これは、文春新書「池上彰・佐藤優」共同著作のタイトルです。正式なタイトル名は、「知らなきゃよかった~予測不能時代の新・情報術~」と、あります。
池上彰氏の冒頭文「はじめに」の中では、タイトル名の由来に始まって、国際情勢の問題点が紹介されています。中でも、トランプ米大統領が現在、世界の自由貿易体制を破壊しようとしていることに係わって、過去の歴史を紹介している一文に囚われてしまいました。従って、この本を購入した次第。
その一文とは次の通り・・・「1929年に起きたニューヨークの株価暴落によって始まったアメリカの不況は、アメリカが自国産業を守るために高関税をかけたことから世界各国の報復関税を招き、世界恐慌に発展しました。」と、あったのです。続けて、「戦後の国際秩序の破壊は、第三次世界大戦を招きかねません。」とまで述べています。
読み進めるうちに、世界はやはり危険な雰囲気になりつつあるということが、改めて認識できました。
著作は、2人の対談を本に起こしたものですが、佐藤優氏が文中で、「独裁傾向が国際的に強まっていることは注意が必要」と指摘していることには同感でした。さらに、そのような事例を挙げて、「国際情勢がきわめて流動的になって変化が激しくなったから、民主主義的な手続きによる時間のコストに政治が耐えられなくなっているということなんです。だから、独裁的な傾向がどんどん高まっている。」と語っています。このことも大変納得できます。
現在、安倍首相もどんどん独裁的な傾向を強めようとしています・・・。いや、もう既に独裁と呼んでもいいかもしれません。結果的に、民主主義的な手続きがかなりおろそかになってきていることに不安が拭えないのです。(土)