「両性の合意」について

　　日本国憲法では、結婚は「両性の合意」。合意の内容については何も書かれていないわけである。例えば、和歌山殺人事件。犯人の女がした殺人は違法だが、その結婚自体は合法である。二人の意思がどんなにエゴや邪悪でも、性欲求めでも、法的には問題がないわけである。帝国憲法は親の同意が盛り込まれていたが、基本的には同じ。世界各国の憲法もそうである。

　　無論、だからと言って、憲法や法を否定する事にはならない。法は大切だが、人間一人一人の心はもっと大切である事を以上の事件例は示している。法律的な結婚も強い結びつきでない事も。心から、結婚の醍醐味である愛が生まれるわけである。今増えている高齢者の恋愛問題のヒントになるかもしれない。また、結婚に至らない恋愛も世間は大いに評価して良いと思う。愛がなくても結婚が成立するならば、かつて多かった結婚至上主義やマイホーム主義も価値は低いものかも知れない。

　　和歌山殺人事件を考えていき、以上に気が付き、皮肉に思ったわけである。個人的な事だが、中学・高校時代、社会の事を皮肉っぽく、面白く教えてくれた社会科の先生を思い出した。今、法律の講義をすれば、以上の事も話すだろう。