tomitaikyoブログ

富退教(富山県退職教職員協議会)事務局からの情報発信です。会員の親睦を中心に教育現場への支援など様々な活動をしています。

何の能力測るか漠然 ~全国学力テストの問題点~

2020年05月17日 | 日記

 今日(5/17)の北日本新聞8面にあった見出しのような記事が気になりました。記事は福岡教育大の川口俊明准教授に取材した内容。現場の教員が漠然と感じていたようなことを指摘していました。
 それは、記事の見出しにあるように「何の能力測るか漠然としている」との指摘。そもそも教育行政に生かす「政策のためのテスト」という側面と、学校の指導に生かす「指導のためのテスト」という側面があったようですが、川口准教授によるとどちらの側面からも中途半端なテストになっているとのこと。
現場の教員には「指導のためのテスト」ということでテスト結果を指導に生かすということが強調されていました。しかしながら、多忙をきわめる教員にはテスト結果を生かす時間的余裕は無く、結果的に学力の順位ばかりが一人歩きして自治体間の競争を煽っているようにしか見えなかったのが事実です。ましてや、学校とそこにいた教員の指導力とテスト結果を結びつけて学校評価や教員評価に結びつけようという考え方には、テストは全く有害無益と感じていたものです。
 記事の中で、~(テストの)正答率を各学校の教育の質とみなしがちだが、本当にそうか?~と指摘し、学力テストの正答率と就学援助率(家庭の経済的問題)との間に明らかな相関があるとの川口准教授の指摘は重要です。やはり、今日的に問題になっている「(経済格差による)教育格差」などが最も切実な問題なのです。
 今年度、コロナ禍のために学力テストは中止になりましたが、これを機に川口准教授が訴えるように「政策のためのテスト」という面に力を入れて、日本の教育政策を立案するための明確なエビデンス(裏付け)を集めるテストの方向へと舵を切ってほしいと思います。(土)


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