すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

「なつかしき愛の歌」

2018-03-06 22:21:08 | 音楽の楽しみー歌
 フラット・マンドリンを弾きながら、部屋で歌をうたっている。ステージでライトを浴びながらお客様に聴いていただく歌ではないので、同じ曲を何度も何度も毎日練習、というのではなくて、昨日はフォークソング、一昨日は懐メロ歌謡曲…というような感じで気楽に歌っている。これがすごく楽しい。2時間ぐらいはすぐ経ってしまう。
 今日は、イギリス・アメリカ民謡を歌っていた。よく知られている、愛唱歌という類いの歌だ。ゆったりとした、メロディーの美しい、詩の心に沁みる歌の数々。
 例えば、中でもぼくの大好きな歌のひとつに、「なつかしき愛の歌」がある。1800年代後半に、アイルランド生まれのジェームス・モロイが作曲したもので、アイルランド移民がアメリカに伝え、西部開拓時代に大ヒットした曲だという。
 「大草原の小さな家」というTVドラマで日本でも知られているローラ・インガルス・ワイルダーの、ドラマの原作の中で(ドラマの中にそのシーンがあるかどうかは、見ていないのでわからない)、主人公のローラが成長して結婚して家を出る前の晩、一家の最後の団欒の時にお父さんに「ヴァイオリンを弾いて。知っているなつかしい歌を全部」と頼み、お父さんが数々の曲の中で最後に弾き語りしてくれるのがこの曲だ。
 ぼくには英語の歌は訳せないから、谷口由美子さんの岩波少年文庫の訳を引用させていただく。

 …それから、ヴァイオリンの音がいっそうやさしくあまくなり、とうさんの深い低い声が重なりあった。

 思い出のむこうのなつかしい日々
 あたりにかすみがぼうっとかかり
 夢の中からあたたかくわきあがる
 心にしみいる 古きやさしき愛の歌
 そして 灯火(ともしび)が光を投げるたそがれどき
 愛の歌は夢の中へと紡がれた

 たそがれの歌 明かりが落ちて
 ちらちらと影がやさしくゆれ動く
 胸の中は 日がな一日つらくても
 たそがれがくれば 歌がある
 古きやさしき愛の歌

 今日もまた 昔の愛の歌が聞こえてくる
 心にじんときて 思いがあふれてこぼれでる
 足どり重く とぼとぼ道をたどっていく
 でも 日が沈めばまた聞こえてくる
 薄暗い影が落ちて人生がおわるまで
 愛こそが なによりいちばんやさしい歌

 美しいメロディーをお伝え出来ないのが残念です。YouTubeで聴いてみてください。第一節と第三節は4拍子で、第二節は三拍子でいっそうゆっくりと歌われ、最後に第四節として繰り返されます。
 
(「大草原の小さな家」のシリーズは、前半の5冊は福音館文庫で、後半の5冊は岩波少年文庫で出版されています。)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする