人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

大友直人 ✕ 森麻季+福原寿美枝ほか ✕ 東京交響楽団 ✕ ミナトシティ・コーラスで ヴェルディ「レクイエム」を聴く ~ ヴェルディの意図通りの演奏=第27回Kissポート クラシックコンサート

2018年10月24日 07時26分21秒 | 日記

23日(火)。わが家に来てから今日で1482日目を迎え、トランプ米大統領は22日、大型減税の第2弾として中間所得層の家計を対象に「10%程度の所得税率の引き下げを打ち出す」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     財政赤字拡大が分かっていてやるのは 11月の中間選挙狙いとしか考えられないな

 

  昨日は、娘も私も外食だったので、夕食作りはお休みしました   

 

         

 

昨夕、サントリーホールで「第27回Kissポート クラシックコンサート」を聴きました プログラムはヴェルディ「レクイエム」です 出演は、ソプラノ=森麻季、アルト=福原寿美枝、テノール=吉田浩之、バリトン=岡昭宏、管弦楽=東京交響楽団、合唱=ミナトシティ・コーラス、指揮=大友直人です

1868年、ロッシーニの死に際して13人のイタリアの作曲家による「レクイエム」合作の企画があり、ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)は最後の部分「われを解き放ちたまえ」を作曲しましたが、最終的にこの企画は頓挫し演奏の機会を得られませんでした   1873年、ヴェルディは敬愛する詩人・小説家のマンゾーニの死を追悼して、9月半ばから翌年4月半ばにかけて他の部分を完成、作品はマンゾーニの一周忌の1874年5月22日にミラノの聖マルコ教会で120名の合唱と100名の選抜オーケストラにより初演され 大成功を納めました

 

 

     

 

ヴェルディ「レクイエム」は次の通り大きく7つの部分から成ります

第1曲:レクイエムとキリエ=四重唱と合唱

第2曲:怒りの日(ディエス・イレ)=四重唱と合唱:「怒りの日」「ラッパは驚くべき音を」「死は驚く」「すべてが書き記されている書が」「哀れな私」「威厳のある王よ」「思い出してください」「私は嘆き苦しみ」「呪われた者は退けられて」「涙の日」の10曲から成る。

第3曲:オッフェルトリオ(奉納唱)=四重唱

第4曲:サンクトゥス(聖なるかな)=二重唱によるフーガ

第5曲:アニュス・デイ(神の子羊)=二重唱と合唱

第6曲:ルクス・エテルナ(永遠の光)=三人のソリストが死者を照らす永遠の光を願う

第7曲:リベラ・メ(解き放ちたまえ)=ソプラノ独唱と合唱

 

     

 

自席は1階20列27番、センターブロック右通路側です。会場はほぼ満席です

P席にミナトシティコーラスの男女混声合唱約190名がスタンバイします 中央の男声を左右の女声が挟む形で配置され、男女比は ほぼほぼ1対2です 男声が少ないのはアマチュア・コーラスの宿命でしょうか

オケはいつもの東響の並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスはグレヴ・二キティンです

ソリスト4人と指揮者・大友直人氏が登場し早速演奏に入ります 静かな「レクイエム」に続いて、「怒りの日」が激しい和音の連打に導かれ合唱によって力強く歌われます。このテーマは「レクイエム」の中で最も有名なドラマティックな音楽ですが、この後、クイド・スム・ミゼルの前、ラクリモサの前、リベラ・メの後の3回登場し、長い「レクイエム」にアクセントを付けます 「怒りの日」の後の「ラッパは驚くべき音を」では、ステージ左右上方席に陣取ったバンダ(トランペット各2本)が華々しくファンファーレを演奏します

歌手陣は4人とも好調で、とくに女性の二人が素晴らしかった ソプラノとメゾ・ソプラノの二重唱が何度か聴かれますが、透明感のある森麻季さんと深みのある艶やかな福原寿美枝さんのデュオは息もピッタリで、見事に調和していました 森麻季さんは聴くたびに良くなっているように思います 福原寿美枝さんは初めて聴きますが、こんなに素晴らしいメゾがいたのかとびっくりしたくらいです

テノールの吉田浩之さんはベテランの域だと思いますが、声が良く通っていました 岡昭宏さんは数々のコンクールで入賞歴がある通り、魅力のバリトンでした

ミナトシティコーラスの皆さんは、アマチュア合唱団としては大健闘でした。「怒りの日」の力強い合唱は迫力満点でした

大友直人✕東京交響楽団はしっかり歌手陣と合唱を支え、約80分間を弛緩することなく演奏し遂げました

さて、ヴェルディの「レクイエム」は、初演当時から「あまりにもイタリア・オペラ的だ」「ドラマティック過ぎる」「教会に相応しくない」といった批判にさらされてきました これについてヴェルディは、初演に先立つ1874年4月26日、楽譜出版社のリコルディに宛てた書簡に「このミサ曲をオペラと同じように歌ってはいけません。オペラでは効果があるかも知れない音声装飾はここでは私の趣味ではないのです」と記しています 

この日の4人の独唱と合唱を聴いていて感じたのは、大友氏はヴェルディのこの言葉の重みを歌手や合唱に伝え、ヴェルディの意思に沿って 装飾を排して歌うように要請したのではないか、ということです ソロも、二重唱も、四重唱も、合唱も、私にはオペラのようには聴こえませんでした 大友氏は「レクイエム」を 「死者のためのミサ曲」の意味を意識して歌うように求めたのではないか、と思いました

 

     

コメント
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