人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

中国からも支援が~東日本大地震へ義援金

2011年03月25日 21時42分54秒 | 日記
25日(金)その2.今朝の朝日新聞国際面の「世界から被災地へ」のコーナーに「札束、スーツケースで」の見出しが踊った。内容は「お札の詰まったスーツケースが上海の日本総領事館に何回か届けられた。送り主は中国企業60数社と中国従業員の有志とのこと。24日時点で合計443万元(約5500万円)に達したという。記事によると、義援金を呼びかけた喜天国際貿易の童中平会長は「四川大地震では日本が真っ先に支援してくれた。今度は我々の番だ」と語っている。現金をスーツケースに詰めて運んでくるところなど、いかにも中国らしいではないか。恩返ししたいという気持ちがストレートに伝わってきて、とても嬉しい気持ちになる。

正直言って国としての中国は嫌いだ。強大な軍事力を背景に領土・領海を拡張していこうとする覇権主義的な姿勢が許せない。著作権の概念がまったく無いに等しいのも許せない。しかし、民間レベルでは、一人一人の国民は今回のケースのように気持ちのいい人たちが多いに違いない。「困った時はお互い様」・・・世界共通の合言葉だ。

中国といえば4日のブログで記者クラブ試写会の内容を紹介した中国映画「唐山大地震」が、11日の東北太平洋沖大地震の影響で興行中止となっている。実際に観た上で言わせてもらえば、こういう時だからこそ観るべき映画ではないかと思う。実に感動的な映画だ。1日も早い再開を切に望む。
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苦悩から歓喜へ。届け被災地へ~新日本フィル・コンサート挙行

2011年03月25日 01時22分19秒 | 日記
25日(金)。昨夕、池袋の東京芸術劇場で新日本フィルのコンサートが小泉和裕指揮により予定通り挙行された。演奏曲目は①ベートーベン「エグモント序曲」②グリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」③ショスタコービィチ「交響曲第5番ニ短調」の3曲。ピアノは今川映美子。

開演に先立って(社)日本演奏連名の伊藤京子代表が「現在のような大震災の影響下でコンサートなど開くのは不謹慎だとの批判もあるが、私たち音楽家に出来ることは音楽しかない。被災者のご冥福を祈りつつ、演奏会を開くこととした。ロビーに義援金の募金箱を置くのでご協力願いたい」と挨拶。オーケストラ楽団員、観客全員で地震災害死亡者に黙祷を捧げた。そして、小泉のタクトが振り下ろされた。

ベートーベンの付随音楽「エグモント」序曲というと、戦争直後、建物の廃墟前でチェルビダッケがベルリン・フィルを振った狂気迫る映像を想い出す。短い曲だがベートーベンらしい力強い推進力を感じさせる音楽だ。

ところで、いつもは1階席後方で聴くのが常だが、今回は2階右翼席で下を見下ろす形で観て聴いたため、初めての発見があった。それは小泉和裕の指揮法の特徴だ。彼は足を固定して指揮をする。足に根が生えたように床に密着させ、膝から上で指揮をする。その代わり両腕の振りは雄弁だ。団員には指示が分かり易いのではないか。

グリーグのピアノ協奏曲は生で何度か聴いたことがあるが、ピアニストの今川映美子はやや優等生的な感じがする。ピアノに集中するのはいいが、ずっと下を向いたままで、いわゆる”華”がない。もっとアピールしてもいいのではないか。ただ、第2楽章「アダージョ」は聴かせた。

休憩後はメインのショスタコービィチだが、指揮台で小泉和裕がマイクを取り、「今回の地震で被災し死亡された方々のご冥福を祈る。この第5番はベートーベンの第5番”運命”と同じように”苦悩から歓喜へ”というテーマが表されている。この会場から被災地に音楽は届かないかも知れないが、心を込めて被災地に届けるつもりで精一杯演奏したい」と語り、会場の喝采を浴び、オケに対峙して第1楽章に入った。入魂の演奏といったらいいのか。

小泉和裕の指揮ぶりはカラヤンの指揮を想像させる。彼が第3回カラヤン国際指揮者コンクールに第1位入賞したことと無関係ではないような気がする。もちろんカラヤンは目を瞑ってゆったりと構え、包み込むような指揮をするのに対し、小泉はキレはあるが大振りであるので、違うと言えば違うのだが、一瞬一瞬の構えがカラヤンそっくりなのだ。

帰りがけにロビーに設置された募金箱に、ささやかながら募金をさせてもらった。今日の演奏家たちの想いが、それを聴くために会場に集った観客の想いが被災地に届けばいい、と思う。





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