『恋人たち』(2015年/日本)
監督:橋口亮輔。
出演:篠原篤。成嶋瞳子。池田良。山中聡。光石研。
3年前、妻を通り魔殺人で亡くしたアツシは、橋梁点検の仕事はしているものの拭えない喪失感を抱え無気力な日々を送っていた。夫と姑と暮らす瞳子は、代わり映えのしない毎日をただ淡々と過ごしていた。ただのビジネスと割り切った感じで日々相談者と接する弁護士の四ノ宮。そんな彼らの日常がふとしたことがきっかけで変わっていく。
この先、ネタバレになります。
ま、この作品ネタバレしないと感想書けないんですけどね(笑)。
なんだかこの作品やたらと評判がいいので、気になっていたんですが、ちょうどアンコール上映されていたので観てきました。うーん・・・。なんだかなぁ~というのが私の感想(笑)。いや、メインのアツシの物語はすごくよかった。殺された嫁の姉の独白にも心かき乱された。そして彼が働く会社の社長黒田がいいんですよ。妻を殺した男の判決が出たとき、そのあまりの理不尽な結果に自暴自棄になり仕事場へも現れなくなったアツシの元を訪れ淡々と「殺しちゃダメだよ。・・・だってこうしてあなたと話せなくなるでしょ。僕はもっとあなたと話したいよ」って・・・ここウルウルきちゃいました。彼を思う人の気持ちが彼を支える。この社長役の黒田大輔さん。いいですわ。なんでも「天皇の料理番」というドラマではすごく憎たらしい役で話題になった人らしいんですが、この作品では柔和な笑みを常に湛える隻腕の、この作品の中のなんだか訳わかんなかったり気分悪かったりする登場人物の中で唯一素敵な人を演じてらっしゃいます。彼が隻腕であることが彼のあの柔和な笑みの理由なのかな・・・と思ってたら昔皇居にロケット打ち込んで吹っ飛ばすつもりが自分の腕吹っ飛ばしちゃったって。なんかこの理由に納得。過激派を肯定するつもりはないですけどね、でも何か世の中に不満を持ち、世の中の理不尽に憤り、この世の中を変えるんだ!なんて大きなこと考えて行動していた彼が腕を失くしたことで、もう一つこの作品の中にパートを作れるくらいの物語があって、今目の前にいる人々が幸せに暮らしてくれるといいななんて境地に至ったんじゃないだろうか?と私は思ったんですよね。だから彼がアツシに係ることで、アツシがまたちゃんと生きようとするこのパートの物語はすごく好きだ。私はもうこれだけでいい(笑)。一番訳わかんなかったのはあの主婦。なーんにも読み取れなかった。ま、あのパートに出てくる人たちみんな私は絶対に付き合わないだろうなって人たちでしたが。弁護士のパートは可もなく不可もなく「ふーん」って感じだったのですが、あの息子にいたずらしたとかなんとか・・・あれってあの友人の嫁がわざと言ったんじゃないのかな?って私思ってるんですが。感想いろいろ見ましたがそう思っている人はいないようで。まずあの病院で四ノ宮の恋人がやってきたときにあの嫁ニコ~って笑ったじゃないですか、あれで、きっとあのあとあの彼にコナかけてゲイで彼の恋人だってわかって、「うきゃ~」「うきー!」ってなって旦那が危ない、あんな奴と付き合いさせたくない、したくない。で、息子がいたずらされそうになったという話作ってシャットアウト。と思うとね、あの四ノ宮が決して悪いことしてる訳じゃないけど、相手のこと考えないで自分のことだけ考えて行動してたことに対して、される側にまわった結果という面白い流れだなぁ~とより納得がいくんですよね。ま、どうとってどう楽しむかってのは観客の特権ですから、これはこれでありだよね(笑)。決して悪い作品ではない。でも絶賛するほとでもない。あの主婦のパートがなければ私はよかったかな・・・というのが私の総評です(笑)。
-2016.1.25 テアトル梅田-
監督:橋口亮輔。
出演:篠原篤。成嶋瞳子。池田良。山中聡。光石研。
3年前、妻を通り魔殺人で亡くしたアツシは、橋梁点検の仕事はしているものの拭えない喪失感を抱え無気力な日々を送っていた。夫と姑と暮らす瞳子は、代わり映えのしない毎日をただ淡々と過ごしていた。ただのビジネスと割り切った感じで日々相談者と接する弁護士の四ノ宮。そんな彼らの日常がふとしたことがきっかけで変わっていく。
この先、ネタバレになります。
ま、この作品ネタバレしないと感想書けないんですけどね(笑)。
なんだかこの作品やたらと評判がいいので、気になっていたんですが、ちょうどアンコール上映されていたので観てきました。うーん・・・。なんだかなぁ~というのが私の感想(笑)。いや、メインのアツシの物語はすごくよかった。殺された嫁の姉の独白にも心かき乱された。そして彼が働く会社の社長黒田がいいんですよ。妻を殺した男の判決が出たとき、そのあまりの理不尽な結果に自暴自棄になり仕事場へも現れなくなったアツシの元を訪れ淡々と「殺しちゃダメだよ。・・・だってこうしてあなたと話せなくなるでしょ。僕はもっとあなたと話したいよ」って・・・ここウルウルきちゃいました。彼を思う人の気持ちが彼を支える。この社長役の黒田大輔さん。いいですわ。なんでも「天皇の料理番」というドラマではすごく憎たらしい役で話題になった人らしいんですが、この作品では柔和な笑みを常に湛える隻腕の、この作品の中のなんだか訳わかんなかったり気分悪かったりする登場人物の中で唯一素敵な人を演じてらっしゃいます。彼が隻腕であることが彼のあの柔和な笑みの理由なのかな・・・と思ってたら昔皇居にロケット打ち込んで吹っ飛ばすつもりが自分の腕吹っ飛ばしちゃったって。なんかこの理由に納得。過激派を肯定するつもりはないですけどね、でも何か世の中に不満を持ち、世の中の理不尽に憤り、この世の中を変えるんだ!なんて大きなこと考えて行動していた彼が腕を失くしたことで、もう一つこの作品の中にパートを作れるくらいの物語があって、今目の前にいる人々が幸せに暮らしてくれるといいななんて境地に至ったんじゃないだろうか?と私は思ったんですよね。だから彼がアツシに係ることで、アツシがまたちゃんと生きようとするこのパートの物語はすごく好きだ。私はもうこれだけでいい(笑)。一番訳わかんなかったのはあの主婦。なーんにも読み取れなかった。ま、あのパートに出てくる人たちみんな私は絶対に付き合わないだろうなって人たちでしたが。弁護士のパートは可もなく不可もなく「ふーん」って感じだったのですが、あの息子にいたずらしたとかなんとか・・・あれってあの友人の嫁がわざと言ったんじゃないのかな?って私思ってるんですが。感想いろいろ見ましたがそう思っている人はいないようで。まずあの病院で四ノ宮の恋人がやってきたときにあの嫁ニコ~って笑ったじゃないですか、あれで、きっとあのあとあの彼にコナかけてゲイで彼の恋人だってわかって、「うきゃ~」「うきー!」ってなって旦那が危ない、あんな奴と付き合いさせたくない、したくない。で、息子がいたずらされそうになったという話作ってシャットアウト。と思うとね、あの四ノ宮が決して悪いことしてる訳じゃないけど、相手のこと考えないで自分のことだけ考えて行動してたことに対して、される側にまわった結果という面白い流れだなぁ~とより納得がいくんですよね。ま、どうとってどう楽しむかってのは観客の特権ですから、これはこれでありだよね(笑)。決して悪い作品ではない。でも絶賛するほとでもない。あの主婦のパートがなければ私はよかったかな・・・というのが私の総評です(笑)。
-2016.1.25 テアトル梅田-