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今日の筆洗

2020年01月21日 | Weblog

 雄弁よりも沈黙を守る方が勝っており、時において、役に立つというたとえとしてよく使う「沈黙は金」。正確には「沈黙は金、雄弁は銀」で英国の歴史家トーマス・カーライルが一八三一年に自著に使い、そこから世界に広まったそうだが、同じような言い方は古代エジプト時代からあったらしい▼その言葉のオリジナルが古代エジプトにあったと仮定した場合、ちょっとした問題が持ち上がる。その当時精製の難しかった銀の価値は金よりも上だったそうで、となると価値が高いのは、「沈黙」ではなく「雄弁」の方だったということになる▼本当のところはよくわからないようだが、昨日の施政方針演説を聞く限り、安倍首相は都合の悪い話は沈黙を貫いた方が雄弁よりはるかに価値が高いと信じ込んでいるようである▼「桜を見る会」の疑惑やカジノを含む統合型リゾートをめぐる自民党出身議員の汚職事件。首相には雄弁とはいわぬまでもきちんと説明すべき問題があったのだが、いずれについてもあたかも問題自体がなかったかのように触れず、沈黙を守ったのである▼不用意な発言で野党に攻撃材料を与えたくない。今後の国会をにらんでのそんな判断だろうが、世間を騒がす問題にここまで触れぬのは不自然で不正直な態度だろう▼首相には金に見えた、沈黙。国民には銀や銅でさえなく民主政治に害をなす鉛である。

 
 

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