にゃんこな日々

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【映画】『スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話』

2020年09月14日 | MOVIE
『スペシャルズ! 
   政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話』Hors normes(2019年/仏)
監督:エリック・トレダノ。オリビエ・ナカシュ。
出演:ヴァンサン・カッセル。レダ・カテブ。

自閉症ケア施設「正義の声」を運営するブリュノ。彼はどんな問題を抱えていても断らないため、施設の部屋は満室。施設外の子のケアもしているため毎日大忙しの日々を送っていたが、無認可で赤字経営の「正義の声」に政府の監査が入ることになる。それでもいつもの「何とかする」の口癖だけで事態は改善されることはなく、新たに病院から依頼された重度の自閉症児であるヴァランタンの症状を改善させるための外出の仕事を受けることに。そのスタッフをブリュノは「寄港」というドロップアウトした若者たちを支援員として就労させる訓練施設を運営している友人マリクに依頼。マリクは入ったばかりで遅刻の多い問題児であるディランをヴァランタンの担当につける。ディランとヴァランタンの距離が縮まってきたある日、事件は起こってしまう。

しかしこの邦題は一体なんなんだろう?長いよ。映画の内容をわかりやすく・・・の意図なのかな?予告みるとコメディっぽい感じだからコメディだと思われると困るとでも思ったのか?
原題の「Hors normes」は規格外という意味だそうです。確かに「正義の声」は規格外だ。普通のアパートを施設にしていて他の階には施設は全く関係のない住人がいる。一部屋に入れられるだけのベッドを入れて入居者数を増やして、スタッフはほとんどが無資格。まあ施設自体が無認可なんですが・・・。でも「正義の声」という施設名がすべてを物語っているような気がする。この映画の中でも描かれていましたが、病院に入れられて閉じ込められる。他害、自傷をおさえるために投薬する。でもそれでは何も解決しない。かと言ってちゃんと解決しようとするとすごい労力がいるんですよね。それは規格外の「正義の声」だから出来ているという描き方がうまいです。そして自閉症児たちがすべてリアルで、すごいなぁって思ってみていたら、みんな俳優ではなく実際に自閉症の人たちだとか・・・そらリアルだ。電車に乗っては非常ベルを押してしまい駅員に捕らえられてしまうジョゼフも俳優ではなく素人の自閉症の人で、ヴァランタン役もオーディションで選ばれた子で彼には深刻な自閉症の弟がいるとのことで、間近で接しているからか、素人とは思えないリアルな演技です。いろいろ考えさせられるところはありますが、コメディタッチでいい感じに力が抜けているのがいいです。そういえば「最強のふたり」も見事にコメディしてたな。

-2020.9.14 TOHOシネマズなんば-