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今日の筆洗

2021年08月25日 | Weblog

東京パラリンピックが開幕した。オリンピックにあってパラリンピックにはないもの。選手へのブーイングもそのひとつではないか。障がいのある選手のドジや失敗を誰もからかったりはしない▼大変な困難の中でがんばっているのだから。そんな思いが「あたたかい目」になるのか。ブーイングや文句を口にする人はまずいない▼前回、六四年の東京パラリンピック開催を巡って「障がい者を見せ物にする気か」という批判が出たそうだ。これもある種の「あたたかい目」だろう。だが、その考え方が間違いだったことは、現在の障がい者スポーツの隆盛を見れば分かる▼ある選手が語っていた。「自分のことは新聞の社会面ではなく、運動面で書いてほしい」。美談の人ではなく競技者として扱って。同情も「あたたかい目」もいらない。そう考える選手がいる▼なるほど、「あたたかい目」はやさしいが、障がい者を特別視する目になっていないか。裏を返せば、障がいのないことが大前提となってしまっている社会の弁解じみた、やさしさなのかもしれぬ▼バリアフリー化が進まない現状がある。気まぐれな「あたたかい目」よりも、意識すべきは同じ人間という一点であろう。誰もが同じように不自由なく暮らせる。そういうあたりまえの社会が求められていることをパラリンピックを機に考えたい。さて、ゲームが始まる。


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