がっており、日本からの部品などの輸入が減っているもようだ。

 9月の日本への輸出は2.2%増だったが、全体の輸出の伸びに比べると低水準。9月単月の日中貿易の総額は4.5%減で減少傾向が続く。

 全体の輸入は8月の減少から増加に転じたが、なお低水準。一方、輸出は8月の2%台の伸びより高く、単月の輸出額としては過去最高という。ただ輸出入ともに20%台の伸びだった2011年のような勢いはない。1~9月累計でも輸出は前年同期比7.4%増、輸入は同4.8%増。輸出入を合わせた貿易総額は6.2%増で、今年の政府目標である「10%前後の増加」の実現は困難だ。

 最大の貿易相手である欧州経済の不振が足を引っ張っており、1~9月の欧州連合(EU)との貿易は前年同期比2.7%減に落ち込んだ。

 中国政府は9月、輸出に伴う税金の還付の拡大など輸出てこ入れ策をまとめた。10月初めの国慶節(建国記念日)の大型連休を前に輸出を押し上げた面もあり、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けの輸出が9月に25%増と大幅に増えたほか、米国向けも5%増と堅調を維持している。

 ただ世界経済は本格的な回復軌道に乗っておらず、中国の輸出の先行きはなお不透明。日中関係の悪化という中国経済にとって新たなリスクも重くのしかかっている。