なぐも 友美公式ブログ~皆さまとの出会いに感謝!

「にいがた県内専用バスガイド」「観光ガイドタクシー運転手」日々のお仕事やプライベートの日記をお届けします♪

準備量=お客さま満足度 最終回

2012年06月14日 | なぐも友美とは?
自社商品のバスツアー「奥日光湯本温泉と日光東照宮の旅」

バスセンターには、沢山のお客さま。私が担当する観光バスも満席だ。

「全員さまお揃いです。」ドライバーに発車!の合図を出す。


昔の車掌さんのように「発車!オーライ!」こそ言わないが、ガイド付きの観光バスの場合は、今でもガイドが発車!の合図を出すまで、バスは出発しない。


いつもの私の場合のネタと距離の割合はこんな感じ。(あくまでダメガイドの私の場合です!)
私のネタ帳<<<観光地までの距離(時間)
ものすごい割合でネタが足りない。

バスが出発してからは、いかに距離を稼ぐかに神経を集中させる。
そう、だって当時の私のモットーは「最小の努力(準備)で最大の効果(お客さま満足度)を上げる」ことだから。


距離を稼ぐためにやっていたこと その①
「発車してからすぐにご案内し始めない」
バスセンターを出発し、できるだけ距離を稼いでからセンター(バスガイドが車内でご案内をするときに通常立つ位置)に立つ。盛り上げなくてはいけない車内を盛り下げるくらい間延びしてからのタイミングで第一声。

ニコニコしながら、「皆さまおはようございます」
~~おや?お客さまの反応がいつもと違う~~
センターに立っただけで、パチパチパチパチ拍手。今日のお客さまノリがいいなぁ~
歌手がコンサートの時間を定刻からわざと5分くらい遅らせて登場することで、ファンのわくわく感をさかなでることがある。同じように、間延びするどころか、この時はかえって、お客さまのテンションが上がっていた。
第一印象のつかみはOK!距離を稼ぐためにやったことが功を奏した。


距離を稼ぐためにやっていたこと②
「できるかぎりゆ~っくりご案内をする」
「本日は自社商品のバスツアーにご参加いただきましてありがとうございます。」「ご一緒させていただきますわたくしども乗務員、ドライバー○○、ガイドのわたくしなぐも友美でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。」「本日のコースについてご案内いたします。」
このマニュアル通りのご案内で、20キロの距離は稼ぐことにしよう!
第一印象がよかったので、お客さまはよく話を聞いてくださる。
しかも、栃木のフレッシュなネタがあるので、十二分に肉付けされたコース案内ができるようになり、これから起こることをわくわくさせたようだった。


マニュアルからいくと次は…季節の話題をすることになっている。

距離を稼ぐためやっていたこと③
「季節の話を長々続ける」
通常、旬の話題と言えば、今だと「金管日食ご覧になりましたか?私は見ました」とか「新潟県も梅雨入りしましたね。私は先日トマトを植えたので雨が待ち遠しいです」などの程度。そこから、お客さまとの会話が盛り上がれば続けてもよいが、そんなに長く時間が持つものでもない。
それでも私は、ネタがないからここを何とか絞り出すようにして長々ときせつの話題を続けるのだ。
準備してきたネタは全部使い果たさないと。

「秋ですね~今の旬といえば、お米です」
「その他に秋の魅力といえば、梨です。」
「他にも秋と言えば、さんまですよね!」会話に参加していただけるようにしつこく話しかける。が、ほとんどのお客さまがきせつの話どころでなく気絶状態だ。
ここまでで、トータル80キロは稼ぎたい!
新潟市内を出発すると、関越自動車道の越後川口インターくらいまではしつこく続けた。
これは、かなり盛り下げた・・・お客さまの反応ってのは顕著だ。


それでも、栃木に入ると私に変化が。
今までにないくらい、ご案内の言葉がスースーでる。でる。でる。
見る見るうちに、お客さまが一転。しっかりご案内を聞いてくれる。一体感が生まれる。
ドライバーまで、いつになく優しい。

ドライバーにマイクのコードを抜かれたことがある。
お客さまの方を向いて、マイクでご案内をしていると突然マイクが音を拾わなくなる。
あれ?どうしたのかな?と思って、また、コードを差し込み口に差し込んでご案内をしたことがあった。
車内が、あまりにも盛り上がらないものだからドライバーが怒ったのだった。
車内が盛り上がるとドライバーも嬉しいなんて、知らなかった。


ドライバーと気まずい雰囲気にならないストレスの軽さが
さらに、私のご案内言葉がスースーでることにつながって、
別れ際は、「ガイドさんとこれでお別れなんて寂しい」という賞賛のご意見を初めて頂戴した。
1泊2日の旅行は大成功に終わった。


ガイドの仕事の楽しさと言うのは
準備量=お客さま満足度

たくさん努力しても、満足いく効果が出ない職業が多い中で
たくさん準備や努力をすれば、それと同じ量の満足度が得られる最高の仕事だと言いきれる。
そのことを初めて味わった乗務だった。

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2 コメント

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運転手さん (ぱにくり母)
2012-06-14 21:13:13
昔(今の歳の半分くらい、苦笑)乗ったバスのガイドさんが新人さんだったことがありました。
ガイドも怪しく、地元の民謡の音程もかなりヤバい状態でした。
そうしたらば、ガイドさんのことが気になって仕方なかったのでしょう、バスの運転手さんなんと道を間違ってしまいました!!

お客さんも不安を感じてましたが、運転手さんはもっと心配だったようです。

ガイドさんの顔は忘れてしまいましたが(九州旅行なのでなぐもさんではないので安心してください)、間違って行ってしまった田舎道の風景は忘れられません。
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ぱにくり母さま (なぐも友美)
2012-06-15 17:43:09
いつもありがとうございます。
 あはは~笑っちゃいました!って私が笑えない立場ですけど(苦笑)
運転手さんも気が気じゃなかったのでしょうね、、、でも、どちらにしてもお互いを助けられないのに、お仕事のパートナーって大事ですね。

お客さまに忘れられない旅の思い出になるなんて、ガイドとしては本望ですねぇ(笑)
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