toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「見えない星に耳を澄ませて」 香月夕花

2021年02月01日 | 読書日記
ミステリではないのに、全てがひっくり返る結末にはびっくり。

帯のコピーから想像していた内容とは全く違っていた。
音楽小説ではなく、音楽や音楽療法というのは物語の中で主要なキーワードだけど、物語のメインテーマではない。

音楽大学でピアノの勉強をしている主人公が、音楽療法の講義をとり音楽療法士のもとに実習に行くというストーリー。
ピアニストになるためにそれ以外の余計なことをして欲しくないと願う母親と無関心な父親。
家族の中で唯一の味方の兄。
大学の友人や行きつけの喫茶店の女主人。
それに音楽療法士の先生と、そこに通ってくる患者たち。
主人公を取り巻く彼等はみんな一癖あって、読んでいるだけで疲れてしまう。
でも結局は主人公に一番問題が有ったと言うことが最後に分かるけれど、それは別の話。。

ところで音大は(私立大学も?)、必須以外の余計な講義を選択すると授業料がその分追加でかかるのだろうか。

香月夕花は「水に立つ人」以来2冊目だけど、独特の世界を描く作家と言う印象。
工学部出身だからなのか?

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