すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

逃亡

2020-02-23 21:57:39 | つぶやき
別の生き方もあったのではなかろうかと
思ってみてもすでに生きてしまった分は
仕方がない

諍いの家庭から
喧噪の都会から
窒息しかかった社会から
逃げ出して辿る
山道

今日は体がだるい
心が重い

せめてもの幸いは終幕の青い空
白い頂

あそこから飛翔するのは
何時だろう
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窓辺

2020-02-04 09:46:56 | つぶやき
「ねえ
わたしを愛している?」
と あの人は何度も尋ねた
走る電車の窓辺で
日の当たらない部屋の窓辺で
戸田の漁港を見下ろす民宿の窓辺で
病室の窓辺でも

ぼくは「うん」と答えることが出来ず
そのたびに何かあいまいなことを言った
(なんと言ったかもう覚えていない)
あの人は哀しい思いをしたろう

「うん」と言うことに気後れしていただけではない
自分が本当にこの人を
愛していると言えるのかどうかわからなかった
だけではない

「アイシテイル」などという
そこらに飛びかっている 
どうとも解釈できる決まり言葉でなく
自分のその人に対する気持ちを
愛かどうかはわからないが鮮烈な気持ちを
どうすれば正確に伝えることが出来るのか
分からなかったのでもある

もう40年余も昔の話だ
あの部屋もあの漁港もあの病室も
もう辿り着くことはできないが
電車は同じ線を今も走る
窓から見える風景は違っていても
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