にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『座頭市血煙り街道』

2007年07月21日 | MOVIE
『座頭市血煙り街道』(1967年/大映)
監督:三隅研次。
出演:勝新太郎。近衛十四郎。高田美和。朝丘雪路。伊藤孝雄。

市はたまたま宿で相部屋になった母子の、病んだ母親の死に目に立ち会う。そしてその母は死に際に、息子の良吉を前原にいる良吉の父親庄吉のもとへ連れて行って欲しいと頼まれる。途中、旅の一座と知り合い道中を共にする市は、そこで一人の浪人赤塚多十郎と知り合う。その後、前原宿へとたどり着いた市は、庄吉が働いていたという窯へ行くが、庄吉は一年ほど前から行方知れずだという。庄吉はやくざの権造一家の賭場に出入りしていたと聞いた市は権造一家を当たるが、そこで市は、再び赤塚と出会う。彼もまた何かを探っていたのだった。やがて市は庄吉が権造の手により軟禁されていることを知り、彼を助け出そうとするが・・・。

座頭市シリーズの中の傑作のひとつらしい。しかし、まぁこの良吉ってガキがなんとも言えず憎らしいんだ(笑)。その憎らしさがまた、かわいくもあるんですけどね。で、この生意気で憎らしいガキと市との関係がいいんだ。市に意地悪したり、わがまま言ったりしながらも、良吉が市に母親の絵だと渡した絵が、市の似顔絵だったというシーンに生意気でかわいげのない良吉の本心が表れていて、うまいなぁ~って思う。そしてその絵を見た庄吉は庄吉で、これはあなただとは言わずに、懐にその絵をしまうんだけど、ここにまた、父親としての嫉妬があるようで、短くさりげないシーンに大きな心の動きを描いていてすごくいい。こういうの三隅監督って上手いですよねぇ。
そしてこの作品の一番の見どころは、勝さんと近衛さんの決闘シーンなんですが、これはホントにマジすごい。時代劇史上屈指の名勝負と言われるのも大きく納得です。日本一の剣劇役者近衛十四郎に真っ向勝負の勝新太郎。もうすごい迫力です。早いし、重厚だし。もうこういう殺陣は二度と出来ないと言われるのも当たり前ですね。
近衛さんの使う刀は他の人のモノより長いと言うのは聞いていたんですが、今まであまり気付かなかったんですよね。ところが、この作品ではその長さがすごくよくわかる。それだけ真剣勝負のリアリティがあるからでしょうね。
それにしてもこの作品の近衛さんかっこいいわぁ。

-2007.7.19 CATV録画-