すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

「くりばやし」

2019-01-11 22:15:05 | 自然・季節
 姉崎一馬さんの写真絵本「くりばやし」が出た。(月間の絵本雑誌「たくさんのふしぎ」の18年11月号として。)
 住宅地の中の栗林の、幼樹から実をつけるまでの成長を2年間にわたって季節の中に辿ったものだ。一馬さんの写真にエミリーさんが言葉をつけている。写真も文も、視線がほんとにやさしい。子供の成長を見守る親の視線のよう、と思ったが、ここには人間の子供の成長過程にある親と子の葛藤がないので、いっそう純粋にやさしい。
 雪の上の幼樹の影、やわらかな小さな芽吹き、新緑の育ってゆく様子、日を浴びた葉のかがやき、花、熟さないまま落ちた実、金色の枯葉、再び雪の中に立つ姿、そして新しい季節の移り変わり、ぐんぐん育っていってたくさんの実を落とすまで、どの写真もみんなやさしい。
 文もしっとりと落ち着いた慈しみに満ちている。
 姉崎さんは植物写真家で、ぼくの友人で、昔参加していたナチュラリストの会の大先輩だ。年齢は一緒だが、自然についての知識、自然との接し方、ほかたくさんのことを教えてもらった。
 このブログの18/03/13の朝日連峰についての記事に書いた友人が姉崎さんだ。写真絵本も写真集もたくさん出していて、なかでも「はるにれ」、「ふたごの木」は名作だ。「はるにれ」はサンケイ児童出版文化賞を獲得している。
 なお、「くりばやし」はぜひおすすめだが、絵本雑誌のバックナンバーなので、ネットで入手してください。
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