シモキタのtokyoboy

下北沢に居を構える初老オジのエクスサイズ、呑み歩き、美術館巡りなどの備忘録生活記録ブログ、含む膝蓋骨骨折リハビリ記録。

原田直次郎展 西洋画は益々奨励すべし (埼玉県立近代美術館)

2016-03-20 | アート・文化

日経でも紹介記事が出て、

原田さんの作品でも主要な幾つかは藝大美術館収蔵で拝見済みなのですが、

記憶にない風景画なども出展とのことで、

やはり北浦和まで行こうかな、と…

 

原田直次郎[1863(文久3)−1899(明治32)]は、江戸に生まれ、子どもの頃からフランス語を学ぶなど、西洋文化に触れて育ちました。やがて西洋絵画を学ぶため、高橋由一に師事し、1884(明治17)年にドイツのミュンヘンに留学します。

で、そのドイツで森鴎外と親友になったのは鴎外記念館の展示で知っているところ(その企画展訪問記事はこちら)。

ちょいと前に横浜市歴史博物館で企画展が開かれた五姓田義松もそうですが、明治になって直ぐにエンジニアだけでなく画家も多くヨーロッパへ留学に行かせた、その国としてのバイタリティを、今では国が全額補助しても留学希望者が定員に満たなくなった現在の日本と併せ考えた時、凄かったんだなあ、と感心してしまいます…


さて、久し振りに公園を抜けての会場。

結論から先に言うと、来て後悔はありませんが、別にここまで彼の為人、弟子の作品(模写含む)まで見なくても良かったのに、であります。

でもまあ、それで知ったのは、彼は江戸期から海外文化への接触が多い家の生まれ、エリートだったのね、ということ。

そしてそんな彼が”画家”の道を選んだ、ということ。


帰国後の写真から起こした肖像画に対する評価は難しいですが、若い時からドイツ留学時(作品数は少ないけど)、帰国直後、など凄い画家だったことは間違いない。

今回の一押しはその留学中、ガールフレンド(行きつけのカフェの女給さん)と旅行した先での「風景」、その草の色、光の輝き、を以って白眉としました。

直次郎が鴎外「うたかたの記」のモデル、は知っているところですが、実はストーリーとかはこの絵とリンクしているのかいないのか、今回知りました。

作品に登場する「巨勢」の友人エキステルはこれも実在のユリウス・エクステルですね。

あ、私もバックグラウンドストーリーに入り込んでいる、人のことは言えない^^;


「靴屋の親爺」とか「高橋由一」は藝大美術館でお馴染みですからねえ、凄い作品ですが、今回は対象外^^

最後に、笑い話。

tokyoboyは竹橋、近代美術館常設4階メインの展示室に(最近まで)展示されている「騎龍観音」は寄託されているもので、狩野派の誰かの作品にして余り好きなタイプのものではない、などと以前のブログでも語っている(こちら)のですが、

改めて読み返すと、原田直次郎作品と明記してますな、tokyoboyさん…

 

今回それにそっくりな、小振りな直次郎の作品(護国寺蔵)の作品が展示されていて、

思わずその作品との関係をキュレーターの方に伺い、

今回の企画展に竹橋が貸し出してくれなかったけど、直次郎の重文作品なので、とコピーを小振りに作って置いてある、と告白され、

”これで納得はしたけど…”と語りつつ、内心コピーならコピーと明記しろ、ひどい目にあった、と思ったのは内緒の話^^;

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