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今日の筆洗

2016年10月24日 | Weblog

 リンカーン米大統領の子どもが十一月の感謝祭に近い、ある日、一羽の七面鳥を見つけた。このままでは感謝祭の夕食会で食べられてしまう。「この鳥を飼うことにしようよ」。大統領もこれを許し、その七面鳥は助かった▼米ホワイトハウスの伝統行事「七面鳥の恩赦」。大統領に贈られてくる七面鳥の中から一羽か二羽を選び、自由の身とする。由来はリンカーンの七面鳥と聞いていたが、どうやら俗説で公式記録は一九六三年のケネディ大統領による「恩赦」が最も古いそうだ▼同じ幸運の鳥でも乗り越えた試練や危機の数々を思えば、こちらの方が上手か。大阪の天王寺動物園で幸せを呼ぶニワトリとして人気になっている「まさひろ」である▼もともとは生き餌として仕入れられたが、マガモの親代わり役にたまたま選ばれ、命をつなぎ、その後、野生イタチ駆除の「おとり」役となるもなぜかイタチが現れぬ▼ライオンの餌となる可能性もあったが、その機会は訪れることなく、ついには「恩赦」され、動物園の人気者とは奇跡の物語である。一度つまずけば、幸運の神に見捨てられやすきわれわれ人間はその人間臭い名を持つニワトリの物語に夢や希望を見るのか▼ホワイトハウスの七面鳥は恩赦後、農園などに放されるが、もともと食用のため、すぐに死んでしまうそうだ。強運のまさひろには当てはまるまいて。

天王寺動物園の人気者 ニワトリのマサヒロ君