すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

ハイキング始め

2019-01-05 12:41:13 | 山歩き
 朝ご飯を食べて、まずストレッチをする。昨日まで3日間の怠惰な生活をきっちりと抜けだす決意だ。こわばっていた筋肉を伸ばし、ほぐす。痛・気持ちよい。ストレッチは、自分の体の点検でもある。うん、たぶん、年相応よりはぼくの体は柔らかい。
 今日(4日)は新年会を兼ねたのんびりハイクだ。大船駅で10時に山仲間三人と待ち合わせ、金沢八景行きのバスに乗り、光明寺で降り、住宅地を抜けて山道に入る。瀬上市民の森入り口から天園を経て北鎌倉の明月院までは4時間弱のコースだ。
 すぐに馬の背休憩所になり、直進もできるのだが、左に下って谷戸に出る。このあたりは3,40年ほど前、自然観察会で小中学生たちとよく来た懐かしい場所だ。そのころと変わらず、住宅地に近いとは思えない、ひっそりと静かな場所だ。
 いかにも淀んだ感じの瀬上池を右に見下ろして進み、昔は水田を作っていた跡だろうか、狭い棚田のような形の谷戸を詰め、登りにかかる。今日一番の急騰だ。息が上がる頃、円海山から天園に向かう尾根に出る。ここからはほとんど平らな散歩道だ。お年寄り夫婦やトレーニングの若者グループとすれ違い、挨拶をする。うららかに晴れた明るい青空で温かい。長袖と半そでの肌着の重ね着と薄手のシャツ一枚で十分だ。
 尾根の右下は住宅街が広がっているが、その向こう、真正面に富士山。その右に丹沢山系、左に箱根山系が見える。住宅街の奥の方に、かつて遊園地のシンボルだった多重の塔と、今日同行の友人二人の住む戸塚のドリームハイツが見える。
 右手の住宅街が切れ、横浜自然観察の森に変わる頃、左手に分岐した急な階段道を登ると、展望の良い大丸山だ。ここまで歩き始めから約1時間半。ここが横浜市最高地点だそうだ(167m)。広々とした展望地になっていて、眼下に八景島。その向こうに東京湾が広がっている。ちょうど12時。陽だまりのテーブルでお昼にする。
 ここから天園(大平山)までは1時間ほどだが、やや飽きる道だ。右手は、横浜霊園の広大な敷地が広がる。一体ここに何家族、何人が眠っているのだろう。尾根の直下ぎりぎりまで造成して、大地震が来たらどうなるのだろう。お墓参りも大変そうだ。ぼくたちもつい、田舎にある先祖代々の墓をどうするか、というような話をしながら歩く。
 天園の分岐から瑞泉寺に降りると初詣での人波に巻き込まれるので、道を続けて明月院に降りることにする。ここからはけっこうアップダウンのある、雨が降ったら滑りそうな岩場も多い道だ。ちょっとくたびれたなあと思うころ登り返して勝上ヶ嶽につく。
 眼下に建長寺の大伽藍、その向こうに由比ガ浜。湘南の海が光り輝いている。海の向こうの浄土を求めて補陀落渡海に漕ぎ出したくなるような輝きだ。左手の海の向こうに浮かぶのは房総半島だろうか。ここから見下ろした古(いにしえ)の人はあれが極楽浄土と思ったかもしれない。そういえば若き三代将軍実朝も鎌倉から船出しようとしたのだった。
 建長寺に降りると拝観料を取られるので、さらに道を続ける。いったん下って今泉台の住宅地に降りる道を分けると本日最後の急登に息を切らす。そのあと明月院の裏手に降りる。もう北鎌倉の駅はすぐだ。途中にある葉祥明美術館は、小さいながらも、彼の絵本が好きな人には必見のお勧めスポットだ。
 大船駅で降りる。老舗の「観音食堂」はお魚が美味しいのだが、正月休みだったので向かいの焼鳥屋に入る。ここはすごく安いのだが残念ながらおいしくはなかった。最近こういう店が多い。
 今年の山の計画をしたかったのだが、一人は百名山を目指していていちど登ったところは行きたがらないし、一人は同じところに何度も行くのが好きだし、一人は楽なところが好きだし…で結局、梅雨に入る前に甲武信ケ岳に登る、高山植物の美しい7月に白馬岳に登る、近いうちに雪のある低山に登る、ということだけ約束して別れた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする