TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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世界を呼び込む5つの突破力-日経ビジネス2008.8.25-

2008-08-23 19:39:49 | 経営全般
今週の日経ビジネスの記事は世界が頼る無名企業という特集です。その特集ので「世界を呼び込む5つの突破力」ということで日本の中小企業が取り上げられています。

 まず「問題突破力」ということで中興化成工業(東京都)が取り上げられています。北京オリンピックの鳥の巣スタジアムの屋根膜を製造している企業です。東京ドームに採用されてから次々に受注を勝ち取っている企業です。
 社長は営業社員に、「その場ではできないと絶対に言うな」と支指示しています。会社ではその課題を投げ出さすに試作を繰り返してものにします。まさに問題突破力を地でいている企業です。

 第2に「業際展開力」でニッコーインテック(愛知県)が取り上げられています。自動車部品のプラシチック成型を手がける企業でトヨタのレクサスの部品も製造しています。トヨタの要求は高いのですが、ニッコーは金型と成型を手掛けるため、その仕様から納品まで対応できます。もともとは金型企業だったのですが、成型に業際展開して、トヨタのレクサスに欠かせない企業になっています。

 第3は「脱・下請け力」でニッコーム(青森県)が取り上げられています。かつてはオムロン傘下でしたが、今は得意製品を持ち世界に450社の取引先と持っています。得意製品を持つ経緯はオムロンの海外進出でした。そのためニッコーの受注は激減してしまいました。そこでニッコーの日高社長はオムロンとの資本構成を組み直して
、産業用抵抗器にこだわりました。自社の強さの源泉を拡散しない戦略に注力したのでした。日高社長は一度信頼を得ると、5年、10年と取引が続けられると発言していますが、高い技術力を持つ自信からの発言です。

 第4は「市場洞察力」で阿波製紙(徳島県)を取り上げています。もともとは和紙製造の企業でしたが、自動車用のフィルター向けの耐熱性の強い「特殊紙」を製造しています。国内自動車メーカーに納入していてそのシェアは60%近くになっています。「特殊紙」を製造する経緯は和紙の市場縮小でした。
 三木社長は積極的に異業種交流など参加して、10年近い期間をかけて現在の「特殊紙」を開発製造しました。徹底した情報収集による市場性の判断が当社の現在をもたらしています。

 第5は「価値提案力」で昇栄(福島県)と取り上げています。この企業は住友ゴム工業の白河工場の荷役作業を請け負う企業です。倉庫の作業員やモノの配置を効率化し、荷役業者の重層的な下請け構造をなくし、平成13年までに年間平均10%のコスト削減を実現しました。請負業者が物流パートナーとして機能している企業例です。

 「問題解決力」「業際展開力」「市場洞察力」「脱・下請け力」「「価値提案力」すべて中小企業にとっては生き残りのキーワードだと私は思います。