TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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自らの使命を考えよ(片山善博)-日経ビジネス2008.8.18から-

2008-08-15 21:10:41 | 経営全般
日経ビジネスに片山善博前鳥取県知事のインタビュー記事が掲載されています。そもそも役所は何のために存在するのかを考えていないという内容の記事です。

 片山氏が鳥取県知事の時に、2000年10月に鳥取県西部地震がありました。この時に被害が際も大きかったのは過疎地の山間部でした。家屋を失った人が多かったので、国に掛け合って住宅再建の支援策を依頼しました。国は道路や橋は直しても、個人の家の再建は個人の資産形成にかかわるので税金投入はできないと譲りませんでした。

 片山氏は議論しても埒は明かないため、国に頼らずに県財政で再建支援をすることにしました。そしたら、国は今度は「やらないでくれ」と言い出しました。阪神・淡路大震災の時も認めなかったからという理由からでした。要するに、大事なのは国民の生活でなく、自分たちの立場なのです。

 地元上毛新聞に、8月15日の敗戦記念日にちなんで「特攻兵から遺言」という記事が掲載されています。特攻隊に志願して出撃せずに敗戦を迎えた信太氏は、戦後は海上保安庁に就職しました。そして戦争に疑問を持ちました。それは軍事情報を語る上司らの会話から「軍隊は国民を守るのではなく、組織を守るものだ」と気づいたからです。

 官僚組織として戦時中の軍隊と霞が関は変っていないようです。「省益あって国益なし」とはよく言ったものでです。

 片山氏は、この官僚体制を打ち破っていくのは、上からでなくボトムアップで、草の根の住民がコントロールする社会にならないと日本は活性化しないと指摘しています。

 活性化として気になることとして世襲制の台頭も片山氏は指摘しています。政治家、大分県で問題になった教育者、そして地方の企業経営者もあげられています。
地方の限られた優良企業のトップが世襲制となれば地元の優秀な人材が、そのような企業に就職するかという指摘です。よって地域企業は活性化せず、地域経済も活性化しないという理屈なのでしょう。

 しかし、考えようによっては、自ら起業する若者が地域に多く出る可能性があるということではないでしょうか。世襲制の多い地域にあって、地域が「起業」支援に力をいれれば新たな地域活性化の芽が生まれると私は思います。