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東京湾の漁師 東京湾海人の日記

青混ぜ海苔の達人のブログです。

干出

2006年10月05日 12時31分21秒 | Weblog

北東の風

沖合いまで行くと 大波です。
うねりの向こう側が波が高くて見えません。
この場所は 水深20メートルほどありまして ここまで来て
「今日は 来なければよかったかな。」と思ったりしたが来てしまった以上 干出を始めました。




海苔は いろんな 珪藻類と 競合しながら 成長してゆきます。
空中に干出されることで 珪藻は 死に絶え 海苔だけ生き残るのです。

海苔養殖は その性質を発揮できる 干潟漁場で始まりました。
干満の差を 利用して 干潮時には 海苔網が空中に出るように 張っておくと 芽が 出てきます。
けれども 雨だったり 風が吹いていたり 霧がかかったり コンスタントに 計算できる干出が 与えることができずに 失敗することが多いのです。
下の写真が そうです。
こうして どちらかというと 干出過多になり気味で ちょっと赤みがかった海苔になります。おいしさは抜群ですけどね。
今の出荷検査では 低い等級になりがちですが・・・・・・



そこで トップの写真のように 人工的に 干出できる施設が開発され 今日は 30分、明日は1時間と 必要なだけ 干出すると簡単に 海苔網ができます。
この装置のおかげで 水深の深いところでも 海苔養殖ができるようになり 日本全国に広まりました。このようの作られた 種網から採れる海苔は 黒くて艶のある海苔になりますが ・・・・・・




干潟の専売特許みたいな 海苔がどこでも 採る事ができるようになったのです。
私も 持ち網の30パーセントは この方法で 育苗しています。
計算して 干出させるので 失敗なく海苔網ができます。

干出して ほどなく 雨です。
そこそこに干しだして 帰ってきました。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんはです☆ (nontan)
2006-10-05 23:13:03
雨の中、干出お疲れ様です。

初めのお写真は波が高く寒そうです。

2枚目のお写真は失敗には見えませんが、赤みがかっていると失敗なんですね?

赤みがかった海苔は美味しくても黒い方が成功なのは黒い方が人気があるからなのでしょうか?



昨日、友人に海苔をおっそわけしましたら今日のお昼ご飯に海苔を巻いたおにぎりを持ってきていました。美味しそうに、ほおばっていたのですごく嬉しかったです。

明日は雨とのことですが浜に行かれるのでしょうか?無理せず頑張って下さい

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海を相手に・・・ (tamiko)
2006-10-05 23:43:53
凄いですね、ダイナミック!!

こんなに高く波の上に網を引き揚げて干出、凄い仕掛け、驚きです。

海苔って本当に手がかかりますね。天気や波を読み取ること、大自然を相手のお仕事は並大抵ではないことがよくわかります。



グーグルアースで東京湾を検索したら木更津、アクアラインが見えました。

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海苔の旨いわけ (おゆき)
2006-10-06 08:52:38
海苔が消費者の口に入るまでこんなに手がかかるなんて、この道40数年の海苔屋でも知りませんでした。本当にご苦労様です。



それにしても漁師さんも偉いですが海も偉大ですね。魚も貝も海苔も同じ海の栄養で育つのですから。海苔の旨み成分はグルタミン酸と聞きました。あの味の素の自然の味ですね。赤めの海苔は焼き色はイマイチですが旨さは抜群です。柔らかいし。

又、台風が近づいてる気配ですがどうぞ気をつけてください。
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お返事です (東京湾海人)
2006-10-06 20:17:30
nontanさん

こちらも 嬉しいですよね。

こうして あげる海苔は 生産者履歴がはっきりしていて 作った人が食べる人を知るわけですから とてもいいことです。

tamikoさん

グーグルアースでは 私の家を見ることも 私の船を見ることも かろうじて できますよ。笑っちゃいました。

おゆきさん

ものすごい 雨と風でした。

まだまだ 収まりそうにありません。

海苔をしていると 心配ばかりです。
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