tomitaikyoブログ

富退教(富山県退職教職員協議会)事務局からの情報発信です。会員の親睦を中心に教育現場への支援など様々な活動をしています。

※番外編・・・もう一度考える

2018年09月04日 | 日記

 これは大変個人的ですが、新採として勤めた富山市立豊田小学校にて6年生を担任し取り組んだ国語の教材のタイトル名。子供と共に自身も覚醒したので未だによく覚えているのです。当時は国語の研究校として名を馳せた学校でもあり大変真剣に取り組んだ授業でした。「もう一度考える」は亀井勝一郎の小文。6年生に相応しい教材だったと思います。今でも書き出しを覚えています。 ~「同感できても、もう一度考えるがいい。同感できなくても、もう一度考えるがいい。」―これは、中国の古い書物に出てくる言葉である。~ と、このようにありました。ついでに結びの一文を記すと、 ~「簡単な賛成と、簡単な反対とは、どちらも無責任の表れである。」~ と、あったのです。(民主主義の根幹を説く文章でした。)

 このことを改めて思い出させてくれたのが、先日読み終えた「佐高信の昭和史※佐高信著(角川ソフィア文庫)」です。実に面白かったのです。文庫なので解説付きで、菅官房長官にしつこく食い下がって有名になった望月衣塑子さん(東京新聞記者)の執筆です。これもこの本の価値を高め、佐高信氏の言わんとすることを私の頭に定着させてくれました。文庫の帯には、~「常識」を疑うー。その重要性を教えてくれます。~ と、このように付けてありました。解説の望月さんの記述を敢えて引用すれば、 ~佐高さんが本書の中で推奨する「『常識』を疑うこと」が最も大切です。序章の中で、現在の戦前とよく似た状況だと指摘した上で、「だまされない人になろう」と語りかけています。そのための手段とは、「知ること、疑問を持つこと、複眼でとらえる習慣をつけること」を挙げています。 ~ 個人的にもこのような佐高氏の本文を引用したい箇所はたくさんあり、そして、深く考えさせられることがたくさんあったのです。安倍晋三首相の批判にも共感しながら、改めて「民主主義政治の本来の在り方を大切にしなければならない。」と、新採時代に覚醒した自分を懐かしく思い出したのでした。

 今の自民党国会議員の多くに、「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」とばかりに安倍首相に擦り寄る姿ばかりが目立ち情けないなぁと、部外者なのに余計な感想をもってしまいます。そして、このような自民党に国を任せるとなると、未来の子どもたちが可哀想に思えてきます。(土)