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今日の筆洗

2024年08月15日 | Weblog

レールが壊れているのを鉄道の線路番が見つける。列車がやってくれば脱線する。どうするか。ロシアの作家、ガルシンの短編『信号』である▼すぐに列車を止めなければならないが、方法がない。線路番は決断した。自分の腕に小刀を突き立て、血で旗を染め、その旗で列車に危機を伝えた▼壊れたレールへと向かう自民党という列車。ご自分が身を引けば、救えると考えたか。岸田首相。次の党総裁選に出馬せず、首相を退任する意向を表明した▼自分がやめることで自民党が変わることを示したかったとおっしゃった。おやめになる首相にあまり皮肉なことは申し上げたくないが、コラム書きの性分で「美談」にはどうも眉につばをつけたくなる。総裁選に出馬したところで、岸田さん、果たして当選できたかどうか▼出馬をあきらめるのならば党にとって最も役立つ方法でというのが本当のところかもしれない。なるほど「人情芝居」なら危機にある党のため、すべての責任を背負って静かに退くという筋書きは悪くない。この手の話に弱いという方もいるか。首相の退任と総裁選の盛り上がりが不振にあえぐ党の潮目を大きく変える可能性はある▼会見で今後も一兵卒として経済政策などに取り組むとしきりに強調していた。この人、いつかはもう一度首相にという夢を捨てていないのでは…。そこまで、疑っては気の毒か。


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